君は自分の前世を覚えているか?
◆
「いやぁ、緊張したぁ」
「ふふふ。
お疲れ様でした」
「しかし驚いたなぁ……」
「いきなり私が結婚すると言い出したからですか?」
「ああ」「ふふふ」「なあ、ひとつ聞いてもいいか?」「はい? なんでしょう?」
「君は自分の前世を覚えているか?」
「はい。
覚えております」
「そっか。
ちなみに聞くが、君はどんな人生を送って来た?」
「はい。
私は、前世では普通の女の子でした。
特にこれといった特徴もない普通な女の子でした。
ただ、一つだけ他の人と違った点を挙げるとすれば、私は生まれつき魔力量が多かったんです」
「なに? 君は魔法を使えるのか?」
「はい。
簡単なものであれば使えますよ」
「マジで?」
「はい。
本当ですよ」
「すげぇな。
それで、君の得意属性はなんだ?」
「私は火と水と風の3つの属性を扱えます」
「おおぉ!」
「といっても、まだ練習中なので大したものは使えないんですけどね」
「それでも十分すごいだろ」
「ふふ。
ありがとうございます」「それじゃあ、早速見せてくれないか?」
「ええ。
もちろんいいですよ。
それじゃあ行きますね。
炎よ我が前に集いて敵を焼き尽くせ『ファイアボール』!」
リリスが詠唱を唱えると、目の前に小さな火の玉が出現し、そのまま前方に飛んでいき、地面に着弾して爆発した。
「お見事!」パチパチと拍手をしながらエルが褒めると、「えへへ。
ありがとうございます」と嬉しそうに微笑むリリス。
その後もしばらく魔法の披露が続いたが、やがてそれも終わりを迎えた。
「それじゃあそろそろ帰るか」
「そうですね」
「また今度一緒にどこかに出かける時にでも、新しい魔法を教えてくれないかな?」
「もちろんいいですよ」
「やったぜ! それじゃあ、これからよろしくな!」
「はい。
こちらこそよろしくお願いします!」
こうして、エルとリリアナの交際が始まった。
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