Episode2
常夏ではないがそれでも暑い国、リュウキュウ
今日もまた過ごしやすい日となっている。今日もまた朝が来た
首都から離れた場所…一軒家につい最近新婚となった2人が起きた。華奈とメイである
新婚になって1週間。2人はいつもどおりに朝を迎える。先に起きたのはメイだった
メイ「うぁぁー…おはよう華奈ー」
うめき声のような一言である。そんな声を聞いて華奈は起きだす
華奈「はぁぁい…おはよう…あー眠たい…」
彼女もやけにうめき声に近い。2人とも朝に弱いタイプだろうか。低血圧だろうか
華奈が起きてぼーっとしてるとメイはもうキッチンへと向かった。朝食の準備である
メイは朝食だから簡単にパンとコーヒーとサラダを作る。これでも十分昼ごはんまで持つ
しばらくすると華奈がようやく動きだし、リビングへと移動する。メイはもう朝食を作ったそうだ
メイ「相変わらず朝に弱いわねえ」
華奈「いつもこんな感じ…ふわぁ…」
メイ「はいはい。コーヒー飲んで眠気覚ましなさい」
そう言うと華奈は椅子に座り食べようとする
華奈「いただきます」
パン…だが2人ともパンに付けるものがそれぞれ違う。華奈はいちごジャムだが、メイはマーガリンだ
そんなパンの付け方にメイは言う
メイ「いちごジャムとマーガリンって絶対美味しそうよね」
そう言うと華奈は言う
華奈「確かに美味しいけどカロリー満載で毎日食べたら太るわよ」
華奈が言うとパンを食べる
メイ「そうよねえ…。コンビニで売られているコッペパンはあれ何カロリーなんだろうね」
そう言うとメイもパンを食べる
華奈はある程度食べるとサラダのほうも食べる。サラダも何も付けず。ではなくサラダドレッシングをかけて食べる
食べてる途中、コーヒーを飲んでほっとする。華奈はブラックだがメイはミルクコーヒーである
メイ「うーん。私もブラックコーヒーにしようかな…」
華奈「無理してブラックにしなくていいと思うわよ」
そう言うと2人ともコーヒーとミルクコーヒーを飲む。ちなみにミルクコーヒーのほうはもちろん砂糖入りである
メイ「でもまだコーヒーのほうは余ってるから飲んでいいわよ」
華奈「うん。ありがとう」
そう言うと朝食を食べる2人だった
華奈とメイ。今日は2人ともバラバラな生活をする
華奈はテレワークで仕事。メイは今日は何もないため近くの樹木へ行きエネルギーを吸収する予定だ
メイは外に出る。仙人風な服装ではなく普段着に近い服装だ。現代の仙人はそういう服装が多い
メイ「じゃ、行ってくるわね」
華奈「うん。しっかり吸収してきてね」
そう言うと2人は自然と見つめ合い。自然とキスをした
メイ「行ってらっしゃいのキス。最高ね」
華奈「ふふふ…元気出るでしょ?」
メイは外に出た。玄関から出て数歩…隣の家になにやら車があった。車というかトラック…引越し業者のトラックだった
あ。もう新しい人が来るんだ。そう思ったメイだった。気にはなるがとりあえずいつもの場所へと移動する
華奈はテレワークで仕事。持ってきたパソコンでソフトを起動しつつ会話をする
今日は一応会社に出向かないでいいだろう。たまにある出社でいちいち精神が削れる。怖い人はいないのだが…
しばらくパソコンと向き合い、仕事をしていた。途中メイが用意してくれたコーヒーを飲みつつ作業をする
一旦休憩してパソコンから離れる
華奈「ふー…。ちょっと庭を見ましょうか…」
庭の確認をする華奈。リビングにパソコンがあるためすぐに庭の確認ができる
庭で種を撒き、1週間経ったが順調に育っているのがわかる。芽が出ていた。成長剤も撒いたため、しばらくは大丈夫だろう
今日も一日、忘れずに水を撒く。土の精霊なので芽が嬉しそうな雰囲気を感じとった
結局種を買って土に入れたのはトマト、きゅうり、ナス、ネギであった。とりあえずそのぐらいにしておいた
まだ種が余っているためどんどん追加で種を入れたいが、ここの庭が大きくはない。大きい鉢でも用意して育てるか?
だが華奈は思ったがやっぱりこの育てるという行動は楽しい。ここに来て嬉しいことだらけだ。全然不満はない
メイはよくこの土地を見つけたものだ。メイに関して心から感謝したい。そう思う華奈だった
一方でメイのほうは家の近くにある樹木の前で座禅をしてた
エネルギーの吸収。これは仙人にしかできずパワーになる。この国独特の種族だからだ
何度もその樹木へ行きエネルギーをもらっても決して枯れることは無い。特に樹木が密集してるとエネルギーはたくさんもらえる
それを狙ってメイは吸収してる。これは華奈もわかっていた。吸収すると色々と元気になれる
座禅を組んでる仙人に手出しはできない。仙人に手出ししようものなら罪に問われる
だが、ここに住んでいる国民は仙人のことはわかるため基本的に安心して仙人は吸収できる
前にニュースで観光客のパリピ集団が仙人の邪魔をしたことがあったらしいが、即逮捕であった
まあそんなこと思い出しつつ、メイはしばらくその樹木で座禅を組んでいた
誰も来ない。ここは本当に良い場所である。メイはちらっと持っていた時計を見た
メイ「あ…そろそろ昼ごはんね…戻りますか…」
メイは座禅をやめて家に戻ろうとした
メイは自宅へ戻る前に隣の家を確認した
色々な荷物がその家に運ばれている。一体誰だろうか?作業着を着て帽子かぶってるのは恐らく引越し業者だろうが…
こんな場所に住むなんて面白い人がいるもんだ。是非とも嫉妬しないレベルでお隣さんと仲良くしたいかも。そう思うメイだ
ここまで考えたらメイは自宅のドアを開けて華奈に挨拶する
メイ「ただいま華奈」
華奈「メイおかえり。今日の昼ごはんはパスタよ」
メイ「わー!どんなのかな?」
華奈「今日はミートソースよ」
メイ「やったー!」
もう出来上がったのかテーブルに並べて食べることにする
メイ「いただきます」
ミートソースとはシンプルながら美味しいものだ。タバスコやパルメザンチーズをかけてももっと美味しい
メイはタバスコとパルメザンチーズとたっぷりかけてミートソーススパゲティを食べていた
華奈「そんなにタバスコかけたら辛くならない?」
そう言うとメイは食べながら言う
メイ「私辛口好きだからさ。ほら、例えばパスタってペペロンチーノとかあさりのソースを辛くしたら美味しいじゃないかしら?」
華奈「そ、そうかしらねえ…?」
メイ「私の好みだからよ!パスタを巻きつけて…パクっ!…ちょっとタバスコかけすぎたわ」
華奈「ほらー」
そんなこと言いながら2人はのんびりとした昼ごはんを食べていた
昼過ぎ…メイはもう吸収を終えたのかリビングにいた
華奈は相変わらずパソコンの前に居て作業をしていた。だがこの作業も夕方前には終わるだろう
メイはちらっと華奈を見ていた。作業に集中する妻…?はとても真剣だ
そんな華奈を見てメイは改めて指輪を見た。良い指輪を買ったものだ。そう思うと華奈との結婚はとてもプラスになれた
スマホを見る。今日は特に剪定の連絡もない。今日は何もないだろう。だったら今日は腕をふるって料理を作ろう
そんなこと考えていたら玄関ドアからノックオンがした。コンコン…
メイ「はーい」
メイは玄関へ行きドアを開ける
そこには亜麻色の髪色をした褐色の女性と白い角、白い羽をした茶髪の大きめな女性がいた。もしかして隣の…?
?「あ、どうも!私たち隣の家に引っ越してきました!お隣さんですよね?」
メイ「ええ。そうよ」
?「真衣。お隣さんって当たり前のことよ」
真衣「あはは!そうだった!変なこと言っちゃったベリシャ!」
そう言うと2人は笑い合う。真衣とベリシャ…?
すると華奈は玄関まで来た
華奈「あらあ、もしかしてさっきから引っ越し作業してたんですか?」
ベリシャ「そうよ。だから少し落ち着いたから挨拶に来たのよ」
ベリシャという人物はなんだか口調は艶やかさがある。一方の真衣は元気そうな声をする
華奈「よかったら上がってください!」
真衣「いいんですか?じゃあお邪魔しまーす」
ベリシャ「上がらせてもらうわね」
そう言うと2人は室内へと移動した
真衣とベリシャは椅子に座る。その対面で華奈とメイがいる。またコーヒーを淹れて2人に差し出す
真衣「ありがとうございます!」
メイ「2人さんは今日来たばかりの2人よね?」
真衣「そうなんですよ。あ、自己紹介するね。私はブラックワード・真衣と言います。種族はヒューマンです」
ベリシャ「私はブラックワード・ベリシャ。高位悪魔よ」
…ん?2人とも同じ名字?をしている。これは一体?
華奈「同じ名字ですけど、姉妹ですか?」
そう言うと真衣は言う
真衣「私たち、結婚したんです。だから私の旧名芦田って言うんですけどブラックワードになったんです」
メイ「あ、そうなんだ~。私たちと一緒じゃない」
華奈「そうね~。同類だったわ~」
メイと華奈はコーヒーを飲む。そして2人ははっと気づいた
メイ「ええええ!?人間と悪魔のパートナー婚!?」
華奈とメイはびっくりした。まさかとは思わないほど同類が隣に来たとは…!
ベリシャ「あら?貴女たちも一緒なの?よかったわね真衣。同じ人よ」
真衣「やったー!これ絶対良い人に違いないよ!嬉しいし運が良かったー!」
華奈「そ、そうなんですか…」
華奈言うとベリシャは言う
ベリシャ「意外と驚かれるのよね。ヒューマンと悪魔の結婚って。でも、今は種族間なんて関係ないわ」
メイ「い、いやまあそうだけど…」
メイがプロポーズするときにも種族間なんて関係ないとは言ったが…
真衣「2人ともなんて名前なんですか?」
あ、そう言えば…。びっくりして華奈とメイは自己紹介を忘れた
華奈「私、川人華奈と言います。旧名は土室。土の精霊なのよ」
メイ「私は川人メイ。仙人であるわ」
2人は言うと真衣は言う
真衣「もしかしてここ特有の種族の人ですか?わあー!なんて珍しいんだろう!」
ベリシャ「精霊と仙人…話には聞いてたけどなかなか悪くない種族じゃない」
華奈は思ったが高位悪魔っていうのも割と珍しいと思うが…
華奈「高位悪魔。とは言いますがどんな種類ですか?」
それよりも白い羽と白い角が気になって仕方ない
ベリシャ「私はサキュバス。淫魔なんて呼ばれるけどそれは昔。現代はただの高位悪魔として存在する悪魔なのよ
私のこの白い羽と白い角。たまに天使と勘違いされるけど立派な高位悪魔だから勘違いしないでね」
メイ「そうなんだ~。ヒューマンと高位悪魔の…パートナー…」
なんていう2人なんだ。人間と天使が結ばれたという話を風の噂で聞いたことはあるものの、人間と悪魔とは…
真衣「でも、良い人そう!本当に良かった!嬉しくて今からウキウキしちゃうよ!」
メイ「ええ。せっかくだから仲良くしましょう。もちろん、助け合うこともするしね」
華奈「メイの言う通りね。同類ならきっと仲良くなさそうだし!」
華奈は思ったがメイは嫉妬しやすいタイプだが大丈夫だろうか。2人は言うと真衣とベリシャは喜んだ
真衣「やったー!よろしくおねがいします!」
ベリシャ「私からも言うわ。よろしくね」
真衣とベリシャは用意されたコーヒーをぐぐっと飲むと言う
真衣「そろそろ戻ろうか?」
ベリシャ「そうね。まだ荷物整理できてないし」
華奈「あ、よかったら手伝いましょうか?」
そう言うとベリシャが言う
ベリシャ「いえいえ、大丈夫よ。2人でなんとかなるから。気持ちだけ受け取るわね」
華奈「わかりました」
そう言うと4人は椅子から立つ。そして真衣とベリシャ、華奈とメイは玄関まで行く
ベリシャ「とても良い隣人さんで良かったわ。これからよろしく」
真衣「整理が済んだら私たちのとこに来てね!」
華奈「ええ!是非とも!」
メイ「貴女たちの生活がよりよい感じになってくれたら嬉しいわ」
真衣「ありがとう!じゃあね!」
そう言うと2人は去っていった。とは言えど玄関から出てすぐの隣の家なので2人は入るまで見送ってた
華奈とメイは玄関のドアを閉める。バタン…そして顔を見合わせる
メイ「ヒューマンと悪魔なんて…すごい組み合わせね…」
華奈「そうね…どうやって2人が結ばれたのか落ち着いたら聞いてみたいわね…」
夜。今日はメイが料理を作るとのことだったので華奈はテレビを見ていた
地方局、全国局…色々なテレビ局はあるが、やっぱり地方局のほうが面白い。マイナーな店などを紹介するからだ
華奈はそう思うと発泡酒の蓋を開け、一気に飲む。普通のビールよりこっちのほうが好きだ。安いし
今日はアマリリスの紹介をしてた。ここも常夏の国。とも言われてリュウキュウと一緒である
華奈「アマリリスかあ…もしかしてベリシャさんってここ出身なのかなあ…」
悪魔の多い国。とも言われてインタビューも悪魔っぽい感じの人が多かった
もちろんこの国にも悪魔は存在するがアマリリスほど多いわけではない。悪魔協会も一応あるが…
さっき一気に飲んだせいかもう缶が空っぽだ。冷蔵庫に行き再び発泡酒を持ってくる
そのメイが料理してるのを横切った。今日は肉だろうか。この肉…いい香りがする
ちょっと経つと料理が完成したみたいだ。メイが出来上がった料理をテーブルに置く
メイ「はーいできたわー」
そう言われると華奈は発泡酒の缶を持ってテーブルの椅子に座る
中心に肉が置いてありその周りには野菜があった
華奈「これ…なんいうの?」
メイ「プルコギってやつ!羊肉使ってるから美味しいわよ」
華奈「あ~。確かに美味しそう!いただきます」
華奈は言うとプルコギを食べ始める。うん。味が付いていて美味しい。その周りの野菜も美味しかった
華奈「美味しい~!」
メイ「どんどん食べていいわよ」
華奈「うん!」
そう言うと2人は食べていた
食事を終えると2人は仲良く食器を洗い、2人でソファーに座った
メイは華奈の肩を抱いていた。華奈は言う
華奈「…あの2人、今何をしてるのかしら」
メイ「あら?そんなに気になる?」
華奈「ううん。私が思うに、結構イチャイチャするような2人のようだったから…今イチャイチャしてんだろうなって」
メイ「新婚なのか、もう数年前から結婚してるのかわからないわね」
華奈「でも…私たちだって負けてられないわ。メイとイチャイチャしないと」
そう言うとメイは華奈の顎をくいっとした
メイ「大丈夫。負けないようにイチャイチャすればいいのよ」
そのままキスをした。またアルコールの匂いがしたがあまり関係なかった
…長いキスだった
リュウキュウの夜…
今日も夜は涼しく、冷房なんていらなかった
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