第2話

ここはマンションの一室…

その一室に巴がいた。今の時間は夜。巴は本を読んでいた

仕事に通じる本ではなく、伝書…言わばエッセイを読んでいた。このエッセイ、割と遠くの国から来た本である

ライトを読書灯にして読んでいる。このエッセイ、本当に面白い

巴「…ふー!ようやく読み終えた。こんな愛の話、とても素敵だと思うね」

読み終えた本をもう一度表紙のタイトルを見る。その名前は『私と天使の物語』著者は河合冬美という人物だ

この物語…冬美が天使であるアルエルとの恋の物語であり、その恋の様子をつらつらと書いた本である

途中、アルエルは天使協会を追放され冬美とともに暮らすことになる。そして、冬美は大学を卒業後、会社を立ち上げる

その会社は『河合ブランド』と呼ばれ様々なグッズを取り扱う会社となっていて、現在では既に子会社もある会社になってる

しかしそんなことはいいとして巴はその天使との恋が一番気になり、この本を買ったのであった

天使との恋…それはどれだけ人々から憧れる存在か。冬美はそれをやってのけた。現在は婚約して一緒にいる

巴「…冬美さんの愛の話いいなあ…私もハルカと一緒に住むことができればなあ…」

だが、今はそんなことできない。なにせハルカは生き神様。勝手に離れることは今の段階で無理に等しい

どうすればハルカのつまらない人生を明るく照らすことができるだろうか?そんなことを真剣に考える

もっと…私がハルカを…色々な場所につれて行き…そして…そこまで考えたらふと、思い出した

巴「あ。そう言えば冬美さんの愛の話じゃなくて悪魔協会にヒューマンがいるって本あったなあ」

なんだったかそれ。本屋を見たときちらっとそういう本があったような。それも一応エッセイだ

その人は悪魔と不死と亡霊がいる悪魔協会ながら、悪魔協会の支援を強化した影響あるヒューマンだと聞く

そこまで思い出したがどういうタイトルかは忘れた。そしてその著者もシンプルな名前だったような気がする

恋とはあまり関係無いが、ヒューマンの愛を感じる、そんな本らしいが

巴「何…光さんだったかな。そんな感じだったなあ」

しかしそれハルカのこととはあまり関係無かった。なんで急に思い出したんだ。もう考えるのを止める

そんなことしてたらそろそろ寝る時間になった。すっかり集中して読んでしまった

巴「…寝よう。また遅刻ギリギリになったらいけないし」

そして寝た

夜は風があって冷たい。だが、心地良い風だった


今日は当たり前のように会社へ向かう巴

朝は割と早く起きることができ余裕を持って家に出ることができた。それだけでも自分自身で褒めたい

本当は大学へ行きたかったが、予算の関係で行けずこうやって高校卒業して就職するしかなかった

そんなこと考えつつ、会社へと行った。バスの乗ってるときに、スマホから通知音がした

巴「あ…ハルカ」

ハルカから通知が来た。まだ使い慣れてないスマホで彼女は写真を送ってきた

巴「今日の朝ごはん…っていつも撮って送ってきてるような気がするよ…」

その朝ごはんも精進料理。と言った内容で美味しそうなごはんでも無さそうだった。ぶっちゃけ昼前にお腹空きそうだ

だが、せっかく送ってきてくれたので『相変わらず美味しそうだね~』という返事を送る

そしたらすぐに返事が来た。あれ?使い慣れてないと彼女は言ってたが、もう慣れてる?そんな早い返事だった

巴「…やっぱりハルカ、現代人だよ。スマホ慣れてるじゃん」

どの種族でも機械の扱いは使っていくうちに慣れてしまうもんだなあと思いつつ巴は会社に着くまでやりとりをしてた


会社に着き、タイムカードを押す。さあ今日は残業無いよな。巴は自身のデスクに座る

もちろん、既に来ている恵里菜がやってくる。いつもどおりの光景だ

恵里菜「やっほー巴!今日は遅刻ギリギリじゃないね」

そう言うと巴は言う

巴「今日は大丈夫だよ。つかいつも早く来れる恵里菜は一体何時起きなの?」

巴が言うとすぐに反応する

恵里菜「朝5時起き~!」

…早すぎて草も生えない

巴「…そ、そう」

その一言しか言えなかった。そして朝なのに恵里菜は表情が明るい

恵里菜「ま、そういうコトだから今日もよろしく~」

そう言うと恵里菜はルンルン気分で自分の机に戻る

巴「はぁ…ちょっと恵里菜を見習ったほうがいいのかもね…」

思いつつも、巴はさっきからハルカとの返事をこれで最後にする。そろそろ仕事なので

巴「…ん?何ハルカ?画像送ってきたけど…」

その画像はなんと下着姿のハルカだった。思わず赤面になる。言わば頭がボンである

しかもその下着姿というのもまるで何かの店の写真のように片腕で顔を隠し、下着姿で写真を送ってきた

もう、返す時間が無い。スマホの電源ボタンを押し、スリーブにして、巴は頭を抱える。そして周りにバレないように小声で言う

巴「あ~~~……これから仕事なのになんで急にこんな写真送ってくるの~~~~……」

生き神様ながらも実はフリーダムな恋人の写真に赤面が治るまで時間がかかったのは言うまでもない


とりあえず昼ごはんのタイムになった。巴は食堂で食事をする

巴はさっき送られてきた下着姿のハルカの写真をこっそり見る。周りを見渡す。誰も見てないな。よし…

巴「ほんとハルカって良い体つきしてるよね。大きい体格して、決してむちむちしてるわけでもない。完璧な体つきだよ…」

身体をよく見てる巴でも、実際いざ下着姿を見るとその体つきに驚かされる。今であるから冷静に見られるが

大きい胸…ガタイの良い腕…キュッとしてる腰…きっと大きいであろうヒップ…そして決して脂肪が付いてるわけじゃない脚…

どこをどう見ても良すぎる。これが究極とも言える龍人の体つきだろうか?

そう言えばサフィーラ王国にはインセクターという種族がいると聞いたことある。あれはひょろ長い種族だという

また、ネレイドという完璧種族と言われる種族がいるが、そこまで身長は大きいわけではないそうだ

だが、龍人は違う。全てが規格外だ。こんな大きい女性と恋人となれて、なんだか幸せな気持ちも生まれてくる

巴「ふ、ふふふ…愛しいハルカ…」

スマホを見てニヤニヤしてしまってる自分はキモいが、それは仕方ない。なんせ恋人の身体だからだ

恵里菜「おや?それハルカさんからの?」

その言葉を聞きはっとした。後ろで恵里菜が見ていた。巴は絶叫しそうになった

巴「あ!?いや、こ、これはね、その~~~~…」

恵里菜「いやいや、別に隠さなくていいよ。そういう写真だって送られてくるさ」

そう言われると巴は恵里菜の眼の前でため息をつく。よかった。理解者の言葉はやはり違う。助かる…

恵里菜は巴の隣に座った。そして巴は言う

巴「実はね、さっき仕事開始するときに送られてきた写真だよ」

巴は理解者の恵里菜に写真を見せた

恵里菜「わあ…良い体つきだねえ…これが龍人ってやつの体つきなんだね…」

恵里菜はどちらかというとその体つきにびっくりしたようだ

巴「ほんとスタイル良くてモデルにでもなんでもできそうな体つきなんだよね」

そう言うと恵里菜はたしかになあ…という顔をする

恵里菜「これが究極ってやつだね…。巴、決してこの写真を誰にも見せないようにね。ハルカさんの関係者でも」

そう言われると巴は当然という口調で言う

巴「当たり前だよ!これを見ていいのは私とハルカ!…恵里菜には見せたけど」

恵里菜「私ならいいさ」

巴はスマホをしまい、食事を食べようとした


夕方。今日も残業はなし。巴はいつもどおりにハルカの待つ神社へと向かおうとしてた

恵里菜「今日も行くんでしょ?」

巴「うん!待ってるからさ!」

恵里菜「また良い会話ができるといいね。ばいばーい」

恵里菜は自前のバイクで走り去っていった

巴「さ、行こう」

自宅とは違うバスに乗り、ハルカの待つ神社へと向かう

神社へ着いた。早速ハルカがいるであろう洞窟へ向かおうとしたら…

巴「あ、あれ?門が閉まってる…」

いつも空いてる門が今はもう閉じて閉まっている。今日はもう終わりなのか?それともやってないだけなのか?

巴「うーん。ハルカからそういう連絡は無いし…」

巴がそう言うと後ろから声があった

僧侶「おや?今日は休みですよ?」

後ろを振り返ると僧侶がいた。巴は言う

巴「そうでしたか…すいません、この神社の龍宮寺様とお会いしたいのですが…?」

僧侶「そうですか?わかりましたお呼びいたします」

そう言うと僧侶はハルカを呼ぼうと神社へ向かう。巴は神社に備え付けてある椅子へと座る

やっぱり会うたびに楽しみになってくる。そのぐらい、巴はハルカのことが好きでいた

しかし、今日はあの写真について説明がほしい話がある。どういうふうに言うか。頭で台本を作っていた

ちょっと経つとお目当ての人物が来た。ハルカである。僧侶と共に来た

ハルカが来た時に巴は自然と立ち上げる。そしてハルカは僧侶に言う

ハルカ「よくぞきた。お前は下がっていいぞ。我はこの女と話がある」

僧侶「ははっ!」

相変わらず威圧感たっぷりの口調で僧侶に命令をする

僧侶の姿が見えなくなると、巴に振り返り、笑顔になった

ハルカ「巴~~~~!!」

ハルカは巴に抱きついた。巴もその抱きつきで一緒に抱きつく

巴「ハルカ、会いに来たよ!」

ハルカ「嬉しいわあ~!だって待ってたもん!」

恋人同士の再会はいつだって幸せだ。巴もハルカも笑顔で抱きついていた

そんな幸せな時間だったが、朝の写真について言おうと思ってた

巴「ね、ねえハルカ。朝に写真送ってたけどあれって…?」

そう言うとハルカはハグを解除して自身のスマホを持ち、写真のフォルダを見せた

ハルカ「うん、実はね。この下着私にって奉納されたものなのよ。試しに着てみたの。ちょうどいいサイズだったわ。

恥ずかしい気持ちはあったけど、巴になら見せられるってわけで見せたのよ!」

そういうことだったか…しかし下着の奉納ってそれはありなのか??奉納した人の気持ちを知りたいレベルである

巴「そうなんだ…でもあの写真送ってた後私、赤面して人に見られるのが恥ずかしかったよ…」

ハルカ「あ、ごめんなさい…。でも、真っ先に見せたかったから…」

そこまで言うとさすがに巴もこれ以上はは追及しようとは思わなかった。好意で見せてくれるならそれだけでよかった

巴「でも…今でも着けてるの?」

ハルカ「そうよ。ほら」

そう言うと服の隙間からちらっと下着を見せた

巴「いや、別に見せなくていい…」

ハルカ「それとも巴はこういうの好み?」

その下着の隙間に指を入れ胸が見えるようになってた。乳首が見える。キレイなピンク色をしてる

巴「ちょっ…!?」

やっぱり赤面。この龍人、結構どころか龍人とは思えないほど自由人すぎる

ハルカ「私の乳首、良い色してるでしょ」

巴「わ、わかったからしまって!ここで人来たら駄目でしょ!」

ハルカ「んもーウブなんだからー」

巴「そういう意味じゃない!」

そこまで言うとハルカ服装を整え直す

ハルカ「でもね、恋人にこうやって見せられるの…なんだかムズムズするほど嬉しくなるの」

ムズムズ…それはどこらへんのことを指して言ってるのだろうか…

巴「わかった。わかったから…あ!それより今日はお祈りの間は空いてないんだね?」

軌道修正。そう言うとハルカは答える

ハルカ「そうよ?今日は定休日ってやつ。また明日あるから来てね?」

巴「うん。わかった。明日来るよ」

ハルカはその言葉を聞くと、空を見上げて言う

ハルカ「ねえ、巴。私、外に出たいわ。どうにかして外に出たい…この広い世界をこの目で見てみたいわ」

そう言うと巴は言う

巴「そうだね。私だってハルカを外に連れ出したい。いつか、タイミングが合えば行こうね」

ハルカは笑顔になった。この龍人の笑顔は仏に近いほど可愛くて慈悲のある笑顔だった

ハルカ「恋人とのデート…楽しみにして待ってるわ」

しかし、そろそろ時間なのか、いつの間にかいた僧侶が近寄りハルカに言う

僧侶「龍宮寺様、そろそろ時間です」

ハルカ「む?わかった。ではな妖怪よ。また会おう」

最後はいつもの口調で言い去っていった

巴はハルカが見えなくなるまで見ていた。相変わらず後ろ姿は大きく、そしてたくましい身体だった

気がつけばもう夕方をこえ夜に近い時間だった。巴もそろそろ帰ろうとした

巴「ハルカ。いつか、絶対連れ出してあげるからね。約束だよ」


夜…夕飯を食べた後風呂に入る。いつもどおりに湯船に浸かり、お気に入りのシャンプーで身体と髪の毛を洗う

…いつか、2人で風呂に入るということができるのだろうか。そしたら、思いっきりイチャイチャしよう

そう言えば前、風呂にも入らずに寝てしまったがハルカは汗臭いとは思わなかっただろうか。その日は汗を出していたからだ

だが何も言われなかった。恋人だから。でもあるのだろうか。やはり汗を出して出社するのはよくない

そんなコト考えつつ風呂に出て寝間着を着る。私ももうちょっとスタイル良ければ送ってあげるのに…

今日はハルカの下着姿見れたし、おまけの乳首…まあそれはどうでもいい

本当に昔からある正しき龍人の家系なのだろうか。とても自由すぎて面白さもある。今となっては、だ

いつの間にか会話アプリから通知が来ていた。ハルカだろう。こんな遅くの時間まで会話を続けている

さすがの祀る龍人でも夜は自由時間なのか?そう思いつつ会話アプリの返事を見てみる

巴「うーんと、画像が送られてきた。えーとどれどれ… え…!!??????」

その画像。なんと今度はハルカ自身の裸体を送られてきた。風呂に入ってる姿だろうか

今度は下着姿で隠してるわけでもなく、湯船に浸かって写真を送られてきた。しっかりと胸と股間が見える

下着姿のハルカを見てたのか頭はボンしなかったが、それでも恥ずかしい気分にはなった

その姿を送られた後のメッセージが『私、スタイルいいでしょ~貴女だけに見せるわ』というメッセージだ

これはどう返事すればいいのだろうか?だが、冷静になって『ハルカのスタイルとってもいいよ!』とだけ送っておいた

もしかしてハルカ、欲求不満か?いつかその欲求をやわらげることができたらいいが…

巴「…一応、下着姿とこの裸体は保存しておこ」

会話アプリから写真の保存をして完了。そして巴はベッドで悶える

巴「う~~~!でもハルカのスタイル良くて私でも嬉しさとむらむらがするよ~~~~~!!」

そんな自由な恋人に巴は悶えつつ、夜を過ごすことになった


ジパングの夜

巴の体温は上がったが、夜は涼しい雰囲気だった




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