第8話「亜麻色の気持ち」

亜麻色の乙女と白い羽と角の悪魔…

さっきまで海にいたが、まだまだ太陽は昇る。昼に近い時間。気温は30度以上になってたが、心地良い気温である

シダレカの都会で言う蒸し暑いという不愉快な気温ではなく、風も通りちょっと涼しい。この島だからこその気候…

そんな大通りを通り、歩行者用の通路を歩く2人。カップル同士で手を繋いで歩いている

真衣もベリシャも笑顔で歩いている。今回のデートはどこに行こうか。既に公園は行ったし海も行った

海も公園もいつでも行けるのでまた今度にすることになる。大通りを通り、次はショッピングモールへ行くことになる

ここ、サザンカ島は超が付くほどでかいショッピングモールがある。観光客も当然そこへ行く

笑顔で2人は会話をする。汗が滲んでも、手は離さなかった

真衣「ベリシャって笑顔が素敵だね。美人だし、とても悪魔には思えないよ」

今日何度目の褒め言葉だろうか。真衣は心からベリシャのことを好きでいた

ベリシャ「ふふふ…サキュバスはブスじゃ駄目でしょ?こう見えて色々と自分磨きしてるんだから」

真衣「そう言えばサキュバスってことも忘れちゃった。悪魔の種族すら忘れるよ」

ベリシャ「まあ、忘れていいと思うわ…サキュバスとかインキュバスはもうこの時代には関係無い話よ」

そんな事言いつつ、2人は前に歩いているこれまた手を繋いで歩くカップル?がいた

2人は全然何も思わず、素通りする。素通りして少し歩いた後、ベリシャのほうはふと気づいた

ベリシャ「…ん?」

真衣「どうしたの?」

真衣はベリシャのほうに顔を向けたが、ベリシャのほうはちょっと気がかりな事だった

ベリシャ「さっき通った人たち…悪魔協会の人かな…?」

真衣「ベリシャ?」

しかし気の所為か。すぐに考えるのをやめ、真衣のほうへ顔を向ける

ベリシャ「いえ、何でもないわ。さ、行きましょう」

2人は何も感じず、スルーしていた

一方、その2人はアークデーモンとヴァンパイアロードであり…アークデーモンは通り過ぎた人を思っていた

アーク「…ロード。さっき通った2人組、一方は悪魔ではなかったか?」

ロード「どうしたのアークちゃん?全然見てないわよ?」

ヴァンパイアロードがそう言うとアークデーモンは気の所為かと思った

アーク「ふむ、まあいいか。行くぞ」

ロード「うん!」

2人は仲良く大通りを歩いていった

そろそろショッピングモールに近いところ…海から歩いて行ける距離なので苦労はしない

2人はずっと手を繋いだまま、歩いている。そんな通路でベリシャは前の人を見た。元同業者だ。声をかける

ベリシャ「あら?インキュバスにアッシャー。こんにちは」

真衣「あっ!」

真衣は思わず繋いだ手を離した。だが、ベリシャは言う

ベリシャ「大丈夫よ。私もう悪魔協会関係ないから」

そう言われても元同業者なのでちょっと恥ずかしい気持ちだった

インキュバス「お!ベリシャじゃないか!この子が恋人か?」

アッシャー「お~。こんにちはベリシャさん~」

実はベリシャは元悪魔協会関係者だったが、事情があり悪魔協会を脱退。現在ベリシャはアクセサリー商品店で働いてる

その理由というのも本当はアクセサリー商品店で働きたいという願望が強かったため、今はそこにいる

だが、悪魔協会は混沌と自由。来る者は拒まず、去る者は追わず。全然問題無く辞めることができた

そんな同業者と久しぶりでもないが会った

ベリシャ「そうよ。私の恋人よ。どう?亜麻色の髪がキレイだし肌が茶色で元気そうでしょ?」

そう言うとインキュバスとアッシャーは真衣を見る

インキュバス「うーん!100点!すごい美人じゃないか!」

アッシャー「ほほ~。ヒューマンってどうして美人が多いんだろうね~」

そう言われると真衣は照れてしまう。悪魔に褒められるのはやっぱりベリシャ以外だとなんか照れる

真衣「い、いや~そうでもないですよ~」

インキュバス「こんな美人な恋人をゲットできて…あー、僕も彼女ほしー!」

そもそもイケメンインキュバスなのだから簡単に恋人できそうな気がするが…

アッシャー「オイラも彼女欲しい~」

アッシャーも言ってる。この体格でか…

インキュバス「いやいやアッシャー?君は不死だしそのでかい図体と爪をどうにかしないと女が逃げてくぞ?」

あ、アッシャーって言う人はアンデッドなんだ…と真衣は思った

アッシャー「インキュバスくん!オイラだって本気出せば1人や2人はできるよ~!」

インキュバス「いや、2人とか言い出す時点で既に1人は別れ決定じゃないか」

アッシャー「あ、そうか~」

なんだこのコント。そう思いつつも真衣は2人に話しかけた

真衣「あのー2人はなにを?」

そう言うとインキュバスが答える

インキュバス「ただの見回りだよ。悪魔協会は警察と連携してるのは知ってるかな?これはどの国にも言える話だけど

こうやって犯罪が無いか、僕たち悪魔協会が出て見回りしてるんだよ。大丈夫、何かあっても悪魔と不死は強いんだよ。あと亡霊」

真衣「そうなんですか…」

そう言うと2人はそろそろ行くことになる

インキュバス「んじゃ、そろそろ行くよ」

アッシャー「ばいばーい2人!」

インキュバスとアッシャーが離れた。こうしてこのサザンカ島に犯罪が少ないのもこの悪魔協会のおかげでもある

真衣「…良い人たちだね」

ベリシャ「そうね。だからこそ、悪魔協会を離れるのはちょっと名残惜しい気持ちあったけど…ああいう人たちなら安心よ」

真衣「混沌と自由…あと、面白い人たちだね」

そう言うと2人はまた歩き始める


このサザンカ島で一番でかいショッピングモールに着いた

ここはもちろんのこと色々な店があり、ここだけでも十分に満足できるほど超でかいショッピングモールである

実際カップルもここのショッピングモールで時間を潰す人が多い。それ以外でも、楽しい施設

2人はまた手を繋いでこのショッピングモールの玄関へ入った。基本的にここは冷房が効いてるので涼しい

ベリシャ「やっぱりこのショッピングモールは好きになれるわね」

真衣「色々な店にいこ!」

そう言うと2人は内部を歩いていた

ショッピングモール内を歩く。色々な種族や色々な国から来た人がいるのだろう。常時賑わっている

手に汗は出なかった。涼しいからだ。外とは違い内部は涼しい。ただそれだけである

歩いていると真衣はちらっと服屋を見た。そこには2人は会話をしていた

バフォメット「デュラハンく~ん☆この服どう?お姫様コーデだよ~ん。デュラハンくんが着てよ~☆」

デュラハン「はぁ!?僕じゃこんな服似合わないよ!バフォメットが着ればいいじゃないか!」

バフォメット「え~?だってアタイじゃ大きくて似合わないよ~☆ほら、イメチェンってやつ!」

デュラハン「イメチェンもクソもなーい!」

そんな騒がしい2人を見てたが、特に関係無いとは思うのでスルーをしていた

ショッピングモール内を歩く2人。ふと、ベリシャが止まった

真衣「どうしたのベリシャ?」

ベリシャ「…お腹すいたわ」

真衣「あ。そういえばもう昼だね」

ベリシャ「もしかしてお腹の音聞いた?」

そう言うと真衣はなんだか申し訳無い気持ちになる

真衣「いやいや!聞いてないよ!じゃあどこか食べる店探そう?」

ベリシャ「よかった。そうね。行きましょう」

2人は早速食べる店を探す。それでも2人は手を離さない

このシーズンだし人もいたがすぐに飲食店を見つけ、店の中に入る。ちょうど窓際の席に通された

ここの店内は大勢の客で賑わっていた。きっと美味しい店だろう。そう思いつつ2人は注文をする

海が見える店…窓の外はビーチがあった。そのビーチにも人が大勢楽しく海水浴をしている

海水浴をしてる人たちを真衣は見ていた。そんな真衣を見てベリシャが言う

ベリシャ「…海で食べたかった?」

そう言われると真衣は慌てて否定する

真衣「いやいや!…ただ、ベリシャとならどこでもいいよ…」

ベリシャ「ふふふ…そうね」

ベリシャはこれ以上は言わず、食べ物を待っていた

食事が来た。真衣はロコモコ。ベリシャはタコライス?みたいなものである

真衣「美味しそう!いただきます!」

ベリシャ「…いただきます」

2人は食べる。美味しい。普通に美味しい。ここの店が好きになれそうだ

そんな食べているベリシャを見て1度やってみたかったことをする

真衣「ベリシャ、あ~ん」

そう言うと真衣は食べているロコモコの一部をスプーンですくいベリシャの口まで動かした

ベリシャ「んもう、真衣ったら…」

ベリシャは一部のスプーンを食べた。気の所為だろうか。かなり美味しく感じた

真衣「どう?美味しい?」

ベリシャ「ええ。とっても美味しいわ」

2人とも笑顔になる。恋人同士なのだからこういうイチャイチャも悪くない

食べてるとまた真衣はちらっと他の客を見た。天使2人が何か言ってた

ラファエル「ニケ!またがっつくようなことしないの!」

ニケ「えーここまで来たら全部の飲食店コンプリート目指しましょうよ」

ラファエル「お金の存在がわかりますか!?」

ニケ「だってラファエル様お金たくさん持ってるじゃないですか」

ラファエル「限界というのを知りなさい!」

なんだこの天使同士は。天使だが一方は食い意地貼ってるような気がする。スルー推奨かもしれない

そんな客を見つつ、2人は食事をしていた


美味しい食べ物を食べた。次はどこに行こうか

ベリシャ「…そう言えば貴女に似合いそうなアクセサリー屋はあるのよ。行ってみましょう」

真衣「うん!ベリシャが言うなら!」

2人は再び仲良く手を繋いで店に向かう

そのアクセサリー屋に着いた。様々なアクセサリーが揃ってあり、どれも安い上にキレイなものだらけである

店内を歩くとベリシャは言う

ベリシャ「ここのアクセサリー屋はなかなか良いとこなのよ。ほら、これ、貴女に似合うと思うの」

ベリシャはそのアクセサリーを取る。星型をして、色が…

真衣「キレイ…あ、亜麻色!」

ベリシャ「わかった?貴女の髪色よ」

星型をして、その周りの色が亜麻色をしていた。そう。真衣の髪色そのものである

真衣「これ…買ってくれるの?」

ベリシャ「もちろんよ」

そう言うとベリシャは悪魔の白い羽を動かす

真衣「ありがとう…大好き」

ベリシャ「ふふふ…」

ベリシャはレジに行った。真衣はまたまた店内を見渡した。また天使?そんな2人を見た

ガブリエル「ミカエル様。しばらく時間かかってますが何をそんなに見てるんですか?」

ミカエル「うーん。部下達に土産でもーと思ったけど、ここ大量に買っていいか困るわね」

ガブリエル「もっと別のところに行きませんか??」

ミカエル「そうねえ。後ちょっと見させて」

ガブリエル「は、はあ…」

何をしてるのかさっぱりわからないため結局スルーの方向にした。スルーばかりだね


そんなことで2人はアクセサリーを買った

そろそろ日が暮れそうだ…


続く


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