Second Night

彼に出会ったあの日から私の心の苦しみはアルコールではもはやかき消すことができなくなっていた。むしろ想いはアルコールを摂取すればするほど増長された。この自分では制御できない気持ちをかき消すために彼にもう一度会うことを決めた。あとで苦しむ予感がした。けれどもう止められなかった。連絡先を交換していなければよかったのに。してしまったことを酷く後悔した。彼の番号を探して電話をかけた。携帯から彼の声がする。それを耳に当てているだけでドキドキした。今から会いに来てほしい、と私は言った。すると彼は本当に私に会いに来てくれた。前回あった時よりも素敵に見えた。彼は私が欲しい言葉をくれる。私はその言葉に乗せられて気分が良くなるのだ。

彼はドラッグだ。あっている時は私の心は高鳴り、高揚する。なんでもできる気がする。嫌なことなんて1ミリも頭をよぎらない。楽しい感情で満たされる。

彼が去ってしばらくすると、激しい寂しさに襲われる。もう彼とは2度と会えないじゃないかという被害妄想に襲われる。そしてもう一度あの高揚感を味わうことができたならと思う。気づいたら私は彼の沼に沈んでいた。

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