卵焼き

身体をゆっくり休ませることができる時間は・・・夜に寝ることだ。


僕は普段昼寝をしない。昼寝をすると、夜に眠れなくなるから。

だから、昼間に眠くても「だめだ!我慢だ」と自分に言い聞かせて我慢した。


夜になると、至福な時間にゆっくり深く眠ることができる。


この時間は幸せ———しかし、朝6時くらい僕の腕が何に突かれたと感じた。


何?と思って起きたら、弟の寝相が悪かった。

まるで走り幅跳びでもしているようなポーズ。


はあ?なんで僕の布団に勝手に侵入してるの?と苛立った。寝るスペースが狭いので、もう寝るのを諦めた。


今月で初めて不快な気分で起床した。イライラする。あーイライラし続けると疲れてしまうよな。趣味でしている料理でもしようと思って卵焼きを作った。


まずは、引き出しの中から卵焼き器と菜箸をとって、冷蔵庫から卵と砂糖をとって、調理台の上に置いた。


茶碗の縁にコンコンと卵を叩いて、割れた部分に指を入れて、穴を開けたら左右に広げた。ポトンっと黄身と白身が落ちた。ふふふ今日はきれいに割れた♪


いつも料理をしても必ずきれいに割れるわけはない。たまに殻に当てられて黄身が破れる時がある。ああああ・・・と落ち込む。。。


次は、卵焼き器にオリーブオイルを入れて、火を入れた。温まるまで砂糖の小さじ1を入れて、菜箸で白身が見えなくなるまでかき混ぜた。


オリーブオイルの香りが出てきたら、かき混ぜた卵を半分くらい入れて、ぐわぐわと大きな半円が膨らんだ。普通なら膨らんだ半円を潰したくなるが、僕は潰さない。


下層が焼けたら、菜箸で向こうに移動して、卵焼き器を手前に下げて、卵液が垂れてくる。元の位置に戻して再び焼き始める。


卵液がなくなったら、菜箸で3回くらい折った。折り終えたら、向こうに移動して残りの卵液を入れて、さっきと同じように焼いた。


卵液がなくなってきて、最後に折るが、ここが一番難しい。

前に何度も失敗した。菜箸を卵焼きの下に入れて持ち上ろうと思ったら重すぎて破れてしまうことが多かった。


今日こそは失敗しないぞ。落ち着いてゆっくり菜箸を卵焼きの下に入れて折るタイミングに合わせて卵焼き器を動かして、卵焼きを宙になった状態で折った。そしたら破れることなくきれいに折れた!やった!とガッツポーズを決めた。


今日の卵焼きは上手に作れて満足した。朝一番に感じた不快な気分がスーッと消えてゆく。やっぱり気持ちを落ち着かせるのは料理だなと思った。


今日は良い1日になりそう———♪

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