第10話

夜の彼岸神社…

今日は巴はいない。だが、ハルカはとある人物に連絡をしていた。布団の上で、連絡をしていた

ハルカ「…そうだ。我の恋人とともにお前の場所にいきたい。お前も同族だろ?」

そう言うとハルカは相手側の言葉を聞いてまた言う

ハルカ「よし。決まりだな。じゃあ昼ごろに来る。よろしくな。我の上司」

電話を切った。そして今度は巴に連絡をする

ハルカ「巴?私よ」

巴「ハルカ、どうしたの?」

ハルカ「実はね。貴女ともう一歩前進するために私の上司を紹介したいの」

巴「…ハルカの上司??」

ハルカにも上司がいたのか。そんな疑問を持ちつつハルカは言う

ハルカ「大丈夫よ。その上司とは言っても私と同じぐらいの長い家系がある言わば同族…仲良くしてるわ」

上司と言うのなら龍人で決定だろう

巴「うん。わかった。じゃあ、ハルカと合流してから行こう。どこにあるの?」

ハルカ「山の上…まるで世界から離れたような場所にいるの」

巴「もしかしてそこはバス通らないからタクシー?」

ハルカ「そうよ。タクシーも準備するから、そうしましょう」

巴「わかった」

ハルカ「じゃ、またあした」

そう言うと電話を終える。そしてハルカは言う

ハルカ「…あのね、巴と結婚したいから…紹介したいの…その上司も、私と同じなのよ」

窓から見える空を見つつ、今日の夜は過ぎていく


翌日の昼

2人は合流した後タクシーでその場所まで移動してた

まるでソトノと会うような場所では無く、山の上まで移動する。しばらく乗っていると既に周りの景色は森…

どんどん上まで上がる。道は舗装されているが、ちょっと雲がある感じ

そんな光景を見ながら巴は不安になっている。なにせこんなに山を上がるのは初めてだからだ

巴「ね、ねえ…こんなに山奥というか上に上がって本当に建物あるの?」

ハルカ「大丈夫よ。すぐに見えるから」

そう言うとそろそろ着きそうだ

森を抜けると、そこには洋館みたいな場所があった。その山のてっぺんに、建物があった

タクシーはここで止まった。結構運賃が高かった

巴「こ、ここ…?」

ハルカはタクシー運転手に料金を払い、2人はタクシーを降りた

ハルカ「着いたわね」

巴「ここが…」

長時間座ってたら少し腰が痛くなったが、そんなこと言ってられない

ハルカは何事も無くその建物の門へと行く。巴も後に着いていく

門に着くと、ハルカは手慣れたように門にあるインターホンを押す。ピンポーン

?「はい?」

ハルカ「我は龍宮寺ハルカだ。門を開けてもらいたい」

?「お待ちしてました。今すぐ門を開けます」

そう言うと門がゆっくりと開く。待つと門が全開になった。ハルカと巴は進む

門の先、言わば庭だが様々な花が咲き誇る場所だった。巴はきっとこの主は良い人かもしれないと思った

庭を抜け、扉まで行く。すると、そこは自動ドアみたく門と同じくゆっくりと開いた

巴はふと思い出したが、シダレカ悪魔協会も似てるような建物をしてる

もしかしてその主もとい龍人というのは…だが、悪魔とは関係無さそうである

2人は建物に入る。すると正面階段から2人の姿が見えた。あれが…?

ハルカは一応お辞儀をした。巴も真似してお辞儀をする。上司だからだろう

?「よく来たわね!龍宮寺ハルカ!そしてその恋人よ!」

?「そなたらをー。歓迎しよー」

ハルカ「お前たち元気そうだな」

巴「一体…?」

巴が一言言うと、2人は自己紹介した

?「私の名前は女帝龍マドカ。龍人のリーダー的存在!」

?「余はー。王月龍カチトー。勝利を司るー。龍人ー。王様の王にー。月と言ってー。王月龍ー」

じょ、女帝…!?巴はびっくりした。もしかしてエンペラードラゴンとか言う人か!でもカチトという人はなんだか気が抜ける…

ハルカ「マドカ。カチト。我はやってきたぞ」

マドカ「こんな山奥まで来てくれて嬉しいわ~」

カチト「余もうれしー。ハルカー。元気そうだー」

巴「あ、どうも…東風平巴と言います…」

マドカ「巴ね!よろしく!」

握手を求められ、巴は握手をする

カチト「巴ー。余もー。よろしくー」

カチトにも握手をした

巴「はい。カチトさんもよろしくおねがいします」

巴は2人を見る。マドカのほうはだいたい170だろうか。胸もまあまあで緑髪ショートをしている。ソトノ以下の身長かもしれない

一方カチトはざっと見る限りハルカと同じ身長だ。間違いはない。白い髪ロング…ソトノとは違う髪色か?

しかしカチトは胸が…でかい…服から飛び出るような大きさだ。まさかハルカ以上のバストサイズ?そう思った

考えるとマドカはサチと同じ身長かも。だが女帝とも言うからきっとサチのこともわかってるだろう

2人とも共通するとこは美人の龍人だと言うことだ

マドカ「さ、ここで立ち話も疲れるから部屋に行ってお茶でもしよ?」

ハルカ「ああ。よろしく頼む」

そう言うとマドカはパンパンと手を叩く。するとどこからかメイドがさっと出てきた

メイド「ははっ!マドカ様!」

マドカ「今からお茶とお菓子。用意しなさい」

メイド「はは!今すぐ!」

声の良いメイドは部屋に行った。あのメイド…普通の人間だろうか…?そう思うとマドカが言う

マドカ「彼女たちは私たちと一緒に龍人…通じ合う、優秀かつ良き部下よ」

巴「龍人なんですか。へえ…」

ちょっと話しただけですっとメイドは来る

メイド「準備できました女帝様」

マドカ「ご苦労。じゃ、いこ」

そう言うと4人は部屋へと移動した


その部屋は広く、明るい部屋だった。テーブルの上にお茶飲みとお菓子が置かれてあった

周りを見ると絵画が飾ってあったりバラの花瓶があった。わかりやすい趣味である

テーブルの椅子にハルカと巴は座る。その対面でマドカとカチトは座る

マドカ「遠慮無く、お茶とお菓子、いただいちゃってね」

巴「ありがとうございます。…ずずー…。あ、美味しいほうじ茶!」

カチト「それはー。マドカのー。好きなお茶ー。美味しいぞー」

さすが龍人だからか…紅茶を持ってくるかと思ったらほうじ茶である。なんだか渋いチョイスである

巴「マカロンだ。はむっ…これも美味しい!」

カチト「それもー。マドカのー。好きなお菓子ー」

マドカ「カチト…貴女は説明しなくていいの」

カチト「わかったー。マドカー」

マドカ「さて…貴女たち、恋人同士って言うのはわかったけど。しかしハルカが恋人作るなんてね~?」

ハルカ「みんな我が恋人作ったの意外とか言われるんだよな…」

マドカ「でも、良かったわ。ハルカは私と同じぐらいの昔からある家系だから」

巴「え?そうなんですか?」

そう言うとマドカはお茶を飲み言う

マドカ「天魔戦争時代からかしら…その代からこの龍宮寺家と女帝龍家はあったの。もちろん、敵対せずに仲良くね

そして今になり…私は女帝龍の名を受け継ぎ、リーダーとして存在する」

巴「なるほど。エンペラードラゴンなんて言われますか?」

そう言うとマドカは笑った

マドカ「ははは!良い名前ねそれ。でも、女帝とは言われるけど決して偉そうなことはしてないわよ」

カチト「マドカのーだいたいのしごとー。龍人を束ねることー。龍人の見回りに行くことー。そんな感じー」

巴「さすがリーダーですね…」

だとするとソトノやサチの様子を見に行ったことはあるのだろうか

ハルカ「実はね。巴と付き合う前に一回マドカ来てたのよ」

巴「そうなんだ?」

マドカ「不思議ね?その口調。ハルカそんな可愛いの?」

そう言うとハルカはマドカに言う

ハルカ「む。マドカとカチトにはこの口調は言わんぞ」

マドカ「あーあー特別な人での口調ね。はいはいどうも」

カチト「幸せー。感じるー。ハルカの口調からー」

そう言われるとハルカはちょっと恥ずかしかった

だが…巴は不思議に思った。このカチトとはこの女帝とどういう関係か

巴「マドカ様…」

マドカ「さん付けでいいわよ?」

巴「あ、はい。マドカさん、このカチトさんとはどういう関係ですか?」

そう言うとマドカとカチトは見つめた。そして巴のほうへ向く

マドカ「ん?愛人同士だけど?」

え!巴はびっくりした

カチト「余がー。悲しんでるときにー。マドカが来てくれたー。そしてー。余はー。マドカのー。恋人にー。なったー」

巴「なるほど…」

カチトの口調は相変わらず伸ばし口調だったが、だいたいわかるのでツッコミは入れないことにした

ハルカ「だが、2人。特にカチト、お前はなんでマドカと共に生きてるんだ?」

ハルカにもわからないことがあるらしい

カチト「それはー。なー」

マドカ「私から説明するわ。あのね…昔は、カチトも他の祝福を使える龍人として街に住む龍人だったのよ…しかし…」

そう言うとマドカは目をつぶる

マドカ「ある日ね。カチトの失敗で大変なことになったの…何故だかわかる?巴、ハルカ?」

そう言われると2人は考えた。勝利を司る龍人としての失敗…?

勝利を司るのだろうから、スポーツ選手なら藁にもすがる思いでカチトの祝福をかけないだろうか?だが違うのか?

巴はふと、2文字の言葉が浮かんだ。まさか?

巴「…賭博?」

そう言うとマドカは目を開けて言う

マドカ「大正解。昔とある男にカチトは祝福をしてね。そこまでは良かったんだけどその後の男がね…

賭博をして大儲けして何も働かず、賭博のみを人生にかけてしまったの。

ある日、その男は刺殺された。賭博があまりにもうまく行き過ぎたから、賭博の客から逆恨みされたのよ

やがてその男の遺族からカチトにカチコミされて…カチトは、心を閉ざし…この祝福を封印したの」

な、なんて言う過去なんだ…マドカは喋ってるときカチトは落ち込んだ表情をした

カチト「余はー。あくまでもー。勝利を目指したいー。だけの人間をー。祝福したー。だがー。うまくはいかなったー」

マドカ「ごめんねカチト。古傷えぐるようなこと言って…」

マドカがそう言うとカチトの腕をなでなでした

カチト「いいぞー。マドカー。マドカに出会えてー。ちょっとずつー。明るくなってるー」

ハルカ「そんな話があったなんてな」

巴「す、すいません…!」

カチトが落ち込むような話をしてしまった

カチト「心配するなー。もう大丈夫だー」

何か話題をそらさないと。そう思うと巴は言う

巴「でも、2人は恋人になってるんですね?」

そう言うとマドカとカチトは微笑んだ

マドカ「さっきの話でカチトに会って、自然と仲良くなって恋人同士になれたわ。ここに建物を建てて一緒に暮らしましょうって…

そう誓ったから、今でもイチャイチャはするわよ」

カチト「余はー。マドカとー。ずっといたいー。ただそれだけー」

ハルカ「お前たちはいつまでも仲良くていいな」

巴「そう思うとほっとします」

そう言うと巴はお茶をすする

マドカ「ねえ、貴女たち…どういうセックスしてるの?」

ぶふっ!巴は飲んでるお茶を逆流しそうになった。何を言うんだこの女帝は…!

巴「そ、それは!あの…!」

マドカ「いいじゃない。ちなみに、部下たちに誰も聞こえはしないから安心してちょうだい」

巴「あのー…そのー…」

巴がもじもじしてるとハルカが答える

ハルカ「我と巴の初体験はサチに見られてヤったぞ。特別な間でヤったな」

ハルカが簡単にカミングアウトした。巴は恥ずかしそうに顔が赤くなる

マドカ「あ~!サチから聞いたけど、あの間!貴女たち、特別な存在なのね!」

カチト「羨ましいー。余もー。マドカとー。そこでー。やりたかったー」

ハルカ「そうだ。我と巴はもう離れられない存在だ。お前たちも結構ヤってるだろ?」

私の恋人はこういう話が好きだとは…

マドカ「当然よ~!様々なプレイしたわ!で、他には?」

そう言うとハルカは更に言う

ハルカ「媚薬を入れたり、SMプレイっぽいのをしたり、ローションプレイしたり…だな」

そ、そんなに言わなくても…巴は無言になりつつある

カチト「余もー。そういうプレイー。してるー。なるほどー」

マドカ「アハハ!でも痛々しいプレイはしてないわ。そこまでではないわね」

ハルカ「こっちもそれはしない。なんだ一緒か」

カチト「余はー。マドカにー。責められるとー。すごい興奮してー。大好きー」

巴は恥ずかしい話を聞いてる。だが、そんな同族なのだから私も…と思ったがなかなか会話に入れない…

ふと、窓を見る。何か雨の音が聞こえる。もしかして…?

巴「あ!雨…」

巴が言うと3人は窓を見た

マドカ「あら。雨ね…」

カチト「ここー。意外とー。天気がー。不安定ー。だからー。雨がー。よく降るー」

ハルカ「これでは帰れないな…」

マドカ「そうね。タクシーを呼ぶのも今だと難しいわ。遭難したり事故になっちゃうから…」

そう言うとマドカ2人に向けて言う

マドカ「貴女たち。今日はここで泊まりなさい。大丈夫。客室用の部屋あるから」

言われると巴はびっくりする

巴「え!?いいですか!?」

マドカ「いいのよ。さ、案内してあげるから、ついてきなさい」

ちょうどお茶とお菓子が無くなったところで4人はその場を離れた


2階へと上がる。しかしここは大きい建物だ。何ヘクタールあるのだろうか

4人は客室用の場所へと入る。そこも大きい部屋でとても客室とは思えない

巴「わあ…!でかい部屋ですね」

マドカ「ちょうどダブルベッドよ。ここで何しても構わないわ。部下も来ないようにするわね」

ハルカ「ありがとう。マドカ」

マドカ「どういたしまして。ちなみに夕食もあるからね」

巴「ありがとうございます」

そう言うとハルカと巴を客室に入れて、マドカとカチトは外に出る

外に出たマドカとカチトは、少し離れたとこでしゃべる

マドカ「…心が読めるカチト。2人はどんな感じだった?」

カチトは心が読める。サチでいう未来が見えるとはまた違う変わった特徴でもあるカチト

カチト「覗いてみたー。2人は愛し合ってるのはー。確かだー」

マドカ「でしょうね。愛が深い…そういう雰囲気もあったわね…」

カチト「特に巴のほうー。邪な考えもなくー。余だったらー。勝利の祝福ー。かけていいかもー。しれないー」

マドカ「そう?でもそれは後にしましょう。ところで…」

そう言うとマドカはカチトの大きい胸を揉んだ

カチト「んっ…マドカ…」

マドカ「エロい話してたらなんだかヤりたい気分だわ…」


ジパングの夕方

この雨は、まだ続きそうだ…


続く



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