第20話
第二の街……には特にようはない。
少し休憩したらすぐに次の街へと向かう。
第三の街シュピルナトリッテは最も栄えていてプレイヤーが多い。
ここから先の街はどんどんとプレイヤー人口が減っていく。
生半可な覚悟では生きていけない世界へと足を踏み入れなければいけないからだ。
それに比べてここなら比較的来やすく、一ヶ月も普通にプレイしていれば辿り着けるし、様々な施設もあるのでライト層からヘビー層まで幅広い層が長期に渡って楽しめる。
治安がいいのもポイントが高い。
プレイヤーが多いとゴミのような害悪プレイヤーも混ざってそうだが、それ以上に一般常識を持ったプレイヤーの方が多いし、実力的にも害悪プレイヤーの方が劣る。
これはプロゲーマーは害悪プレイができないからだ。
そんなことをすればスポンサーが離れてしまう。
街に足を踏み入れると活気がすごい。
カジノでは嬉々としたプレイヤーと絶望で下を見ながらとぼとぼ歩くプレイヤーの落差がすごい。
オークション会場も盛り上がっていて、あらゆる商品が競売にかけられている。
見てるだけでも楽しめるのだが、今の俺の手持ちは少し心許ないので欲しい商品があってもなかなか手が届かない。
前世の知識を活かしてここまで最短でプレイしてきた弊害というのか、必要最低限のものしか獲得していないので財布は常にカツカツだ。
クコの森やクルシファの霊廟での通常モンスターのドロップアイテムを売ったりはしてるものの、生活費や装備の強化、消費アイテムの補充に使っている。
そもそも、低ランクのアイテムなので売っても大した額じゃないのもある。
だがしかし、強くなれば強くなるほど右肩上がりで得られる金額は上昇していく。
そのためにも俺がやるべきなのは戦力アップ。
特に攻撃面の強化はモンスターを倒す時間の短縮にもなるので至急案件で済ませたい。
「ねぇ、アンドロマリウス」
「なんだ?」
「この前、お墓で手に入れた魔本があるじゃない」
「うーん、たしかになぁ。正直、ドロップアイテムがランクアップするなんて誤算だったよ」
「いいことじゃん」
「そうでもないよ、ランクアップしたおかげで強力なスキルなんだろうけど、代わりに消費魔力がえげつないことになったからな」
-
堕ちた神の過ちは生と死の境界線をなくしたこと。
生ある者を死した者へ、死した者を生あるものへ。
神の奇跡を載せた聖書。
スキル:エルダーリッチ召喚、
「そっかぁ、じゃあダメじゃん」
「そうなんだよな……」
大幅に計算が狂ってしまった。
死霊の魔術書なら
魔力消費はそこそこで強力なスキルが使えたのだが、神過死典……
初めて見たアイテムだし、どんなスキルが発動するのかもよく分からない。
今の俺の魔力ではどのスキルも発動すらできないのだ。
修正案として新たな魔本を手に入れるか、指輪を強化するか。
ということで、後者を選択する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます