君は自分の前世を覚えているか?

「いやぁ、緊張したぁ」

「ふふふ。

お疲れ様でした」

「しかし驚いたなぁ……」

「いきなり私が結婚すると言い出したからですか?」

「ああ」「ふふふ」「なあ、ひとつ聞いてもいいか?」「はい? なんでしょう?」

「君は自分の前世を覚えているか?」

「はい。

覚えております」

「そっか。

ちなみに聞くが、君はどんな人生を送って来た?」

「はい。

私は、前世では普通の女の子でした。

特にこれといった特徴もない普通な女の子でした。

ただ、一つだけ他の人と違った点を挙げるとすれば、私は生まれつき魔力量が多かったんです」

「なに? 君は魔法を使えるのか?」

「はい。

簡単なものであれば使えますよ」

「マジで?」

「はい。

本当ですよ」

「すげぇな。

それで、君の得意属性はなんだ?」

「私は火と水と風の3つの属性を扱えます」

「おおぉ!」

「といっても、まだ練習中なので大したものは使えないんですけどね」

「それでも十分すごいだろ」

「ふふ。

ありがとうございます」「それじゃあ、早速見せてくれないか?」

「ええ。

もちろんいいですよ。

それじゃあ行きますね。

炎よ我が前に集いて敵を焼き尽くせ『ファイアボール』!」

リリスが詠唱を唱えると、目の前に小さな火の玉が出現し、そのまま前方に飛んでいき、地面に着弾して爆発した。

「お見事!」パチパチと拍手をしながらエルが褒めると、「えへへ。

ありがとうございます」と嬉しそうに微笑むリリス。

その後もしばらく魔法の披露が続いたが、やがてそれも終わりを迎えた。

「それじゃあそろそろ帰るか」

「そうですね」

「また今度一緒にどこかに出かける時にでも、新しい魔法を教えてくれないかな?」

「もちろんいいですよ」

「やったぜ! それじゃあ、これからよろしくな!」

「はい。

こちらこそよろしくお願いします!」

こうして、エルとリリアナの交際が始まった。

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