第6話

高校入試に備えてボクと高梨さんはイレーヌちゃんの部屋で試験勉強をさせてもらっている。

ついでに夜も、そのままイレーヌちゃんの部屋で寝させてもらった。

たしかに夜、寝ていると、突然ヒューッて風、吹いてくる。

そのあと時計の回転速度、2倍くらいゆったり進み始めた。

イレーヌちゃんの部屋では、夜の時間は、昼の倍の濃さで進むらしい。

でも6時になったら、時計もちょうど6時になって、あとは普通に戻るらしい。

イレーヌちゃんに

「時間を超越した部屋だね」

って言ったら

「もう慣れちゃったーっ」

って言ってた。

イレーヌちゃんの部屋では、夜の1時間は、2時間かけて進んでいるみたい。

なんだか、よくわからないけど、イレーヌちゃんは、毎晩、1時間を2時間分の濃さで過ごしてる感じするらしい。

ボクも、イレーヌちゃんの部屋にいると、ボクの部屋にいる時より、2倍多く勉強出来てるような気、しなくもないっ!


ボクと高梨さんは同じ高校に合格して、いっしょに進学することになった。

高梨さんはボクと同じ高校に行けて、めっちゃ喜んでる。ボクも高梨さんといっしょで嬉しい。

イレーヌちゃんは、地元周辺でいちばん賢い高校に合格した。

イレーヌちゃんはもともと、ちっちゃい頃から日本の女子高生にめっちゃ憧れてて

「日本の女子高生になりたい~っ」

って、パリにいる時からいつも言ってた。中3になって大阪に来て大阪の中学生になって正解だったんだな~。女子高生になる1年前から準備するイレーヌちゃんさすがだな~。

イレーヌちゃんも、これから大阪で憧れの日本の女子高生に、ついになれる!

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