異世界で私だけが『あんっ♡そこっ♡ポーション屋』です~普通、異世界転生で女の子の体だったら、エッチな事するよね。魔法やポーションもそういう目的に使うはず。最強無双もするけどね~
第16話 泣いている少女と、姿隠しと、偵察と
第16話 泣いている少女と、姿隠しと、偵察と
娼館の前で泣いている少女がいる。
年の頃は10代後半。
まだあどけなさが残る風貌をしている。
お姉様方に虐められたんだろうか。
それとも客にか。
娼婦なのは悲しいだろう。
どういう人生なのか分からないが、色街ではありふれた話だ。
「なんで泣いているのかしら?」
「私、彼に結婚しようと言われて」
「それはよろしかったですわね。祝福致しますわ」
「それが、客を取る前に、金を持って会いに来てくれるはずが、約束の日になっても現れないのです。心配でどうしようもなくて。ここからは離れられないし」
おお、ベタな展開だ。
よくある話だ。
騙されたんだな。
よくある話と言えばよくある話だ。
「彼とはどこでお知り合いになられまして? よろしければわたくしが代わりに、会いに行って参ります」
「彼は村に来た旅の一座の役者で。この街でも役者をしているはずです」
「わたくしはエンゼルですわ。あなたのお名前は?」
「私はテトラと言います。彼の名前はハチェットです」
野郎の名前なんざどうでも良い。
どうでも良いが覚えておこう。
「もしもの時のお金の工面の当てはありまして?」
「それが、村に手紙を書いたんですが。お前など勘当だと返信がありまして」
詳しく話を聞いた。
少女は農村で7人兄弟と親とで暮らしていたらしい。
ある日、旅芸人の一座が村に来てそこで役者と知り合ったとの事。
一緒に都会でくらそうと約束して領都まで出て来たが、借金をさせられて、こうなったと。
役者が悪い男だったというわけだ。
親に助けを求める手紙を出したが、家出した娘に借金があると分かると知らんぷりされたそうだ。
そりゃ悲しいよね。
誰も助けてくれないとなると。
「こんな話を知っているかしら。ピンクのてるてる坊主を作って、頭の中に願い事を書いた紙を入れて吊るしておくのです。そうすると必殺姉妹人が願いを叶えてくれるのよ。その代償として依頼人は必殺姉妹人の姉妹にならないといけないそうですわ」
「初めて聞きました。やってみます」
娼館の目立たない所にピンクのてるてる坊主が吊るされた。
てるてる坊主の頭に詰められた願い事を読む。
ハチェットと結婚したいですとだけ書かれていた。
願いを叶えてあげよう。
ただし、望む形とは限らないがな。
よし、姿隠しのポーションを作るぞ。
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
void main(void)
{
system("attrib +H チミキイリ.body"); /*体の属性を隠し属性に*/
}
魔法の手引書に載ってたからポーションは簡単に出来た。
姿隠し解除のポーションも作る。
#include <stdio.h>
#include <stdlib.h>
void main(void)
{
system("attrib -H チミキイリ.body"); /*体の隠し属性を解除*/
}
姿隠しポーションを舐めたから、体が消えたはずだが、自分では分からない。
娼館の前でテトラが相変わらず泣いていたので、『もう大丈夫。願いは叶います』と声を掛けた。
テトラはキョロキョロと辺りを見まわして、頷いて笑顔になった。
女の子は笑っている方が良い。
いったん姿隠しを解除して、聞き込みをする。
役者のハチェットはすぐに見つかった。
姿隠しを発動して後をつけると、派手に遊び歩いている。
やっぱりな、こいつは碌でもない奴だ。
金が無くなったのかハチェットが金貸しの所に行く。
「ロダスさん、金を融通してくれよ」
でっぷり太った金貸しはロダスというらしい。
「女をまた捕まえて来るんだな。借金させて売り飛ばしてやろう」
こいつもグルか。
許せん。
俺は法に支配されずに生きると誓った。
二人ともあの世に送ってやろう。
だがいきなり、攻撃するのは不味い。
金を借りにきた客も一杯いるし、護衛も沢山いる。
深夜、忍び込んで始末するとしよう。
火は不味いな。
火事が出ると近所迷惑だ。
水でやる事にした。
extern MAGIC *water_make(float mana);
extern void magic_direct(MAGIC *mp,char *orbit,int orbit_size,char *target_data);
extern void magic_move(MAGIC *mp,char *orbit,int orbit_size);
extern int mclose(MAGIC *mp);
void main(int argc,char *argv[])
{
char orbit[10]; /*軌道データ10センチ分*/
int i; /*カウンター*/
MAGIC *mp; /*魔法の定義*/
mp=water_make(0.006); /*水球を作る*/
for(i=0;i<1000000;i++){ /*100万回繰り返し*/
magic_direct(mp,orbit,sizeof(orbit),argv[1]); /*目標に向かう軌道データ生成*/
magic_move(mp,orbit,sizeof(orbit)); /*軌道データ通りに動かす*/
}
while(1); /*無限ループ*/
mclose(mp); /*魔法終わり処理*/
}
水球が飛んで追尾する。
16分間追尾するから窒息するだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます