第2話 日常と友達

 友人とのお出かけ。私の趣味である美術館の鑑賞に行ったのだ。友人(仮名:E)は大学1年生の時からの知り合いで4年生の今もよく遊ぶ。Eは美術館に行ったことがないみたいだから今回私が誘った。

 美術館に何度か行ったことがあるが正直言って何が何だかわからない。でも、今の感性で感じることができるうちに経験しておきたいという気持ちが強い。だから行く。ただ見るだけだとやはりよくないと思うのでいつも作品名当てゲームを心の中で実行している。そしてEにもやろうと提案した。案の定当たらない。でもそれがいい。こうして間違えて、作品名を見てもう一度作品を見る。こうすると何となく作品について考えた感じになるからだ。美術館好きのにわかはこんなもんだ。Eと共有した時間と空間。ソレが私にとって必要なコト。

 鑑賞後に売店で買ったポストカードを家に帰ってから見返してまた、ソレを思い出す。そんな風にあの日を思い出す日常が私は好き。明日を待って今日もいつも通り、布団に包まれていく……ポストカードの思い出と一緒に……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る