第246話 清蘭祭2日目 ミス?コン結果と悠馬のヤラかし

「続きましてぇぇぇぇ!ミス?コンの受賞者の発表ですぅぅぅぅぅぅ!!!」


「何か疲れたのでサクサクいきまーすー。」


こらこら…適当は駄目でしょ…疲れたのは俺も分かるけど…


「だぁぁぁいぃぃぃぃ3位!!!おっぱいと太腿の錬金術師のコスプレ女装をしたぁぁぁぁ1-A…」


あぁ、彼ね…確かにまで付けて確りと決めてたから良く分かる!


「んー…あの衣装作って貰って愛央に来て貰おうかな?」


「えっ?!…見たい…の?///」


「勿論。愛央には良く似合うと思うし多分間違い無く…俺が凄い事になるかな。」


「凄い事ってっ///ま、まぁ…悠馬が見たいなら別に着ても良いよ?///」


おし!言質取った!お金払ってでも作って貰おう!


「私は…?///」


ボソボソと志保が隣で呟いてるのが俺には聞こえて来た。


「志保はお話ししましょうか?のコスプレかなー。清楚なのにちゃんと譲れない強さを持ってる志保には合うと思うし俺もはかどりそう。」


「はかどるってっ///」


当然だけど…清華がジーっと期待した顔で俺を見詰めてる。


「清華は高岡先輩の聖騎士女性版かなぁ~…かなりアダルトな見た目になりそうだけど清華の聖騎士姿で俺が暴走するね。」


「ぼ、暴走っ///」


うん、コスプレしてってなると間違いなく暴走するね。止まらなくなる未来しか見えないわ。

真っ赤になってる3人を尻目に発表が続いて行く。


「第2位!カードをキャプチャーしそうな魔法少女!!!の1-B…」


うんうん、当然の結果だろうね。

とてもしっかりと作ってあるし良く分かるわ。

って事は…1位は水夏かな?


「そして…そしてぇぇぇぇ!第一回!ミス?コンテスト優勝者はぁぁぁぁぁぁ!!!!1-A所属!中本!水夏!男の娘になり切った彼?彼女?が優勝だぁぁぁぁぁ!!!」


「わぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」、「だよねーーーー!!」、「当然の結果っしょぉー!」と会場から大盛り上がりの声が上がる。


「当然の結果だね。あれは凄すぎたし…」


「ですね。完全に女の子でしたし。」


「中本くんって…男の子だよね?あれ?女の子じゃ無かったよね?」


ちゃんと男の子だよ…清華は混乱しすぎだ…

いやまぁ…俺もあの水夏ならイケそうだから分からなくも無いんだけどね…


「ではでは〜!これより表彰式に移行したいと思いまーす!ミスター?とミス?コン受賞者はそれぞれ壇上にどうぞ!!」


わぁぁぁぁぁぁっ!、パチパチパチパチっ!と会場中から声援が上がる。

その中を照れ臭そうにそれぞれの受賞者が並んでるけど…以外にも結構…壮観に見える。

衣装のせいもあるんだろうけどこうやって見ると本当に皆が皆、凄いと感じるね。


「悠馬くん達もどうぞー!受賞者にトロフィー渡してくださいー!」


「はいよっ!行くよ、三人共!」


「「「はいっ!」」」


愛央達3人を連れて俺も壇上に上がる…そんな俺達にも沢山の声がかかって、愛央達も照れくさそうにしながらも背筋は確りと伸ばしてて何か面白かった。


3位と2位の人達にはそれぞれ、愛央、志保、清華が褒め言葉と共にトロフィーを手渡す。

その後、1位の人達、ミスター?の優勝者、高岡優希先輩。


「手が込んだ作りで正に聖騎士って感じで凄かったです。お願いしてたのマジで頼みますね?一緒に写真撮りましょうっ!」


「うんっ!任せておいて!確り作るからよろしくねっ!」


「女性版は清華にも着せたいので二着で!今度、色々決めましょう!おめでとうございますっ!」


「ありがとう!楽しみにしてるね!!!」


握手もして、褒めて次は…水夏!


「ミス?コン優勝おめでとう!もうほんとマジで女の子にしか見えないわっ。」


「複雑ですけど…優勝できて良かったです…立花さん達に顔向けでき無くなるところでしたし…」


「それこそ気にしなくて良いだろうよ。俺もだけど水夏が勝つと思ってたからな…何といっても清華が男の子だっけ?ってなったくらいだ。」


けたけたと俺が笑いながら水夏にトロフィーを手渡す。


「ありがとうございますっ。イケちゃいます?僕っ。」


「イケるイケるっ。余裕でイケるっ。」


「ぽっ///」


「照れんじゃねぇぇぇぇ!全くっ!」


「中本くん…駄目だからね?」、「駄目ですよ?」、「駄目なの分かってるよね?」


俺の恋人達の目が何か怖いぞ…冗談だからな?お互いに…


「分かってますよっ!冗談ですってばっ!!!」


「なら…良いけど…」


「悠馬さんも自重してくださいね?薄い本が出てきますよ?」


「裏取引されまくりそう…はぁ…」


「ヤメテ…薄い本とかほんとヤメテ…兎に角!おめでとう!!!以上!!!」


「「「高岡先輩!中本くん!受賞おめでとー!」」」


俺達からの表彰が終わって会場からも沢山の拍手が起きて大盛り上がりで第一回ミス?ミスター?コンテストは幕を閉じるのだった。


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SIDE 明日香


何とか終わった…初めての試みだったけど問題も起きずに終われて良かった。

参加者には悪いけど、本番はここからだ…何と言っても悠馬くんからのお願いなんだから絶対に成功させないといけない。


「参加者の皆様、会場へといらっしゃって下さる観客の皆様、コンテストお疲れ様でした。これより休憩を挟みましてこちらの会場を使い各種イベントを予定しておりますので引き続きお楽しみください。」


取りあえずはここまで…さて…


「お疲れ様です、先輩。準備の方はどうですか?」


私のコメントの間に菜月ちゃんがこちらに来ていた。


「お疲れ様。こっちの準備は大丈夫だよ。後は…」


「兄さん次第ですね。義姉さん達にはバレて居ませんし持って行きますね?」


「うん!ちゃんと悠馬くんに届けてねっ!こっちは何時でも大丈夫な様に準備してあるから!」


「はいっ!伝えておきます!また後でっ!」


菜月ちゃんが駆け足である意味、一番大事で大切な預かっていたを持って行く。


「よしっ!皆!準備するよ!絶対に成功するんだから私達が失敗する何て許されないからね!!!!やるよ!!!!」


「「「「はいっっ!!!!やってやりましょうっ!!!!」」」」


「頼んだよ…悠馬くん…」


私の呟きは周りの喧騒に消える…でも…聞こえては居ない筈なのに、壇上に居た悠馬くんは私を見てコクリと頷いた。


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えっと…菜月は…?


「兄さんっ!お待たせしました!」


「いや、大丈夫。それで…」


「はい、こちらに…預かって来ました。それと…こちらは何時でも大丈夫だからバッチリ決めてね!だそうです。」


「ハハ…責任重大だ…まぁ、でもここまで来たら後はやるだけだな…」


うわぁ…ちょっとブルってる…壇上で参加者と話してる愛央達を置いて俺は先に降りて菜月からを受け取ったけど…これから自分がする事を考えたら…流石に怖くなって来た。


「大丈夫ですよ…兄さん。自信持ってください。兄さんなら絶対に大丈夫ですっ。」


「な、菜月…?すまん…」


俺の手を取ってぎゅっと握ってくる菜月に一言謝るけど、菜月はふるふると顔を振るだけで何も言わずに俺の手を包み込むように握ってくれてる。


「兄さんは、いつも自信に満ち溢れていて、どんな事でも出来て、誰が相手でも物怖じもしなくて、堂々として居て、私にもママにも他の友人達にも優しくて…時に厳しくて…そんな兄さんの背中を沢山の人が追いかけています。」


菜月の言葉を俺は静かに聞き続ける。


「兄さんに憧れて、兄さんを目標にして、そんな兄さんに誰もが注目しています。

私には分からないプレッシャーとかそう言うのがあるとは思います。

でも…だからと言って兄さんが自分のやりたい事、幸せになる事を我慢する必要なんて無いんです。

頑張ってる兄さんは、誰よりも幸せにならないと駄目なんです、そうじゃないと…兄さんが幸せになれない世界なんて…そんなのは世界の方が間違えています。だから…」


「だから?」


「だから…そんな兄さんが選んだ女性達…それは誰よりも幸せな女性なのは間違い無いんです。

そして…そんな女性達が、兄さんの気持ちを裏切ったり拒否するなんて絶対にありえません。

ですから…私の大好きな兄さんの格好良い姿を、私に見せてください。

兄さんの…逆月悠馬の妹として一番近くで見せてください。

兄さんの敵は私の敵です、義姉さん達に危害をくわえようとするなら全力で抗って戦います。

だから何も心配はいりません。思いっきり決めてくださいっ。」


「あぁっ!菜月の兄として思いっきりやってくるから、ちゃんと見ててくれよ?」


「はいっ!」


コクリと最高の笑顔で菜月は俺を見ながら、名残惜し気に手を放す。

だから、俺は…菜月の頭を撫でる。


「ありがとな。菜月のお陰で震えも止まったよ。甘えん坊の妹だと思ってたけど…何時の間にか大人になったなぁ…」


「な、なんですか…それ…どんだけ子供だと思ってたんですか…?」


不満そうな顔をしながらも笑顔も混ざりながら俺の手を拒む事も無く静かに話を聞いてる。

菜月にこんな風に言われたんじゃね?ビビッてらんないよな…


「先輩!お疲れ様でした!」


「健司も皆も…ありがと。」


菜月と話してる間に他のメンツも集まって来た。

こっちに来てからこんなにも友達が、仲間が増えたのは凄いと思う。

こうやって俺を慕い、俺を目標に頑張ってる後輩も居るんだから…ここで男見せないで何時見せるってんだ!


「皆、俺はこれからから見ててくれ。特に健司、渚、陸はしっかりと見届けてくれ。」


「え?はい?何かするんですか…?」


「いや、まぁ…見ろって言うなら見届けますけど…?」


「んん?悠馬先輩は何をヤラかすつもりなので?」


3人の疑問は、他のメンツも持ってるみたいで不思議そうな顔で俺を見てる。

そんな視線を背中に感じながら菜月に向き直りスマホを取り出す。


「菜月、預けるから映しておいてくれな?」


「配信するんですか?分かりました。そっちは任せてください。」


「うんっ。頼んだぞ?」


頷く菜月を見ながら俺はスマホを操作してアプリを立ち上げ配信の準備を進めながら、片手は菜月から受け取った主役をいれたポケットに触れてままにしていた。


さぁ…やるぞっ!一世一代の見せ場だ!気合い入れろ!逆月悠馬っ!!!俺の想いを!愛しい3人に届けるんだ!!!


気合いを入れ直した俺は、勢いを付けて配信を開始した。


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