第19話
魔法使いは接近戦が苦手だ。
普通は遠距離に比重を置くため、相手を近づけさせないのが基本。
パーティを組むなら前衛を置いて守ってもらう。
クルシファも召喚魔法でその役割を生み出している。
普通は……?
なんとも甘美で使いやすい言葉なのだろうか。
普通にしてれば失敗しても最低限の保険になる。
「クルシファよぉ、何を勝ち誇った顔してんだ。魔法使いを相手に強力な前衛をぶつけて接近戦に持ち込む。そのためにお前は随分と回りくどく手の込んだ魔法の使い方したもんだなぁ。普通はそれで勝てるもんぁ。だが、あいにくと俺は普通じゃねぇからなぁ!! ダークソード!!」
魔力で作った黒剣、本来は魔法使いが使う魔法ではなく、剣士なんかが剣に闇の魔力を付与して攻撃力を上げる魔法。
普通はゼロから剣を作るなんて魔力消費が激しすぎて非効率極まりない。
そもそも、魔法使いが剣を持ったところで大した戦力にならない。
しかし、俺は違う。
ステータスはバランスよく振ってある。
器用貧乏だと侮るなかれ、ターニャの強化魔法のおかげで全ステータスが上昇し、このレベル帯ならすべてが高水準の値だ。
ドラゴンスケイルはどちらかといえば前衛向けの装備。
そして、俺の前世はバリバリの前衛だった。
魔法使いよりもむしろしっくりくる。
自然と振り下ろされる大剣を躱して黒剣を振ってスケルトンの右腕を斬り落とした。
スケルトンは腰に差していた片手剣を左腕で握って胴を薙ぎ払いにくる。
「さすがだ……」
避けるのは難しい。
すべてが高水準のステータスといったが、それは俺のレベル帯ならという話。
このダンジョンの推奨レベルは30オーバーと倍以上も離れている。
黒剣で防ぐ、いや、そうした場合、黒剣の耐久値が減少してしまい、この後の戦闘の継続が難しくなる可能性が高い。
この黒剣は俺の魔力のすべてをつぎ込んで作った。
二本目どころか他の魔法の発動もきつい。
「はっ、左腕くれてやるよ」
スケルトンの振った剣が俺の左腕を斬り落とし、胴体数センチで止まる。
ドラゴンスケイル装備じゃなかったら、胴体真っ二つだったな。
黒剣がスケルトンの首を落とした。
一気にクルシファに距離を詰める。
その間、魔法は飛んでこなかった。
クルシファも魔力切れ、魔力のない魔法使いは四肢がないも同じ。
「ナント野蛮ナ、ナント野蛮ナ、魔法使イナリ、魔法使イトシテノ誇リモナイ野蛮人ニ我ガ敗レルトイウノカ……」
「悪いが俺はケチなプライドなんて持ち合わせちゃないんでね。万事を尽くして勝利を掴むだけだ」
-インフォメーション-
クルシファの霊廟のボスモンスター、ネクロマンサークルシファの初討伐に成功しました。
ボス討伐報酬が分配されます。
クルシファの霊廟、単独初攻略に成功しました。
ドロップアイテムがランクアップします。
死霊の魔術書が
「おぉ〜なんかすっごくレアそうなアイテムを手に入れましたってことで、今日はこの辺で。チャンネル登録高評価よろしくね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます