第249話 清蘭祭2日目 私だって仲間なんだっ!
♪~♪~♪無遠慮な言葉が溢れる世界で♪~♪~♪
♪~♪~♪耳を塞いでも聞こえてくる声に♪~♪~♪
舞台上から詩音の歌声が響いてくる。
プロポーズの後、うるさい位の壇上には次のイベントであるライブの為に軽音とダンス部の準備が終わって直ぐに始まった。
俺達とは少し離れた所で俺のプロポーズを見ていた詩音達も直ぐに俺達の所に来て俺や、愛央達を祝福してくれた。
その後、せめてコレ位はと言う事で「ギャラが払えません!!」と言う生徒会と学校の話を「友人で恩人のお祝いなのでそんなものいりません!!」とキッパリと断って軽音とダンス部を借りてライブを始めやがった…両部活の人達も驚きまくってたわ…
「もぅ…詩音さんったら…」
菜月が困ったように呟く…けどさぁ〜、言葉とは裏腹に笑顔やんけ……
「良いものを見せて貰った事、恩人でもある悠馬さんの婚約へのお祝いの為に詩音も何かをしたかったんですよ。」
「それは、分かりますけど…」
♪~♪~♪導かれる様に〜辿り着いたこの場所で♪~♪~♪
♪~♪~♪貴方は何を思うの?♪~♪~♪
「マネージャーである九羅華さんが良いなら良いんだけどさ…豪華過ぎる気がするんだよな〜…」
「去年から今まで以上に大人気の詩音のライブだもんね。私達の為にだよね?」
「言葉に出来ませんね…祝われている、祝福されているのが、分かるので嬉しいのは嬉しいんですけど…」
「とは言えだよね…詩音さんも私達の仲間だから気持ちは嬉しいんだけどねぇ…」
うんむ…チューバーの俺とは違って詩音は本物の芸能人な上に大人気って言葉で片付く立場でもない。
本来であれば莫大なギャラを払わないと駄目な相手が、俺と愛央達の為にライブをしてくれてる。
「でも、これも兄さんの力ですよ。兄さんが頑張ったから今の詩音さんが居て、そんな詩音さんは兄さんへの恩返しの一環として…唯の詩音として私達の仲間だから、兄さんをお祝いしたいってだけですよ。」
菜月が、そんな事を言いながら壇上の詩音を見詰めてる。
元々は…菜月が繋いで居た縁だもんな…そんな詩音の一件以来こうやって付き合いが続いている。
「そうだな。詩音も俺達の仲間だしな!」
「ふふっ。その言葉は詩音に言ってあげてください。きっと飛び跳ねて喜びますよ。」
「飛び跳ねてって…まぁ良いけど…んじゃ、俺も行って来るかな!!!!」
「「「えっ?!?!」」」
皆の驚きの声を聴きながら俺も一気にステージに上がる!
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!YouMa様ぁぁぁ!」とあっちこっちから声が上がりまくる!
「悠馬くんっ!やっぱり来たねっ!」
「当然っ!詩音にだけ良い恰好させねぇよ?」
「ふ~~~んっ!悠馬くんについて来れるのかな~?」
明らかにわざとと分かるニヤニヤ顔で俺にそんな事を言ってくる詩音…ならば!答えてやろうじゃん!!!
「はっ!!!良く言ったよ!付いて来れるかじゃねーわ!詩音のほうこそ!ついて来いやぁ!!」
「じょーとー!悠馬くんこそついて来てみなさいーーー!!!」
お互いに顔を見合わせて歌って踊って俺と詩音のライブが始まった。
…………………………………………………………
SIDE 詩音
清蘭祭2日目…九羅華さんと話して二日目も遊びに来ていた。
1日目の楽しさ、思い出を乗り越えてと言う映画を見て悠馬くん達と話したり遊んだりして学生に戻ったみたいで凄く楽しかった。
去年…私の人生は変わっと言える…もしも悠馬くんと知り合って居なければ…いや…知り合っていても菜月ちゃんと仲良くなれて無ければ今の私は居ないだろう。
良くて今頃は感情も無くして人形になっているか…悪くてホームレスの様な生活をして居るか…もしくは…
それだけの事があったにも関わらず私は以前以上の生活をして、こうして
それが…凄く不思議で凄く幸せ…
♪~♪~♪君がくれた希望♪~♪~♪
♪~♪~♪期待に応えたくて♪~♪~♪
♪~♪~♪どんだけ大変でも笑顔で楽しんで♪~♪~♪
♪~♪~♪最後まで諦めないで未来へ♪~♪~♪
私と悠馬くんのデュエットが続く…会場は大盛り上がりっ!
私も去年の再デビューから沢山のファンの応援があって…ライブをすればチケットも直ぐに完売する。
そんな私はYouMaとこうして同じ舞台に立って歌って踊って…あの日からずっと夢に見ていた事が叶った…
私は、ずっと悠馬くんと同じ舞台に立ってこうやって沢山の人達を笑顔にしたかったんだ。
悠馬くんは厳密にはプロとは言えない一般人の筈なのにこんなに沢山の人を夢中にして沢山の笑顔を作り出して、自分の手の届く人を救っている。
そんな彼はあの日からずっと私の目標だ。
私だって彼の背中を追いかける一人…未だに高校生だと言うのに、とても頼りがい合ってとても大きな背中を…ずっと追いつきたいとそう思って私は頑張って来た…だから…だからこそ…こうやって同じ舞台に立てている事が…
♪~♪~♪遠くの眩しいきらめきに♪~♪~♪
♪~♪~♪ずっと追い続けた背中と光が♪~♪~♪
♪~♪~♪ここにあって追いついて♪~♪~♪
♪~♪~♪そこからまた始まる♪~♪~♪
♪~♪~♪仲間が居る大切な世界に♪~♪~♪
どんな評価やどんな物事よりも大切なんだって本当に思ったっ。
♪~♪~♪あの日の自分を超える時に♪~♪~♪
♪~♪~♪君と一緒に過ごす未来へ真っ直ぐと♪~♪~♪
♪~♪~♪時も夢も越えて駆け抜けるよ大切な日常を~♪~♪~♪
わぁぁぁぁぁぁぁ!!!と物凄い声援が私達に届く…
気付けば私の瞳からはぽろぽろと涙が零れ落ちた。
それはとても自然に何もおかしい事も無くそうするのが当たり前であるかの様に…
「詩音…?」
「ご、ごめんねっ!ずっと、ずっとあの日…悠馬くんに救われてからこの日を夢に見ていたんだ。悠馬くんと…私の英雄と同じ舞台に立ってこうやって一緒に歌って踊って…その夢が叶ったから…」
「そっかっ。なぁ、詩音…こうやって飛び入りでライブをしてくれた理由って何だったんだ?」
「それは…お礼と、お祝いだよ。私を助けてくれた悠馬くんと、私と友達になってくれた愛央ちゃん、志保ちゃん、清華ちゃん、菜月ちゃん…他にも沢山の人達…その中で悠馬くんのプロポーズが成功して愛央ちゃん達と婚約者になって、ずっとお世話になってる私も何かをどうしても…お返ししたくてっ!」
そんな私の言葉に悠馬くんは呆れた顔で私を見詰めてる…何で…?
「はぁ…何で?って顔してんじゃねーよ。お祝いは嬉しいけど、お返しなんて考えなくて良いっての!!!」
「で、でもっ!」
「でもじゃ無い!だって…仲間だろ…?詩音も俺達の大切な仲間だよっ。」
ずるいじゃん…今、そんな事言うの…本当にずるいっ!
「嬉しい…嬉しいよぉ…」
♪~♪~♪同じ時を彩りながら♪~♪~♪
♪~♪~♪同じ輝きを見詰めて♪~♪~♪
♪~♪~♪憧れたあの世界に皆で♪~♪~♪
「悠馬…くん…?」
突然歌いだした悠馬くんに私は名前を呟くけど、それには答えずに、悠馬くんは歌い続ける。
♪~♪~♪あの頃の憧れが挑戦に変わって♪~♪~♪
♪~♪~♪残酷な事や辛い事があっても♪~♪~♪
♪~♪~♪進む事を諦めるのも止めるのも出来なくて♪~♪~♪
♪~♪~♪ずっと側に居ると誓っても叶わない事が多くても♪~♪~♪
♪~♪~♪舞台に立つと覚悟を持って戦いながら♪~♪~♪
♪~♪~♪背中を押す風を味方に付けて胸に灯る熱い想いを♪~♪~♪
♪~♪~♪誰にも譲ったり出来なくてもっと速くと魂の叫びを誤魔化さないで♪~♪~♪
挑戦…舞台に立つ覚悟…あの時、特に気にしてなかったけど私はきっと…違う。
悠馬くんだって強い覚悟を持って私達に関わった筈…大人の世界に首を突っ込んで戦い抜いたんだ。
それは、きっと…自分の信念を魂の叫びから目を背けたりしなかったから今の立場があるんだっ。
♪~♪~♪自分達のスタイルで奇跡をつかみ取るんだ♪~♪~♪
♪~♪~♪必ず辿り着くんだその場所に♪~♪~♪
♪~♪~♪だって…俺達は仲間だから♪~♪~♪
♪~♪~♪I Believe 積み重ねた絆が♪~♪~♪
♪~♪~♪I Believe 強い力に変わるから♪~♪~♪
♪~♪~♪仲間と描く未来に一直線に走り抜け~♪~♪~♪
「詩音…詩音の気持ちはとても嬉しい…。でもな?詩音も俺達の大切な仲間なんだよ!愛央達を見てみろ?それで分かるだろ。」
言われた通りに愛央ちゃん達の方を見る…そこには菜月ちゃんや愛央ちゃん、志保ちゃん、清華ちゃんと他にも沢山の悠馬組って言われてる子達が居て…皆が私を優しい顔と目で見詰めながら…頷いてて…九羅華さんも私を見詰めながら…凄く優しい顔をしていた。
「うんっ!私も…私も仲間なんだ!私も仲間だぁ!」
「全く…何を心配してたんだか知らないけどさ、詩音は確かに俺達と違って大人だ。だけど、間違いなく仲間だっての!一緒に戦った仲だろ?」
「うんっ!悠馬くんっ!!!改めて婚約おめでとうっ!愛央ちゃん!志保ちゃん!清華ちゃん!婚約おめでとうっ!!!」
「あぁっ!ありがとうっ!」
観客席からも愛央が、志保が、清華が…「ありがとうっ!」と手を振りながら叫んでる。
「おっしゃぁぁぁ!!!このまま続き行くぞぉぉぉ!お前らも付いて来いよぉぉぉ!!!!」
いえぇぇぇいっ!よっしゃぁぁぁぁぁ!と会場中から声が上がる。
俺も、詩音も徹底的に盛り上がりまくって、去年と同じ様に愛央達も壇上に上げて大騒ぎ、菜月も…健司も…皆で徹底的に全力で大騒ぎも大騒ぎで俺達は二年目の学園祭を最後まで全力で駆け抜けた!!!
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ここまでお読みくださりありがとうございます。
清蘭祭2年目のお話はこれで終わりとなります。
悠馬が愛央達との未来を確定させるイベントにしたかったのでこの形にさせていただきました、他にも沢山のキャラを出したかったのですが収拾も付かなくなりそうなので、区切りも良いここまでにします。
一話一話が長くなりがちですが、見てくださり感謝2たえません。
本当にありがとうございます!!
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