第2話

「ふわぁ」

 勇人は、欠伸しながら腕を伸ばし、寝台代わりにしていたソファーから身体を起こした。

 コンコン。ドアがノックされる。

「ふぁい。……勧誘なら間に合ってますよ」

「ち、違います。依頼です」

「い、依頼!ちょ、ちょっと待って下さい!」

 勇人は、慌ててマスクを探す。足元に落ちていたマスクを見つける。マスクを着けながら、突撃する勢いで向かい、ドアロックを解除して、開ける。

「お待たせしました」

 さらさらヘアで、黒淵眼鏡かけたライダーススーツの男が居た。

「散らかってますが、どうぞ中へ」

男をソファーに招いて、勇人はテーブルを挟んで向かいのソファーに座る。ポケットから、名刺入れを取り出し、名刺を男この前に置いて名乗る。

「怪奇探偵、怨神勇人(おんがみゆうと)と申します。早速話を訊きましょう。えーと、そう言えば、まだお名前訊いてませんでしたね」

「内村明です」

「内村さん、それで依頼内容は?」

「僕のバイクを探して欲しいんです!」

「バイク?盗難なら、警察にーー

「盗難じゃないんです」

「盗難じゃない?どう言うことです?」

「バイクがひとりでに、勝手に動いてどかへ行ってしまったんです」

「なるほど。早とちりしました。すみません」

「いえ、大丈夫です」

「では、現場に行きましょう」

「え、信じてくれるんですか?」

「怪奇探偵ですから」

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