第7話「亜麻色の人間と悪魔」

サザンカ島。南国リゾートの島

ここは観光客が多く、シーズンになると観光客の割合が多くなる。当然である

ビーチに行く人、商店街を歩き買う人、森へ行ってみる人…色々な目的で来る観光客が多い

ここ、サザンカ島では住民がいる。ここで生まれ育ち、別の国に行く場合がある。だがそれはその人自体の話

基本暖かく穏やかな雰囲気を保つこの島ではサザンカ島が好きになり移住してくる他の国もいるほど

暖かいから種族もバラバラだ。人間はもちろん、鬼…ドワーフ…ホビット…悪魔…不死…などなど

そして公園。ここにはビーチよりものんびりとした雰囲気のある公園がある。もちろん、水着でうろつくのはOKである

そんな公園で、2人のカップルがいた。とても仲良しで、いつの間にかカップルになっている

「…サザンカ島はとっても過ごしやすくてヒューマンの私はこのサザンカ島が大好きだよ」

一人の人間が言う。彼女の名前は芦田真衣。まだ高校生だ。サザンカ島には高校の存在がもちろんある

日焼けなのかわからないが褐色の色をしており元気いっぱいな高校生だ。髪色は亜麻色をしておりとてもキレイな髪色だ

真衣はその隣にいる人へ身体を寄せる。その人も決して嫌がらずにいた

「そうね。でも、ヒューマンである貴女を好きになって…私は幸せになっちゃうなんてね」

そう言うと彼女は悪魔の羽を動かす。名前はブラックワード・ベリシャ。名前が長いのでベリシャと言われることが多い

白い悪魔の角と白い悪魔の羽を持つ、悪魔としては色合い的に不思議な色をしている。髪色は茶髪である

そんなベリシャだから他の人には天使?と思われることが多い。だが、彼女は純粋な悪魔だ

彼女の悪魔の種族はサキュバスである。なんと、性関係の悪魔なのにこの女性の真衣とカップルになってる

そもそもサキュバスも最近は変わっており、ごく普通の高位悪魔として存在してるだけである

だが、これまた不思議なのだが高位悪魔はそのままの悪魔の種族で言われるのだが、ベリシャは自分の名前を持っている

低位悪魔だと自分の名前をつけるのだが、高位悪魔でも名前を持ちたいと思えば持つことが可能になっている

この愛の始まりは元々、真衣がこのベリシャを一目惚れしてアタックし続けたらそのままカップルになった

サキュバスとしていいのだろうか?だがそんな心配は無く、関係者のほとんどはその愛を祝福していた

真衣「こうやって、ベリシャと一緒にいられること。私はこの上ない幸せだよ」

そう言うとベリシャが言う

ベリシャ「ふふ…サキュバスの私は不思議と貴女の愛を受け止めたわ。こんな純粋な子、まずいないわよ」

2人はベンチでお互いの好き好きを伝えていた

真衣「ここは服も自由…水着でここに来ても決して何も言われないから…」

ベリシャ「あら?真衣は水着着たかった?」

そう言うと真衣は慌てて言う

真衣「いやいや!私そこまでスタイルいいわけじゃないからさ…ベリシャのような人じゃないと駄目だよ」

真衣が言うとベリシャは自分の身体を見て、再び真衣の顔に向ける

ベリシャ「まあ私はサキュバスだからスタイルいいのは確かよ。でも、貴女はヒューマン。そこまで悪い体型じゃないわ」

真衣「うーん…ベリシャがそう言うなら…」

ベリシャ「そもそもここは常時暖かくて海なんていつでも行けるから、今度は海に行きましょうね」

ベリシャが言うと顔を上に向ける。太陽の光がさんさんとある。そしてセミも鳴いている

ベリシャはまた真衣の顔と目を見る。真衣もベリシャの顔を見ている。ベリシャはこの真衣の瞳がキレイだと思った

銀色の瞳…まるで宝石のダイヤモンドのような色である。自分なんか髪色と同じ茶色なのに、人間としては出来すぎた瞳の色である

そう思うと、この高校生の恋人が更に愛しくなる。もう、サキュバスなんて関係ない。そこにいるのは恋人の存在である

2人は見つめ合っていた

真衣「ねえ、ベリシャ…好き」

ベリシャ「私も好きよ、愛しい人…」

キスをしようとしていた。ゆっくりと顔が近寄った。2人とも目をつぶる

…そのまま、口づけした。誰も見てはいない。人が少ないわけではないが、自然とキスをしていた。2人とも甘い香りがする

キスが終わると真衣は言う

真衣「…ねえ、悪魔のキスって呪術のひとつなんでしょ?」

ベリシャ「そうね。でも私は常時呪術を使ってるわけじゃないからこれは普通のキスよ」

真衣「ふふふ…嬉しいなあ」

ベリシャ「ねえ、ここ離れてちょっと海行く?」

真衣「うん!ベリシャが言うとこならどこへでも!」

2人はベンチを離れ、海へ向かうことになった


2人が海へ着いた。ここは相変わらず…人が多い。海水浴を楽しんでる観光客がほとんどだ

サザンカ島に住んでる住民はあまり海へは行かない

真衣はその光景を見ると人が多いなあと感じ、ベリシャは特別何も感じてはいなかった

真衣「…相変わらずだね」

ベリシャ「そうねえ、海水浴するほどここに慣れてないわけじゃないからね」

2人は海のほうへ歩く。少し歩くと海の家があった。真衣はちらっとその海の家を見た

冬美「だからシェリルは際どい水着を着ないで!」

シェリル「えーだってお客様がこれなら来るからいいじゃないですか?」

冬美「そういうわけじゃなーい!」

どういう会話だろうか。真衣は聞いたように無視するような感じでそこをスルーした

海の近くまで着いた。2人は立っていた。キレイな砂浜。心地良い波の音。そこまではいいが海水浴を楽しむ客の騒ぎのほうがでかい

真衣はベリシャに言う

真衣「ねえ、悪魔ってさ…暑さに強いんだよね?」

急に種族関係で言われるベリシャ。しかし何も顔を変えずに言う

ベリシャ「基本的にはそうよ。アマリリスには悪魔が多いわ。当然悪魔協会も多くて、総本山もあるほどよ」

真衣「私、ヒューマンだけど暑さは全然大丈夫…そう言えば天使って見ないなーって…」

ベリシャ「天使?基本的にはこのサザンカ島には来ないと思うわね…。天使は寒さに強い種族だから」

真衣「そっか。でも、ベリシャ天使みたいな羽と角してて私にとっては天使のような存在だよ」

そう言われるとベリシャは照れてしまった

ベリシャ「元々狙ってこの色してるわけじゃないけどね…。でも天使のようなって言われると嬉しい気持ちはあるわね」

天使と悪魔…その種族の価値観は人それぞれである。天使のような悪魔、悪魔のような天使

ベリシャ「私が天使だったら嬉しかった?」

真衣「そんなことないよ。さっきも言ったでしょ?天使のような存在だって」

ベリシャ「ありがとう真衣。私は、貴女を求める天使であり続けたいわ」

そう言うと2人はちらっと遊んでる小さい子を見ていた

ピット「あー!お前ズルしてるだろ!」

マーガレット「うっせーな!ズルしてねーよ!」

ベリシャと同じ羽を持っているしもう片方は天使の羽があった

真衣「…やっぱりいるね。天使って」

ベリシャ「そうね。耐熱のほうは大丈夫かしら」

そう言うと2人はそろそろ海から離れていった


2人の物語…

これから他の人たちとニアミスしつつ、続けることとなる


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