第3話 日常とファミレス

 私はよく家の近くのファミレスに行く。勉強とか読書とかなんでもする。いつも同じものを頼んでしまうこの性格はいかがなものかと思うこともあるがこれでいいのだ。いつもと同じは心地いい。いつもと同じ時間に同じ席に、同じ商品。これが好きなのだ。だけど今日は違う、いつもの席に人がいる。こうなったらほかの席に座るのが当然である。さていつもと違う席はどうだろうか。何かいつもと違う視界何となくウキウキしている自分を抑えつつ、いつもと同じものを頼もうと思って手が止まる。いつもと違う席なら、いつもと違うものを頼んでみるのはいかがだろうか。自分に問う。ついにいつもと違うものを注文したのであった。謎の達成感、高揚感が心地よかった。

 品物が届き、食事をして、いつものように勉強なり読書なりする。やってる行為自体はいつもと同じなのに席が違う、食べたものが違うだけでこうも気持ちが昂るとは我ながら単純だ。

 


 数日後またいつものファミレスに来た。前回あまりにも課題がはかどったからまたあの席に、とそう思って次回も同じようにここに座ってあの商品を頼んで……ここではっとした。結局同じもの頼んだら何も変わらないのでは!?そう思って前回と同じものを頼んだ。普通においしかったからである。決して新しいものに挑戦できなかったわけではないのである。

 今日もいつも通り、布団に包まれていく……ファミレスのあの味を思い出すころには夢におぼれていく……。

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