第2話恋のあられ
あられ降る冬空に息を吐きながら通学する高校生たち
白い息が生き物のように吐いて踊っている
自転車のペタルを踏み前進する姿は昔いた自分で
彼女をバスで乗り降りする姿を目撃してから
心臓は高く高鳴る、踊り出すくらいだ
僕は顔を下げて通り抜けることしかできない
365日繰り返す日々に願いをかけるような
彼女を目撃する日々が
心臓の高鳴りを確認する日々
自転車のペタルをこぎ過ぎ去る僕を
朝の登校時彼女は見ている
この胸の高鳴りをどう表現しようか迷う日々
過ぎ去る彼をじっと見て出来るだけ記憶に残すそれだけ
早く思いを伝えたいのに
でもできない
数秒の交差する瞬間
初めて目が合うそれだけだけど
思いは一瞬だけど
この恋は永遠だと思う
卒業式の時告白できればいい、一緒の大学を目指している
内緒だよ
内緒だと僕は思う
いつも遅くまで起きて机にかじりつく
同じ大学に合格するまで頑張る
恋愛なんて浮ついていると思う
でもそれが恋のハートだから頑張れる
僕は四つ葉のクローバーの押し花を栞に
彼女の黒い長い髪を思う
私は彼の実直なところが好き、色々あるけど
生徒会で一緒に仕事をするのが好き
私は会計で計算は得意、書記は彼
一年生の時からの縁だけど、仲良くはしている。
でもそれ以上じゃない。踏み込むにも顔が赤くなる。
私は書き物していて、彼は資料に目を通し議事録を書いている
視線が合うかしら?試すにも臆病ね
僕は気になる彼女の顔立ちも姿勢の良さも
でも正直目を合わせるのは勇気がいる
今日朝初めて目が合った
それで十分か!?僕は!!
それで十分じゃない私は彼のことが好き
僕は彼女のことが好き
「「あの」」
飛び出す心臓揺れる彼女の胸
「「つきあいませんか」」と言えた奇跡に
僕たちの恋は始まる、我慢できなくて言ってしまう
踏切もない一本道の恋の道行き
あられ降る空の一片の温かいぬくもりの素肌
手と手を重ねる感触
外のあられ降る寒空の永遠
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