第8話
翌日、高校に行ったら、高梨さんに、
「あっ、あやめちゃん、昨日、香絵ちゃんっていう霊の女の子と、しゃべったでしょ」
って言われた。
「え~、なんでわかるの~?」
「あやめちゃんの鼻筋のところに、香絵っていう文字、見えてるのよっ」
「きゃあああ、そんなの見えるの?たしかに、香絵ちゃんって言ってた」
「香絵ちゃんは、あやめちゃんのこと、めっちゃ好きみたいやから、良かったね」
「そんなこと、わかるの?」
「香絵っていう文字のまわりに、可愛い、ちっちゃなハートマーク、いっぱい、ついてるから...」
「ふ~ん、そうなんやっ」
「あやめちゃんと香絵ちゃんは、前世でも会ってたみたいやね。香絵ちゃんは、あやめちゃんの、お師匠さんみたい」
「何の、お師匠さん?」
「美術みたいだね~」
「え~、そうなんや...」
「香絵ちゃんにとっては、あやめちゃんは、いちばん可愛い、愛弟子みたいやね」
「うちは、2番弟子みたい。香絵ちゃんの」
「え~、高梨さんも、香絵ちゃんの弟子なんや~っ?」
「香絵ちゃんから、あやめちゃんをよろしくってメッセージ、送られてきてる」
「ふ~ん、そうだったんや...あっ、そうだ!いっしょに高校で美術部に入らへん?」
「えっ、美術部?いいよ!」
高梨さんといっしょに美術部に入って、絵を描きはじめた。
高校の美術の授業で、油彩画を初めて習って、それから油彩画に、はまっている。
家に帰って、イレーヌちゃんに、
「ボクの部屋の霊の女の子は、香絵ちゃんっていう名前みたいだよ」
って言ってみた。
「えーっ、そうなのー?イレーヌの部屋の霊は、空海の弟子のお方みたい...」
「空海さんのー?なんか、凄い~」
「弟子の弟子の弟子くらいな感じ?」
「あっ、そういえば、空海さんの幼名は真魚ちゃんで、高梨さんの名前は美魚ちゃんだっ!」
「何か関係あるの?」
「関係は、ないと思うよっ。たまたま、どっちも魚つくだけで。わかんないけど」
「イレーヌも、お魚、大好き~」
「ボクも~」
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