第248話 清蘭祭2日目 これが私の…私達の…

SIDE 菜月


「兄さん…かっこいいです。」


:ちょ?!プロポーズ?!

:こんな大勢の前で?!

:告白の好きを舐めるな!もそうだけどさ…

:菜月ちゃんー!証人ってどう言う事?

:YouMa様…あの子達羨ましすぎる…


私が兄さんを見ている間にコメントが沢山流れてる。


「えっと…兄さんがですね?証拠としてと言っていました。」


:証拠?何の?

:あ~対国って感じ?

:あぁ…か…

:あれって本当なの?

:本当だよ、決めなかった人が悪いんだけどねー

:とは言えYouMa様くらいになれば勝手に決められかねないでしょ?実際

:そうね、そんな事したら私達を筆頭に色んな方面が黙って無いし


「はい、こう言う言い方は好きでは無いんですが、兄さんの血を考えるとので…大企業の子息、YouMaとしても有名、才能ありすぎるとなると…」


:確かにね、私だって抱いてほしいもん

:ほんとだよねー孕ませて欲しいって本当に思うし等々…


兄さん…分かっては居ますけど…ねぇ?


「皆さんの気持ちは分かりますが…駄目ですよ?」


:分かってるからっ!

:思うのくらいは許してっ!

:YouMa様のせい?お陰?で理想上がりまくってるんだから!


まぁ…そこは仕方ないとは私も思いますけど…


「義姉さん達、ちゃんと答えられるかな…もう見て分かるくらい子供みたいに泣きじゃくってるし…」


:いやいや…これは仕方ないって…

:みてるこっちも泣いてるもん

:それな!こんな事されたら…ね?

:過呼吸になるくらい泣くわ

:流石すぎます…


「菜月ちゃん…これってさ?」


「はい、プロポーズですよ。兄さんは数日前にそれぞれの母親に許可を取ってまして、その上で今日のこの場で義姉さん達にプロポーズをすると計画していました。後は義姉さん達の答え次第ですね。」


稲穂さんを始めとした悠馬組の面々が目の前で繰り広げられた光景に男子達は驚いて、女子達は何が起こったのかが浸透して来たのか光景を見ながら・・・羨望の視線を、中には泣いてる人も居る。

こんなのお話の中でしかなかった光景だ…当然そうなると思います。


さぁ、義姉さん達?兄さんに答えをお願いしますよ?


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ボロボロと押さえられない涙と、嗚咽と3人が3人共、子供の様に泣きじゃくってる。

手には俺が渡した指輪の入った箱があって両手で大切に持って居るから、手で顔を押さえる事も出来ない。


先ずは最初に愛央。


「愛央…どうかな?先ずは婚約になるけど受けて貰えるかな?」


「ぅんっ!ぅんっ!悠馬のばかぁ、何で何でいつもいつも!う…うぅ…ぐすっ…わたし…で…良い…の…?」


「あの日、公園で言ったろ?愛央じゃ無いと駄目なんだ。それに、言ったろ?あの夏の日、一緒に悩んで一緒に決めて一緒に生きて行こうよ。今までもこれからもってさ…だから俺と結婚してほしい。」


「はぃ…よろこ…んでっ。」


箱から指輪を外して、俺はゆっくりと愛央の左手を取る。

そのまま薬指にしっかりと嵌めた。


「愛してるよ、愛央。」


「わ、私も…愛してる…うぅ…ぁぁぁあ…ぅぁぁぁぁぁっ。」


指輪を眺めながらもう限界と言う様に愛央はしゃがみ込みながら大声で泣き始めたけど俺が支えながら大泣きしてるのを抱きしめて落ち着かせながら少しの間だけど涙を受け止め続けたそして…


次は志保の番。


「志保、これからもずっと一緒に歩いてほしい。どんなに泥臭くても必ず志保の元に帰るから、志保を愛してる、俺と結婚してくれ。」


「はぃ…ぐすっ…ぅぅぅ…わ、私も…愛…して…ますっ。」


嗚咽しながらもしっかりと俺の思いに答えてくれた志保の左手を取って同じように薬指にしっかりと嵌める。


「うぅぅぅ…ぅぅぅ…ぁぁぁぁ…悠馬さん…悠馬さん…」


「泣かないでっ。泣かないでくれよ…志保っ。」


同じように泣き崩れそうな志保を抱き寄せる、志保も我慢の限界と言う様に俺の胸の中に飛び込んで来て…俺はそんな志保を優しくもしっかりと抱きしめた。


「そんなのっ!無理にっ‥‥決まってますっ!うぅぅ、こんなに…嬉しくて…ぐすっ、ひくっ…幸せなのにっ。泣かないなんて…あぁぁ…うぅぅぅ…わぁぁぁぁっ。」


声を上げて俺の胸で泣いている志保を抱きしめて頭を撫でながら少しでも落ち着くように背中もゆっくりと撫でる。

こうなった時の志保は少しだけ年齢よりも幼くなってしまう。

でも、それも可愛い所なんだよな。


「志保、愛央の事、頼んだ。清華も待ってるしさ。」


コクリと頷いた志保は名残惜し気に俺から離れて、愛央と手を繋ぎながら俺達を眺めてる。


そして…清華。


「ごめん、お待たせ。」


ふるふると首を振って俺の言葉を静かに待ってくれてるけど…その瞳からは沢山の涙が…

これ以上待たせるのは駄目だな。


「もう分かってると思うけど、清華にもプロポーズをしたい。」


コクコクと頷いて待ってくれてる。


「俺さ、清華の王子様になれたかな?清華の思う王子様で居られてるかな?」


「最初からっ!最初からずっと! うぅうぅ…悠馬くん…は…ひくっ…ぐすっ…私には…私にとって…うぅぅ…王子…様でっ。」


「うんっ。ありがとう…清華の王子様で嬉しいよ。だからさ…」


清華に近づいて、箱から指輪を外す。


「これからも清華の王子様として、ずっと一緒に居てくれないかな?王子様で居られるように努力するから、俺のお姫様で愛しい清華と、愛してると言える清華と…だから、俺と結婚してくださいっ。」


「はぃっ!私も…愛して…ますっ。貴方が…ぐすっ…私の、ひぐっ…王子様…ですっ…ぅぁぁぁぁぁぁっ。」


清華の薬指に指輪を嵌めるのと同時に俺の胸の中に飛び込んで来る清華をしっかりと抱きしめる。


「だいすきっ!大好きだよっ!愛してるっ!愛してるよぉ!あぁっぁあぁぁぁぁっ。」


清華も俺にしがみ付きながら大声で泣いてる。

それを見ている愛央と志保にも俺は手招きすると、二人とも俺に近づいてしがみ付いて、ボロボロと涙を零しながら俺は3人の愛しい女性を抱きしめながら順番に何度も何度も、思いを込めながら優しく、丁寧に撫で続けた。


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「せーーーーーーーーーのっっっっ!!!!」


パパパパパパパーーーーーーンンンンンンンっ!!!!!


「悠馬くん!愛央ちゃん!志保ちゃん!清華!!!!」


「「「「「「「「「婚約!!!!おめでとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」」」」」」」


タイミングを見計らって、計画を話していた生徒会組が一気に大量のクラッカーを鳴らす。


「「「きゃっ?!何っ?!」」」


「皆も祝福してくれてるんだよ。生徒会組には今回の事は話していてな。色々と協力して貰ってたんだ。」


「そ、そうなの?」


「悠馬さん?まだ、母からの許可とか…?」


「どう言う…事?」


3人共、俺にしがみ付きながら俺を見詰めながら疑問を投げてくる。


「今回な?学祭が始まる前にこの事を計画しててさ。3人の親にもちゃんと許可を貰っててね。」


「そうなの?!」


「うん。だからね?この舞台を使う許可を取る為に生徒会に直談判してたんだ。だから、3人が指輪を受け取ってくれたから俺達は、これからはっ。」


「悠馬さん…?」


「これからはさ!恋人じゃなくて!正式な婚約者なんだ!」


流石の俺も、もらい泣きじゃ無いけど自然と涙が零れてくる。


「婚約者…夢みたい…」


「はぃ…でもこんな素敵な夢なら…」


「覚めないで欲しいっ。」


「ちゃんと現実だよ。だから俺達は一緒に4人で幸せを作って行くんだ。そうだろ?」


「「「はいっ!!!」」」


「今!会場に居る皆も!配信を見てる皆も!俺達の証人になってくれ!俺は今日ここで!宣言する!近い将来!星川愛央!天音志保!伊集院清華の愛しい3人と結婚する!これが俺の覚悟だ!」


「任せてください!!」、「本当におめでとうー!」、「証人でも何でもなりますよーーーー!!!」、「お幸せにぃぃぃぃ!!!!」


「皆も認めてくれるってさ。」


「どうしよう…こんなに幸せで良いの…?」


「分かりません…皆さんにもこんなに…」


「うんっ。もう本当に一生分、泣いたかも…」


「ここからが新しい始まりだよ。俺達はここからまた新しく…ね。」


「悠馬っ!」、「悠馬さんっ!」、「悠馬くんっ!」


「「「愛してますっ!!!」」」


「俺も、3人を愛してるよっ。今までもこれからもずっとっ。」


そうして、俺は壇上で3人と順番にキスを交わす。

3人の幸せそうな顔を眺めながら、俺は一つの目標を達成してやり切ったと感じていた。


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「おめでとうございます!兄さん!義姉さん達もおめでとうございます!」


「あぁ、ありがとうな。菜月。」


「先輩!指輪見せてくださいっ!」


「私も見たいです!」


「良いよっ!好きなだけ見てっ!」


「うわぁ!凄い綺麗っ!」


「流石は悠馬先輩!良いなぁ〜っ!」


「一人一人、石が違います?これ。」


「うん。それぞれの専用だからな。ダイアモンド以外にちゃんと誕生日石もいれてある。」


「凄すぎますっ!」


キャー!キャー!言いながら女性陣は愛央達の指に嵌まる指輪を見て騒いでるのを尻目に男子達は男子達で俺の方に寄ってきた。


「お疲れ様でした!マジで格好良かったです!悠馬さん!」


「俺等も見てて泣いてしまいましたよ〜!マジで凄かったです!」


「先輩の勇姿!しっかりと目に焼き付けました!」


「何が始まるのかと思ったら、凄すぎますよっ!」


皆が絶賛してくれて俺も嬉しくなった。


「っと、配信の方、忘れてた。えっと・・・。」


:もうー!忘れないでくださいよー!ほんとに凄くてぼろぼろ泣きました!

:私達も証人になりますから!何かあれば直ぐに教えてください!!

:絶対!絶対!幸せになってください!!

:今までもこれからも応援してます!

:四人の幸せな姿もこれからは見せてくださいねー!

:YouMa様!素敵ですーー!!大好きですよー!!

:ドラマみたいで最高に素敵でした!!お幸せにーーー!!


「皆・・・ありがとうっ!!皆が居てくれて、俺は本当に幸せ者だっ!!」


:ぁぅっ////:

:くっはぁっ////

:尊いっ////

:ご、ご褒美ぃぃぃぃっ////


「変わらねーし何時も通り締まんねーなぁ〜…まぁ、それが良いんだけどさ。」


俺の全力の笑顔を受けたリスナーが悶えながらもコメントを残す。

それを見ながら、最初の頃から本当に変わらないねぇ〜・・・とは言えそれが楽しいんだけどさっ。


こうして、俺の男として最大のイベントは、大成功で幕を閉じる。

やっとスタート地点に立ったと思うからここからが本当に大変だし、努力を惜しまないでやらないとな。


勿論、向こうで皆に祝福されながら嬉しそうに、幸せそうにしている最愛の達と共に…


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