第243話 清蘭祭2日目 コンテスト開始!

「うぅぅ…どうしよう…」


「当日になって悩んでも仕方ないでしょ…」


僕が悩んでいると門倉さんが呆れた声で話しかけて来た。


「だって…女装だよ?!普通に悩むよ?!」


「だったら…出るって言わなきゃ良かったじゃん…」


「それはそうなんだけど…お祭りなんだから気楽に楽しめって言われたらさ…」


「いやいや…別に悠馬先輩だって強制してないじゃん!」


「分かってるけど…僕には絶対に似合わないし…」


「「「それは無い!!!」」」


いつの間にか側に来ていた立花さんと小河原さんまで声を揃えて僕に突っ込んでくる…


「そんなに力いっぱい否定しなくても…むぅ…」


何か納得できない…


「まぁ…ドタキャンは流石にしたくないし出るけど…僕、化粧とかした事無いよ?」


「その辺は私達に任せて!美少女に仕上げてみせるからね!」


「う、うん…よろしくお願いします…」


何か…すっごい不安…大丈夫かな僕…


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順調だな…出場者も出揃って来てるしそれぞれが準備を進めてるみたい。


「それにしても…提案しておいてアレだけど良く人数集まったな…」


「あははっ。確かにねー!でもさ、皆が楽しもうとしてくれてるって事だし良いんじゃない?」


「ですね。1年生の男子も殆ど参加してますし、女装すると言う事よりも楽しみたいって気持ちの方が大きいのでしょうね。」


「大成功しそうだし良いじゃないっ。悠馬くんだって楽しみにしてるでしょ?」


「まーね…乗り気になってくれてるのは嬉しいから良いか…」


「そうそう!女子だって男装を楽しもうとしてるみたいだし、余り考えすぎないで悠馬っ。」


「そうですよ。深く考える事ありません。お祭りなんですから。」


愛央も志保も清華も励ましてくれてるし確かにお祭り何だから楽しんだもの勝ちか…


「そうだな。気にしても仕方ないし俺達も楽しむのを優先にするか!審査員もしないとだしな!」


「です!実は審査員をするのが楽しみだったりしています。」


「そうなの?志保さんにしては珍しくない?」


「はい。自分でも不思議なのですが…去年は何と言いますか…クラスの事は愛央さんが率先して進め、私は隣で支えると言う形で大成功で終わりました。そして、悠馬さんの発案の宝探し等のヤラカシや、ライブでの盛り上がり等で今でも鮮明に思い出せる程記憶に残っています。」


「うんうん。あの時、一番最初にバカになって盛り上がってたもんねー志保。」


「はぃ///悠馬さんがあれだけの事をしてくださってあんなに、大盛りあがりをさせたのに恋人である私が、私達が誰よりも盛り上がらないのはオカシイと思ったんです。」


「そだねっ!ライブだけじゃ無くて女装とかゲームの企画とか沢山の事をしてくれたもんね、悠馬。」


何と言うか…恥ずくなってくる…去年はほんとやり過ぎたかもなぁ〜…


「はい。そして、今年は私達もコンテストの審査員として最初から関わって形になり、こうして開催される運びになりました。だからこそ…」


「用意された舞台ではなく、自分が最初から関わった舞台だから楽しみって事か?」


「正解ですっ。悠馬さんなら分かりますよね?」


「まぁ…な。去年の俺が正にそれだったからな。」


「ですので、今なら悠馬さんのヤラカシの数々の意味、葵さんに怒られても止めなかった理由が、何となく理解出来て嬉しいと、楽しいが渋滞しているんです。」


「なるほどねぇ!そう言われると確かに分かるね!私も同じだ!」


「私も。去年はヤラカシまくってくれて…全く困った悠馬くんだって思ったけど…こうやって最初から関わって理解できたよ。」


「「「こんな楽しい事は止められない!」」」


「それで良いと思う。たった一度の高校生活。多少怒られたとしてもそれ以上に素敵な思い出になるんだから。」


四人でそんな話しをしながら俺達は移動している。さぁ…ミス?ミスター?コンテストはどうなるかな?


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「さぁぁぁてぇぇぇ!!遂に始まりましたぁぁぁぁ!!!ミス?ミスター?コンテストぉぉぉぉぉ!!!」


きゃぁぁぁ!うえぇぇぇぇい!!会場がそれだけで大盛り上がり…


「司会はぁぁぁ!お昼の放送はまかせとけっ!放送部のアイドルがお送りしますー!」


アイドルだったんだ…あの二人…


「はぁぁ…テンション上がりすぎて…私ですら着いて行けないよ…まぁいいや!審査員は勿論の事ぉぉ!我等が清蘭高校のアイドルと3女神として有名な彼と彼女達!!!」


「甘いマスクは優しさと思いやりの証!企画力と行動力で皆を楽しませるぞぉ!そんな貴方に皆が夢中!でも!でも!怒ったら怖いぞぉぉぉ!そんな彼が怒るのは大切な誰かの為!!!我らがアイドルぅぅぅぅぅ!逆月ぃぃぃぃ悠馬ぁぁぁぁ!!!そしてぇぇぇ!」


「その笑顔と雰囲気は皆を和ませるぅぅぅ!可愛いお顔とエッチな身体!可愛さと美しさを保つ秘訣は毎日、恋する事!自然と皆を引っ張るそのカリスマ!リーダーは貴女しか居ない!悠馬に告白された唯一人の最強ラッキーガール!星川ぁぁぁぁ愛央ぉぉぉぉぉ!」


「そしてそして!キリっとしたその空気!時に厳しく!時に優しく!慈愛に満ちた綺麗なお顔!貴方の背中は私が守ります!正に大和撫子!喫茶ステイル看板娘!天音ぇぇぇぇ!志保ぉぉぉぉぉ!」


「そして!最後の一人は!時に頼れるお姉さん!時に恋人に甘える甘えん坊!細くて綺麗な指が奏でる音色は皆を虜にして癒す!美しい顔とお姿でピアノを奏でる姿は幻想的な女神様!でもでも!そのおっぱいは正に凶器だぁぁぁぁぁ!何人やっちゃった?!伊集院ぅぅぅぅぅ清華ぁぁぁぁぁぁ!!!」


どんな紹介だよ…真面目やってるから逆に質が悪いわ!3人共呆れ半分照れ半分でどんな顔して良いのか分かって無いじゃん…


「メインはこの4人!残りはモブでお送りしまーーーすっ!」


「「「おいっ!!!!」」」


紹介してやれよ…可哀そうじゃん…


「でわでわ!審査員から一言いただきまーす!」


ぇぇぇ…台本に無かったじゃん…何も考えて無いよ…


「えっと…いきなり言われて混乱してますが…審査員として参加する逆月悠馬です。俺が女装と男装にしてしまえば良いだろと言った事でこうなりましたので去年の学祭でコスプレ女装したのもあってやる事になりました!よろしくお願いします!」


「星川愛央です!毎日、悠馬に恋してるのが秘訣ですよー!今日はよろしくお願いしますっ!」


「皆様、こんにちわ…天音志保です。悠馬さんの恋人であり愛央さんと同じく毎日、恋をしております。本日はよろしくお願いします。」


「誰もやってないからね?!悠馬くんはやりかけたけど!!なんか大袈裟に女神様とか言われてますけど…私も二人と同じく毎日!悠馬くんに恋する一人の女の子なだけですからね…?伊集院清華です、本日はよろしくお願いします。」


「つーか…なんだよこの紹介…出演者みたいな紹介すんなや……」


「いやいやー!とっても大事な事だから!と言う事で…これよりコンテストの開催ですー!最初は〜…男装から行きまーす!!!」


こうして、初めてのコンテストが始まった!

これが始まりで…毎年恒例の行事になるなんてこの時は誰も知らなかった。


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