第17話 必殺姉妹人と、毒魔法と、殺し

 深夜になり、黒いスカートに黒いシャツを着た。

 脳内に時代劇の殺しのテーマ曲が流れる。

 姿隠しを使い、忍び込んだ。


 店の庭には多数の用心棒がいる。

 こりゃ、昼間の侵入がばれたかな。

 魔法の手引書には達人には姿隠しは効かないと書いてあったのを覚えている。

 だが、やることは一緒だけどな。


 水球のポーションを舐める。

 水球が飛び、用心棒の顔を覆う。


 武器で水を割ろうとした奴もいるが、水は割れないんだよ。

 それこそ達人クラスじゃないとな。


「くそっ、逃げろ」


 逃げても無駄。

 追尾するから。


「ぐわっ、むがっ。こぼごぼっ」


 次々に用心棒は溺死していく。

 庭は片付いたので店舗に入る。

 店の中にはいないな。

 住居にいるのか。


 奥の住居に行くと、いかにも出来そうな奴が扉の前にいる。

 ここで秘密兵器だ。


extern MAGIC *magic_make(char target,int target_size,int image);

extern void magic_trans(MAGIC *mp);

char intestinal_bacteria[10000]; /*腸内細菌*/

extern int mclose(MAGIC *mp);


void main(void)

{

 MAGIC *mp; /*魔法定義*/

 int i;

 mp=magic_make(intestinal_bacteria,sizeof(intestinal_bacteria),IMAGEUNDEFINED); /*腸内細菌を魔法に*/

 for(i=0;i<sizeof(intestinal_bacteria);i++){

  intestinal_bacteria[i]=POISON; /*腸内細菌を毒に*/

 }

 magic_trans(mp); /*現象に変換*/

 mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

}


 腸内細菌を毒に変える魔法だ。

 この魔法は別に必殺ではない。

 かなり強い魔法だが、破る手は幾つもある。


 なぜ必殺でないかというと、魔法の原則が関係している。

 まず魔法は体内には届かない。

 いきなり肉体破壊などできない。

 それは魔力が関係しているのだ。


 他人の魔力は反発する。

 強い魔力を持つ人間なら、体表で魔法を止める事も出来る。

 肉体に直接魔法を掛けるのは至難の業だ。

 ただし、受け入れた場合は別だ。

 これはまあいいだろう。


 この魔法がそれをどうやって回避しているかと言えば、尻の穴から魔法を侵入させ、腸内細菌に魔法を掛ける。

 腸内細菌は別の生き物なので宿主の魔力の反発は関係ない。

 そして、腸内細菌の魔力は微弱なので力技で魔法が掛かるというわけだ。


 必殺だと思うだろうが。

 それは魔法のある法則が影響している。

 魔法は術者から出る。

 距離が離れていると時間がかかる。

 特に離れた所にいきなり魔法を掛けるのは時間が必要だ。


 今回だと魔法を離れた所に掛けるのは、3分ぐらい標的がじっとしてないといけない。

 庭の時のように巡回したりして、動いていると駄目だ。

 戦いの最中に掛ける魔法ではない。


 結果はというと強敵は口から血を流して死んだ。

 扉を開けてロダスを発見した。


「誰だ?」

「断罪ですわ」


 水球を放つ。


「むが、むがっ。ごぼっ」


 ミッションコンプリートだ。


 金庫を見つけたので、収納魔法で貰っていく。

 お次は、ハチェットだ。

 彼の宿に行くと部屋は空き部屋になっていた。

 むっ、逃げたか。

 金貸しから警告がいったな。

 だが、心配は要らない。

 街を出ていれば、空を飛んで追っていって殺すだけだし。

 街にいれば殺す。


 テトラのいる娼館と話をつける事はできた。

 ロダスに払った金の2倍を積んだらすんなり納得してくれた。

 俺が薬を売って儲けた金で払った事にしてあるので、調べられて役人が来る事はないだろう。

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