第0話 プロローグ
「…嘘?我が、好き、だと?巴、それは本当か?」
龍人の女性が驚く。それもそうだ。出会ってまだ間もなくこんなふうに告白されるのだから
ここは神社の高台の上。2人が一緒にその場所にいた
告白した女性が言う
「だって…ハルカ…このままでいいの?ずっと悲しい生活を続けて…私、もう耐えきれないよ」
耐えきれない。その言葉に龍人の女性に重くのしかかる。確かに、この生活はつまらない
そう思うと告白した女性の意味がわかってくる。だが、自分は龍人。しかも生き神として存在する人
今までそういう恋愛なぞ一切したこともなく、生まれ育ち数十年、ずっとそうしてきた
龍人の女性がもう一度女性の目を見る。瞳が潤んでいた。これは嘘ではないとわかった。本当の愛の言葉である
その瞳を見て、龍人の女性は口を開く
「で、でも…我なんて…恋愛なんてしたことないし…こんなキレイな人にこう、告白されると…」
龍人の女性は今の自分の気持ちを言う。少し間があく…
間があいたら女性は龍人の女性を抱きしめた。突然のことで龍人の女性はびっくりする
「と、巴!」
「そんなハルカを見てね、私、思ったの。私で、ハルカのことをこの世界の広さを知ってもらいたい。だからこそ、なんだよ」
龍人の女性はその言葉を聞くと、どこか湧いてくる感情になった。これが…好きという感情?
龍人の女性はわかった。なるほど。我にも、そういう気持ちというのが殺されてなかったんだな。と
抱きついた女性を、龍人の女性は大きい身体と腕で抱きしめた
「ハルカ…?」
「…巴、ありがとう。こんな我を…いえ、私を好きになってくれて。この気持ち、ずっと忘れないわ」
巴という女性は驚いた。口調が変わった。威圧感のある口調ではなく、ただ女性としての口調になった
抱きついた龍人の女性の顔を見ようと女性は顔を上げて見た。その顔をどこか仏のような顔をしていた。誰も見たことがない表情…
「…いいんだよね…?」
告白した女性は胸が人生で一番爆音のように鼓動してた。そして、龍人の女性が言う
「…こうやって、成立したときは…口づけ、するのよね?」
そう言うと彼女は女性の顔を近寄り、そのままキスをした。龍人の女性よりその女性は背が小さかったが、関係なかった
この2人に何もいらなかった。ただ、2人の世界になり、2人はキスをした
キスが終わると、2人はもう一度、恋人になった人を強く抱きしめた
「大好きよ、巴」
「私もハルカが好き…!嬉しい…!」
ぎゅーっと龍人の女性が抱きしめた。しかし…
「い、痛い!ハルカ、ちょっと弱くして…」
「あ、ごめんなさい!貴女が普通の人だってことを忘れてたわ…」
そう言うとちょっと、2人は身体を離れ、そしてまた見つめ合う
「…今日は普通の女性から告白された記念日…私、この日を忘れないわ…これからよろしくね、巴」
「こちらこそ…ハルカのこと、ずっと守ってあげるから…」
2人は夜になりそうな夕方、見つめ合いながら愛を囁いていた
―――抱きしめて つかまえてもう離さないで
4Season4Legacy
~科戸の風~
Prologue
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