第15話 卵型と、デンプンと、ローション

 ブルブルするのを開発する事にしたよ。


#include <stdio.h>

#include <conio.h>

extern MAGIC *gravitational_obj_make(float mana,int image);

extern void vibration_move(MAGIC *mp,int power_sw);

extern int mclose(MAGIC *mp);

int slide_touch(MAGIC *mp);

MAGIC *obj_make(long objsize_cm,int image,int attri);


void main(void)

{

 MAGIC *mp,*mp_sw; /*魔法定義*/

 int power_sw=0; /*強弱スイッチ*/

 mp_sw=obj_make(10,IMAGEBLOCK,HOLOGRAPHY); /*スライドボタン生成*/

 mp=gravitational_obj_make(0.0000002,IMAGE_OVAL_BALL); /*3センチの楕円のボールの力場を作る*/

 while(1){ /*無限ループ*/

  if(slide_touch(mp_sw)!=0) power_sw=slide_touch(mp_sw); /*スライドボタンに触った位置を取得。触ってないは0*/

  vibration_move(mp,power_sw); /*振動*/

  if(kbhit()) break; /*何か入力されたら止める*/

 }

 mclose(mp); /*魔法終わり処理*/

}


 形は卵型のローターをイメージ。

 棒のは駄目だ。

 痛いのは勘弁だからな。


 健康器具に似た奴も良いかとも思ったが、まずは入門編という事でこれにした。

 強弱の調整もつけてみた。


 ポーションを作って舐めてみる。

 出来上がった力場は、程よい弾力がある。


 当ててみた。

 き、きました、きたー、削岩機で騒音0.721デシベル 音階ブブブですわ。

 空前絶後の刺激だったとしか言いようがない。

 これは魔道具にしたい。

 したいけど俺は作れない。


 ラピアお姉様に作って貰おうかとも考えて、説明してみたんだが、プログラムを呪文だとは認識できないみたいだ。

 呪文は『水』を火だと思っていれば、『水』の言葉で火が点く。

 その言葉を知らなければ呪文として成り立たない。

 外国語を知らなければ、その言葉で書かれた呪文は使えない。


 ラピアお姉様に英語とプログラム知識を教えるのは骨だったので諦めた。

 とにかくあん♡そこっ♡ポーションに一つ品物が加わった。


 力場で作ったローターはソフトタッチだが、ローションがほしい。

 これはポーションで作る訳にはいかないな。

 でも簡単作れるやり方を知っている。

 片栗粉だ。

 デンプンを作って水に溶けばいい。


 デンプンは芋から作る事が出来る。

 擦って底に溜まった白い粉がデンプンだ。


 色んな芋を試して、痒くなったりしないのを見つけた。


「ラピアお姉様、あそこがすれて痛くなったりしませんかしら」

「するね」

「ぬるぬるする液を作ってみましたのですわ」

「なんだい、それならもう使っているさ。でもせっかく作ってくれたんだから、使ってみるよ」


「えっ、あるのですか。がっかりですわ」


 既にローションはあるらしい。

 そりゃ、そうだよね。

 江戸時代だってあったと思う。

 歴史小説でそういう描写があった。

 何かあるはずだ。


 ラピアお姉様はローターポーションをお買い上げ。

 何に使うかと聞いたら、男に使うんだよと言われた。


 そんなつもりで作ったんじゃないんだ。

 女の子に使ってほしかったんだ。


 きー、悔しいですわ。

 これは慰めないと。

 俺はローターポーションを一瓶手に取ると、店舗の二階にある自分の部屋にこもった。

 頭の中がピンク一色に染まった。

 平和ですなぁ。

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