プロローグ

「いい…月ね…」

「そうね…とてもキレイよ…」

リュウキュウの首都から離れた高台で精霊と仙人の2人の女性が空を見上げていた

今日の夜は雲が何一つ無い空。月が淡く照らす、そんなような空だった

一人、仙人はこのムードでチャンスだと思った。彼女に…婚約を申し込むチャンスだと

ドキドキする。だがこのムードなら行けるはず。そう思い胸の鼓動を抑えつつ話しかける

「ねえ…華奈…」

「ん?何かしらメイ?」

そう言われると仙人のほうはポケットから箱を取り出した。胸の鼓動がマックスなほどドキドキが止まらない

「こ…これ…」

仙人のほうが言うとその箱を自分で開ける。そこには指輪があった。精霊のほうは驚いた

「…これって…指輪…?」

もうはっきり伝えよう。決心と決意をして仙人は言う

「私と、一緒に暮らしませんか」

精霊はその言葉を聞くと顔が赤くなる。ここで…プロポーズ…!?

「で、でも…メイは…仙人だし…」

「種族間なんて関係ないわ」

「わ、私、まだ精霊としては若年者だし…それに…」

遮るかのように仙人は言う

「華奈…私はただ貴女と一緒にいたい…ずっと…それだけよ」

月が照らす。2人はただ、胸のドキドキが止まらない。私が…?

少し経つ。しかし精霊のほうから口が開いた

「…わかったわ。貴女の婚約、受け止めます」

そう言うと精霊のほうはその指輪を受け取った。キレイな指輪…月の光が指輪を照らし、反射してた

仙人のほうは受託されたと思って目から涙を流す

「うっ…うっ…!よかったぁ…!だって…だめかと思ったわぁ…!」

その涙で精霊のほうも涙を流す

「そんなことないわよ…!嬉しいに決まってるわ…!」

そう言うと2人は抱き合った。愛したい仙人と、愛されたい精霊がここで婚約が決まった

抱きついた後、2人は抱きつきながら見つめ合う

「愛してるわ華奈…」

「私だって…愛してるわ…メイ…」

そのまま自然とキスをした。深いキスだった。キスを終えると、また見つめ合う

「…私ね、2人が住めそうな家、既に確認してるのよ…そこで住もうね…」

「そうなの?けど、メイがそう言うならそこで住みたい」

そう言うと仙人のほうは精霊の指に指輪を付けた

「これから…ずっと…よろしくね?フィアンセさん?」

「もうずっと離れないからね…メイ…」




―――握りしめた手をギュッと離さないでいたい





      4Season4Legacy

      ~Sweet Melody~


        Prologue



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