第3話

 内村の家に着く。

「さて、どこでバイクがひとりでに消えたんです?」

「ここです」

 内村は、共同駐輪場に勇人を案内する。

「バイクの写真はありますか?」

「はい。これです」

 そう言って赤いバイクの載ったカタログを見せた。

「カタログ?」

「買ったばかりだったもので」

「このバイクがひとりでに動き出していなくなったと?」

「はい」

「何時頃です?」

「深夜だったことは間違いないのですが、正確な時間は覚えていません」

「そうですか」

 勇人は携帯を取り出して、検索を始める。

「何か、わかったんですか?」

「いえ、検索をいれただけです」

「そうですか」 

 内村は肩を落とした。

「そうガッカリしないで下さい。まだ捜索ははじまったばかりですよ」

「そうですね」

「それでは、次はバイクを買われたお店に行きましょうか」

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