外伝3話
…今日は良い天気だ
そんなこと思いつつも私はなぜか屋敷の壁に高圧洗浄をしていた。あれ?これって部下がやるものよね?
しかし部下は龍人のくせして身長が低い。160センチぐらいしかない…
私は170センチぐらいあるから結局私がやるはめになっている。おかしいなあ
そもそも私が部下に高圧洗浄をしろと言ったのだが身長が低いせいかお願いしますみたいなこと言われてこうなっている
そう言えばカチトはどこにいるのかしら。相変わらず私の部屋で何かをしているに違いない。カチトを呼べばいいのに
ウジの家から帰ってきて運転で疲れたのに私がやってる。それ、どういう意味かしら?
夕方近くになってようやく終わった。全く。ずっと肩を上げて洗浄してたから肩がこった
マドカ「ふー。ようやくできた」
メイド「お疲れ様です女帝様」
お疲れ様ですって言われても貴女たち何もしてないじゃない…
マドカ「貴女たち汚れてもいい服ってあるの?」
メイド「いえ?ございませんが?」
…ストレート発言。今度彼女たちに作業着みたいな服を用意したほうがいいかしら
マドカ「まあいいわ…。後片付けは貴女たちがやりなさい」
メイド「ははっ!女帝様!」
全く。命令に従うときだけは元気な返事だ。しまった。私の能力をフル活用すればよかった。なぜこんな面倒なことに…
私は高圧洗浄をしたがそこまで汚れてはいない。水のしぶきで少し服に水が付いてしまっただけだ
片付けてる部下を横目に私は屋敷の内部へと戻る。どうせすぐに乾くからそのままで大丈夫だろう
屋敷の2階へと向かう。もちろん、行く場所は私の部屋だ。というか私とカチトの部屋、というのが正しいかもしれないわね
カチトが私の側にいるのは私の想いだったりする。あのとき、カチトを誰が救えるかわからなかったから…
私の部屋についた。ノックせずに入る。そこにはソファーで座っているカチトがいた
彼女は何かしてたのだろうか。部屋に入るとカチトがすぐに反応してくれた
カチト「おー。マドカー。戻ったのかー?」
マドカ「ええそうよ」
私が言うとカチトは不思議な顔をした
カチト「んー?遅かったなー?」
マドカ「だってさっきまで壁の高圧洗浄をしてたからよ。ウジの家から帰ってすぐにそうしたのよ」
カチト「おー?だったらー。余がー。手伝ってのにー」
…しかしカチトは本当に手伝ってくれるだろうか?あまり体を動かすことをしたくない龍人だしね
マドカ「…で?何かしてたカチト?」
そう言うとカチトはスケッチブックを取り出し絵を見せた
カチト「見ろー。余がかいた絵ー。ここらへんのー。風景をかいたー」
この屋敷周辺の絵かしら。だが上手い。カチトは絵が上手いのは前から知ってたわよ
マドカ「なかなか上手くかけてるじゃない。すごいわね」
カチト「ありがとー。余はー。絵をかくのがー。好きー」
実際前にいた場所でもカチトは油絵などをかいて展示してた気がする
趣味のひとつでもあり私にはできないことをする。そんなカチトがすごいと思う。もちろん祝福も意味を込めてね
カチトは言い終えるとスケッチブックを閉じて私を見る
カチト「なーマドカー。余がここに来てー。あれから何年経つー?」
マドカ「そうねえ…10年前ぐらいかしら?」
そう言うとカチトはうつむく
カチト「マドカがー。来てくれなかったらー。余はー。どうなってたかー。わからないー」
…あの時のカチトか。カチトがまずい状況になってたときに私はカチトの元へ行ったんだっけ
その時の状況がまるで昨日のように思い返される。そう…カチトにカチコミされた時のこと
カチトは読心術を持っているが、その男は正体を表さず読めなかったということだ。読心術とはいえ表向きの心しか読めない
思ったがいくらなんてもカチトは決して悪いことはしていない。ただ遺族にカチコミされたことはかなりカチトはショックなのだろう
勝利を司るというのはとても難しい祝福だ。だから封印もしてしまった。まあ巴に祝福したのは好意ってことでね
あの時のことを思い出した。10年前の話だった
「うっ…うっ…うわああん…」
バン!
「うっ…?誰…?」
「…貴女が王月龍カチトね」
「…そ、そなたは…?」
「私は女帝龍マドカ。龍人のリーダーよ。スタッフの要望で貴女を救いに来たわ」
「す、救い…?」
「逃げましょうカチト。貴女をこれ以上ここにいる必要は無い」
「に、逃げるって…」
「簡単よ。ここを捨てるのよ。そして私と共にいましょう」
「…でも…余は…」
「すべこべ言わない。さ、行きましょう」
「う、うん…」
…そうやって気づけばカチトは私を心から好きになってくれた。私がすぐに来たのは正解だと思う
だからこそ、私だってカチトのことを好きになれた。それだけの話だ
カチトが私といると見る見るうちに元気になり、今では明るい姿を見れるようになった
だけどもうちょっと家事に関して積極的になってくれたらなあ。とは思っている
そんなこと考えてたらカチトがじっと私を見ていた。おっとちょっと考えすぎてた。だがカチトは違うことを言った
カチト「余はー。マドカのためならなんだってー。するー」
マドカ「あら。別に無理しなくていいのよ?」
カチトは更に言う
カチト「余はー。絵が上手いー。だからー。個展を開きたいー」
こ、個展…確かに趣味の絵描きはかなり上手いほうだが…
マドカ「う、うん。いいわよ。無理しない程度にね」
別にだめな理由もない。やりたいのならやらせるべきだろう。ただしカチコミされた遺族に会わないことを条件にね…
カチト「嬉しいー。油絵でー。たくさんの絵ー。描いてみるー」
カチトはウキウキしながら言葉を言う。あら、意外と嬉しがってるわね
ちょっとだけぴょんぴょんしてる。その仕草がかわいいのよ。そして胸がぶるんぶるんと揺れた
…うーん。どうしてカチトはここまで胸がでかいんだろう。ハルカもでかいほうだがカチトは更に上を行くバストサイズだからね
私なんてだいたい84ぐらいだった気がする。カチトは測ってみたら105というおっぱいおばけだった
龍人は高身長になりやすいがカチトは身長がでかい上にバストサイズも恐ろしく大きい。何を食べてこうなったのかしら…?
カチトは牛乳と言った乳製品が好きだからそれを摂取するうちに大きくなったのだろうか。あくまでも憶測だけど
ま、カチトの胸は私だけのものだしね。あ…そう言えば巴がカチトの胸揉んだっけ…
ちょっと考え込んでたらいつの間にかカチトはスケッチブックで線画を描いていた。もうネタが出てきたのか?
マドカ「…もうネタが浮かび上がった?」
カチト「んー?ちょっとー。イメージしてからー。本格的にー。描くぞー」
あ。イメージね…
マドカ「じゃあ私、違うとこ行くから…」
カチトが集中して描いてるとこを邪魔しちゃいけないなと思って私は出ようとした。が、手を引っ張られる
マドカ「…どうしたのカチト?」
カチト「側にいろー。余はー。マドカがいないとー。集中できないー」
あらあら。そんなこと言われたら側にいるしかないじゃない。でも絵描きって人がいると集中できないはずだけど
そんなこと考えてもカチトはすらすらと風景っぽい絵を描き始める。もうすでにイメージできてるのね
カチト「マドカー。余にー。牛乳を持ってきてくれー」
…おいおい今度はこの私に命令ですか。そんなカチトを思っていたらドアのノックがした
ガチャ…そこにいたのはメイドだった。あ、ちょうどよかった
メイド「女帝様。高圧洗浄の片付けが終わりました」
マドカ「わかったわ。そうだカチトに牛乳を持ってきてくれない?」
メイド「ははっ。かしこまりました」
ふー。主なのにわざわざ牛乳持ってくるところだったわ
そんなこと言ってもカチトは全然反応せず絵をすらすらと描いていた。のんびりとした口調だけどこういうときは早いのね
ちょっと経つとメイドが牛乳を持ってきてテーブルに置く。メイドの次の仕事は調理だ
また経つとカチトは筆を描くのをやめる。何かあったか?
カチト「マドカー」
マドカ「ん?どうしたの?」
カチト「疲れたろー?余のー。おっぱい揉むかー?」
マドカ「…揉むわ」
そう言えばカチトの胸をあまり揉んでない。早速服の上からカチトの胸を揉むことにした
さわ…さわ…胸を揉んでいた
カチト「んっ…」
マドカ「本当に貴女の胸は柔らかい…誰よりも違う…カチトの胸…」
カチト「んあ…もっと…揉んでいいぞ…」
感じているのだろうか。私は更にカチトの胸を揉む
マドカ「全く最高だし…貴女は相変わらずMな龍人ね」
カチト「ん…マドカのためなら…体は全部マドカのものだぞー」
マドカ「ありがとうカチト」
ある程度癒やされたのか私はカチトの胸を揉むのを終える
カチト「もういいのかー?」
マドカ「ええ。十分に満たされたわ」
その言葉を聞くとカチトはまた絵を描く。もしかして揉まれたいがために一時停止してたのかしら…
夜。夕飯の時間だ。私とカチトは絵を描くのを止めて早速食堂へと向かう
今日は何かしら?用意されたのは肉質たっぷりのローストビーフだった。これ美味しいのよね
ちなみに今日はメイドもすべての作業が終えたのか一緒に食べることになった
いただきますを言い、食べ始める。メイドは少し遠慮がちにつまんでいる
マドカ「美味しいカチト?」
カチト「おー。美味しいぞー」
そう言うと私はローストビーフの肉をたくさん食べる。すると隣にいたメイドが話しかける
メイド「女帝様。今日は高圧洗浄のこと、申し訳ありませんでした」
マドカ「ん?別にいいのよ?」
確かに疲れたが嫌な疲れではない
メイド「もうちょっと…身長の高い龍人がいればよかったのですが…」
マドカ「んー…」
そうだなあ。私の部下のメイドって身長低いから…かと言ってせっかく働いてるのに身長だからという理由でそうとっかえしたくない
マドカ「…いや、いいわよ。そのままでいましょう。別に気にしなくていいわ」
メイド「有難き幸せです。女帝様」
そんなことを言いつつ私は食事を続けた
食事が終わってお風呂に時間。もちろんカチトと一緒に入る
この風呂場は大きい。私の趣味であり、多人数が来たときに入れるように設計したからだ
でも多人数が来るわけでも無かったのでちょっとだけ失敗。実際風呂なんて1人で入ること多いしね
カチトは私の背中をゴシゴシ洗っている。そんな丁寧なカチトが好きだ
…でも若干ながら背中にカチトの胸が当たる。ぷに…ぷに…という感触。なんだか変に感じてしまう
やはりカチトは胸が大きすぎる。でも、悪いことはないわ
マドカ「カチトありがとうね」
カチト「おー。マドカの背中ー。色々なものー。背負ってるからー。しっかり洗わないとなー」
背負う…確かにリーダーとして色々とある。だが、あまり重くは背負ってはいないけどね
マドカ「ねえカチト。貴女の背中を流してあげるわ」
カチト「んー?いいのかー?」
マドカ「いいのよ。さ、座って後ろ向いて」
そう言うとカチトは座る。その背中はやはり大きい。私の一回り以上の大きさだ
色々なものを背負う…カチトは勝利の龍人として前は背負ってたものがあったのだろう
私はボディーソープをつけて洗う。ゴシゴシ…何も言わずカチトは洗われていた
マドカ「ねえ…カチト」
カチト「んー?」
マドカ「前向いて。前も洗ってあげるから」
カチト「わかったー」
そう言うとカチトは前を向いた。大きい胸、いつも剃ってるあそこが見えた
カチトは決して恥ずかしがっていなかった。私は前も洗っていた。首筋周りや肩。そして胸へと洗う
そのたびにカチトは少しながら声を出していた
カチト「んっ…あん…」
これ間違いなくあえぎ声…私がしてくれているからカチトは感じているのね。そんなカチトだ
カチト「もっとぉ…下半身もぉ…」
私は言われるがままに下半身も洗う。洗う場所が局部まで行くとカチトは声を上げる
カチト「あっ!ひやあああん!」
ちょっと驚いたが、もしかして感じてくれたんだろう。触られるのが大好きなドMな龍人ね
マドカ「どうしたの?感じちゃったの?もしかして、こうやってカチトは感じてほしいから前も洗ってほしいって願望したの?」
そう言うとカチトは少し赤い顔で言う
カチト「も…もう…背中を洗ってるときから…感じたよぉ…」
マドカ「エッチ、したいの?」
カチト「そ、そういうわけじゃないよお…」
マドカ「…そっか。じゃあ立って。泡取り除くから」
そう言うと私はシャワーで体中のあわあわを取り除く。そういうわけではないなら、今日は無しね
でも、カチトの優しさが見えた。だから私はこの勝利を司る龍人が好きだ。ある意味運命かもしれない
シャワーを終えると私とカチトは見つめていた。私のほうからカチトの体を抱きついた
ちょうど私の頭がカチトの胸に柔らかく包む。私はこの龍人を守ってあげるから、いつでも側にいて
カチト「マドカー…。大好きー」
マドカ「私も大好きよ。愛してる」
そろそろ就寝の時間だ。相変わらずカチトはスケッチブックに絵、というか線画を描いていた
ちょっとだけだがカチトの表情が明るい。上手く線画を描けたのだろうか。カチトはあまり表情を作らない龍人だ
寝る前にいつもどおりに化粧水などをつけていたらカチトから声をかけてくれた
カチト「マドカー。見ろー。上手く描けたぞー」
そう言うと私はその線画を見た。…正直言うと線がごちゃごちゃしててよくわからないが、風景なことには変わりない
これをモデルにしてキレイに描くのがカチトの腕の見せ所なのだろう。だから私の感想は至ってシンプルにした
マドカ「あらいいじゃない。これで油絵で描いてキレイな絵にするんでしょ?」
そう言うとカチトはある意味見せない笑顔を見せてくれた
カチト「マドカにー。褒められるとー。嬉しいー。よーし。今日はここまでー」
カチトは自分の机にスケッチブックを置いてすぐにベッドに飛びついた
マドカ「カチト。飛びつくとホコリが舞うからやめてね」
だがそんな耳を持たず。カチトはもう寝そうだ。相変わらず子供のような性格ね…
私もそのベッドで寝そべる。するとカチトはゆっくりと体を動かして寝ながら私を抱きつこうとした
もちろんそんなカチトを決して嫌にもせず私は抱きつかれた
暖かい体温のするカチト。私はそんなカチトを心から愛してると感じた
カチト「…マドカー。余だってー。愛してるー」
あら?心が読まれていたわ。でも、プラスなことで読まれていたなら別にいい
私とカチトは抱き合いながら寝ようとしてた
ジパングの夜
私とカチトで一緒に良い夢、見ようね
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