第231話 ミスコン?やらかしの舞台?
「ムスコン?」
「そうそう!それは、息子を持つ母親が罹る逃れられない病気・・・って違う!!!ミスコン!!!」
「ミスコンって・・・そんなのやっても・・・じゃないか?愛央と志保と清華の3人がトップ独占して終わりでしょ?」
「「「っ//////」」」
「それは間違いないけど・・・ミスじゃ無くてミスターコンテストって意味のミスコン!」
「それは、悠馬の一人勝ちだねー。2位は稲穂くんかな?」
「3位は・・・向井さんですかね?」
今、学園祭の話し合いと言う事で俺と愛央達は生徒会室に来ている。
別に生徒会役員では無いんだけどね?
取り敢えず、男子も増えたと言う事で新しい事をしてみようとなり、副会長の中島唯恵先輩からミスコンの提案が出された。
「良いんじゃないですか?参加者が居るかは分かりませんけど、ある程度集まるなら良いと思いますよ。俺はパスしますけど。」
「ぇぇぇぇ・・・悠馬くんにこそ出て欲しいのにぃ〜・・・。」
「兄さんが出たら出来レースにしかなりませんし仕方ないですね。とは言え・・・稲穂さんとか向井くんとか有名な男子も出ないと思いますけど。」
「ぇ〜・・・それだと話題性が〜・・・。」
そんなん言われてもなぁ〜。そもそもにして、俺等がここに居る事だっておかしいんだっての。
「はいはい。やるやらないかは別にして、先に来て貰った意味の説明ね。今年もスタンプラリーはやっても良いのかな?」
「良いんじゃないですか?去年やって今年はやらないってのは駄目な気がしますし?てか、俺が在学中は続けないとじゃないかな?って思いますよ。」
「そうね。卒業後は無くして問題は無いと思うと言うか無くさないとね。それと、去年、余ったぬいぐるみとかは使っても良いのかな?」
「それに関しては清華クラスに所有権あるので、そっちと上手く調整してください。校内の飾りにするなり、何かの景品にするなりお好きに。」
「う、うん。ありがとっ!それでなんだけど・・・今年は何かやらかす予定はあるのかな?」
「今のところは特に無いですよ。そもそもにして、去年は俺一人しか男子が居なくて、YouMa目当てって人が多かったからあそこまで大げさにしたって部分もあるので。」
「まぁ・・・それはそうかも知れないけど・・・。」
「だから今年からは出しゃばりませんよ?他の男子も居るし何より俺が前に立ってやってたら何時までもあいつらの為にならないし・・・。」
うぅ~~ん・・・と生徒会組は頭を捻ってる。
菜月も一緒になって悩んでるけど・・・大前提として・・・だ。
「そもそもにしてですけど・・・。」
「うん?どうしたの、悠馬くん。」
「俺は・・・てか、愛央も、志保も、清華もだけど・・・生徒会役員ですら無いんですけど?」
「「「「はっ?!そういえばそうだった・・・。」」」」
「今更ですか?分かってて兄さん達の意見を聞いてると思ってましたよ・・・。」
はぁぁぁぁ・・・・やっぱり忘れてるなぁ~・・・まぁ、参加してる俺達にも責任はあるか・・・。
「でも、そうか・・・ミスコン・・・ね・・・。」
「悠馬さん?どうしましたか?」
「何でもないよっ。取り合えず帰ろうぜ。」
疑問符を浮かべている愛央と志保と清華を連れて俺達は生徒会室を後にする。
ミスコンをやるなら・・・その舞台は違う使い道が・・・だな。
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SIDE 1-A
「それでは、学園祭での出し物の提案をお願いしますー。」
「去年は先輩達が、カフェやってたんだっけ?」
「ですね、兄さんがクラスで出た意見を全部まとめて、ごちゃまぜにしてコスプレもしてって感じでしたね。」
「となると・・・A組としては、余り変なのは出せないね・・・。」
「別に気にしなくても良いと思いますよ?あそこまでやれたのは兄さんだからですし?」
と言ってもなぁ~・・・とクラス中が頭を悩ませる。
「折角だし飲食系のはやってみたいな~・・・。あっ!」
「このクラスの男子はっっ!」
その言葉で全員の目が俺達男子を捉える!その勢いに俺達は揃って「うっ・・・。」と少し椅子ごと後ずさってしまう。
「い~な~ほ~く~ん~っ!・・・ね?」
「ね?って・・・何が言いたいの・・・?」
「スイーツカフェをやって・・・調理担当とか・・・?」
「駄目かなぁ~・・・?杉本くん達も一緒にさっ。」
「駄目って事は無いけど・・・。まぁでも・・・それが一番って言えば一番なのかなぁ?」
こればかりは仕方ないかな?
「やるなら衣装とかも凝りたいね!」
「男子は執事とかシェフ服で女子はメイドさんとか?」
「良いね!貸衣装とかで行けるかなー?」
うん、何か決まりっぽいなぁ~・・・良いけどさっ。
「この流れは変わりませんね・・・。スイーツカフェで決まりっぽいですね。」
「そうだな・・・。まぁ・・・しゃーない。」
「うんうん。」と稲穂組と言われてる俺達は揃って頷きながらクラスの盛り上がりを見続けた。
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SIDE 1-B
「それじゃ出し物決めていくよー。ちなみに去年は、天音先輩と星川先輩が主導で喫茶ステイル出張店をB組はやってました。」
うん、私も遊びに来たからそれは分かってる。だけど、同じものは私達には無理・・・。
「私等には同じのは無理っしょ。」
「優理が居るからカフェ系は行けるかもだけど、A組でやるでしょきっと。」
「去年はA組には悠馬先輩、B組は星川先輩と天音先輩と居たから並んでやっても大丈夫だったろうけどさぁ~。」
「でもさぁ~。学園祭の出し物って言ったらカフェ系じゃないー?」
「そうだけどねぇ~・・・。」
「合コン喫茶・・・。」
?!?!?!?!誰!?今!凄い事言ったの?!?!?!
「「「「それだぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」」
クラス中で大合唱が起きました・・・。それだぁぁぁ!じゃないでしょう・・・。
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「それにしても、ミスコンねぇ~・・・。」
「良くそんな考え出て来たよね?」
「ほんとですね。と言うか・・・悠馬さんを入れても21人しか居ないのに順位を下手に決めてしまうのは良くないのでは?」
「そうだねー。確かにそう言う面はありそう。」
確かにそう言う面はあるだろうな・・・とは言え、カーストなんて下らないものもあるんだし実質的には勝手に決まってる様なものを実際に表に出す事になる。
しかもだ・・・全員が思うトップがコンテストに出ないなら、本当の順位にはならない。
「悠馬?何か考え事?」
「あぁ・・・実際にミスコンなんてやったら少し面倒になるかもなって思ったんだ。皆の思うトップとは違う人が選ばれるって事になったりしたら?って思ったのと・・・開催するとしても、俺は出る気無いし、多分だけど健司とかも頼まれても出ないだろう?」
「だと思います。悠馬さんが出ないのであれば、稲穂さん達も出ないのでは無いでしょうか。」
「まぁ・・・俺が基準って言うのはどうかと思うが・・・。あぁ、そうか!そうだよ!ミス?コンにしちゃえば良いじゃないか。」
「何言ってるの?悠馬。」、「どう言う事ですか?悠馬さん。」、「ミス?って・・・?」と、3人とも思いつかないのか疑問符を浮かべながら俺に聞いてくるのを眺めながら俺は答える。
「そうそう。ミス?コンとミスター?コンにしたら面白くない?」
「えっと・・・?どう言う事?」
「もしかしてですが・・・女装と男装でしょうか?」
「正解だ!志保。」
「あぁ!だからミス?とミスター?って事かぁ!・・・じゃないよ?!何言ってるの?!悠馬くん。」
「いやほら?男子は21人しか居ない訳じゃん?それならいっその事、女装させての一番を決めるとかの方が面白いんじゃないかな?って思ったのさ。んで、逆に女子は男装して一番を決めるってやり方だったら面白くない?女装自体は去年に俺がしてる訳だし、変な話って言うか言い方になるけど、敷居は低くなってるんじゃないかな?って思ってさ。」
「確かに、そっちの方が面白いかもだけど・・・。参加者いるのかな?それこそ、悠馬が率先してじゃないと集まらないんじゃない?」
「審査員位でなら良いかも?男装はほら・・・そこまで珍しいものでも無いしこれくらい捻った方が良いんじゃない?って思ってさ。菜月に頼んで伝えてもらうかな。」
「まぁ・・・確かに?今年もライブはするんでしょ?その為だけに舞台用意するのもだろうし他に使い道あった方が良いのは間違いないよね。」
「やった方がいいかな?やっぱり・・・。」
「多分、その方向で動いてると思うしどちらにしても軽音とダンス部はまた合同でやるだろうし?」
「ですね。それに見に来るお客さんも期待してるでしょうし・・・。」
それもそうか・・・去年はライブの為だけに舞台組んだからなー、他の使い道があるならそれに越したことは無いしな。
それに・・・俺も個人的に使いたい部分もあるしね・・・。
「うん!よしっ!菜月が帰ってきたら話してみるよ。それ次第で動き方変わるだろうし、先ずはそっちだな。」
そんな事を話しながら俺達は揃って帰宅する。
こうやって4人で帰れるのも今年度で終わりになるし、4人で制服を着て楽しめるのも今年度で終わりなんだから、後悔の無い様に・・・。
「やらかすから・・・悪いけど付き合ってくれよ?3人揃ってる内にしか出来ないからさ・・・。」
俺は前を歩く3人に聞こえない様に後ろから小声で零す。
皆の記憶に残るように頑張るから・・・。
そんな事を考えながら、ゆっくりと帰るのだった。
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