第224話 皆テンション高いな〜・・・俺もだけど!

「さってと。それじゃー色々見て回るか!」


「だね!去年は悠馬と来れなかったけど今年は来れたし全部楽しみたい!」


「全部は無理ですよ。気持ちは分かりますけどっ。」


「あははっ。確かにそうだねぇ〜。去年は私達と菜月とだったしね。」


「あれ?そうだったんですか?悠馬先輩の事だからこう言うのは逃さないと思ってましたけど・・・。」


「母さんがなぁ〜・・・流石に許して貰えなかったんよ。それに、去年はバーベキューの件もあったからここでワガママ通してってのは出来なくてな。」


「あぁ!あの時ってそんな裏事情あったんですか?!」


「そそ。まぁでも、その結果、クラスメイトとの時間も出来たし、健司も楽しめたろ?」


「はい!それはもう!」


「それって悠馬先輩のツブッターに載ってたやつです?去年。」


「そうだよ。もうあれから一年かぁ〜・・・早かったな。」


俺と健司の話を聞いていた優理ちゃんが去年のやつなのか?と確認してきて俺ももう一年たったんだなって染み染み・・・。


「あっ!あそこ座れそうだよ!悠馬!」


「おお!星川先輩ナイスです!!場所取りしてきますーーー!!」


愛央が指摘した場所に一年男子達が走っていく。


「こら!男子だけで行かないの!待ちなさい!」


「私達も行きます!すいません、悠馬さん!」


先に行った男子を追いかけて、柚美ちゃん達3人も直ぐに後を追う。


「やれやれ。子供じゃねーんだから、全く。」


「良いでは無いですか、皆さん嬉しいんですよ。こんな風に夜に出歩ける何て今までは無かったんですし。」


「気持ちは分かるけどさ。しゃーない!俺等は食い物やらを買ってくるか。」


「だねっ!先ずは腹ごしらえからだー!」


愛央の言葉に俺と愛央達、健司と渚と優理ちゃんと深山威とそれぞれ別れて屋台に突入していった。何と言っても数が多いからなぁ〜っ!可愛い後輩達の為にも頑張りますかねっ!


…………………………………………………………

SIDE 渚


「皆、何食べるかな〜?」


「ん〜、何でも良いんじゃないかな?たこ焼き、お好み焼き、焼きそば、薄焼き、牛串とかを適当にと、飲み物で良いんじゃない?」


「飲み物は?トロピカルジュース?」


「だねっ!お祭りと言えばそれだし!」


俺は何を見せられてるんだろう?あの二人は誰がどう見てもラブラブカップルにしか見えないのに、まだ付き合ってすら居ないとか誰が信じられるのか。


「里香ー!これ持ってて!」


「向井くん!これお願い!」


注文品を受け取る時に手が離れても、こっちに物を渡したら直ぐに繋ぎ直してるし・・・これで付き合ってないって言われて誰が信じるのよ?


「ねぇ〜・・・向井君。」


「な、何?深山威。」


「私達って、何を見せられてるんだろうね?」


「やっぱりそう思うよな・・・。」


片手は荷物、片手は繋いでとしながらあっちこっちに行ってる稲穂と東原の二人を見失わない様にしながら着いて行くけど・・・本当に何を見せられてるのか・・・。


「いいなぁ〜・・・。」


「ん?何が?」


「ぅっ///聞こえてたっ///」


「何か羨ましい事あった?」


「手を・・・ね?良いなぁって。」


「あぁ!えっと・・・繋ぐ?///」


深山威から純粋な気持ちをいつもぶつけて貰ってるのに、俺は何も返せて無い。

だからって訳じゃ無いけど、手を繋ぐ位なら別に構わないって思うし、何よりもさっきの東原じゃ無いけど、迷子にならない様にって言い訳だってあるから・・・これくらいはね?


「えっと・・・良いの?///」


「う、うんっ///ほ、ほら!迷子になったら大変だしな!!だから別におかしくは無いと思うし!///」


言い訳だな・・・単純に俺が繋ぎたいだけ・・・だから・・・。


「うん。俺が繋ぎたい。だからお願いできるかな?」


「うんっ///」


深山威は嬉しそうに恥ずかしそうに優しく俺の手を取って・・・。


「ニヤニヤっ。」


「向井くんやるぅー!」


「なっ!?///なんだよっ!」


東原と稲穂が俺達のやり取りを見てニヤニヤとしてるし!!!


「ほんとだよ・・・二人には言われたくないしっ///」


「う、うるさいしっ!///」


「迷子になったら大変でしょっ?!///」


「それ言ったら俺等だってそうだしっ!!!」


何してるんだろう?俺等。物凄くあふぉな喧嘩してる気がする。


「お前らさぁ~・・・どんぐりの背比べって知ってるか?」


「この場合は・・・似た者同士じゃない?」


「類は友を呼ぶとも言いますね。」


「悠馬くんも、愛央も志保もさ・・・良いじゃない初々しくてっ。」


「「「「っ//////////」」」」


先輩達の突っ込みで俺達は揃いも揃って真っ赤になってしまう。


「取り合えず、あいつらも待ってるだろうし持って行ってやるか。」


ケラケラと先輩は面白そうに笑いながら俺達を追い越して歩いていく。


「ほらっ!稲穂くんも優理ちゃんも向井くんも里香ちゃんも行くよー!」


「置いて行っちゃいますよ?」


「ふふっ。先ずは皆と合流しないとね?行こうっ!」


「あ!待ってくださいー!」


置いて行かれない様に俺達も慌てて先輩達の後を追いかける。

でも・・・俺と深山威も、稲穂と東原もが離れる事は無かった。


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流石に柚美ちゃん達も一緒に居るからか、男子達が居ても絡んでくるやつらは居なかったらしく話しながら俺たちを待っていた。


「あっ!!兄さんー!」


菜月の呼び声に回りに居た人達がぎょっ?!とした顔で俺達を見て、こそこそと話してるのを横目で見ながら皆の前に物を置いた。


「ごめん、お待たせ!沢山買ってきたぞー!」


俺達の買ってきた物を設置されてるテーブルに置いて飲み物や食べ物を並べていった。


「すいません。先輩達にまかせてしまって。健司達もありがとう!」


「良いよ!良いよ!こんな風に出歩けるなんて中々無いしテンション上がるのも分かるからね。去年の俺もそうだったから良く分かるよっ。」


「それって、先輩のクラスの人達と一緒にやったバーベキュー?」


「それそれ!あの時は今の皆みたいな感じになってたからねぇ〜。」


健司が友人達と話してるのを聞きながら俺も空いてる席に座る。


「取り敢えず腹ごしらえからだな。食べてから色々見て回ろうぜ!」


ワイワイ、ガヤガヤとこれぞ!お祭り!って食べ物を皆で楽しむ。


「それにしても、不思議ですよね〜。」


「何が?柚美ちゃん。」


「いえ、自分達で作った方が確実に美味しいのに、屋台で買って食べると不思議と美味しいって思う事です。」


「あぁ、確かにな〜。雰囲気のお陰なんだろうけど、改めて思うと不思議だよな。」


「ですよねっ!」


「悠馬が言った理由以外だとあれじゃない?普段は先ず作らないでしょ?」


「ですね。焼きそば程度ならともかく、お好み焼きやたこ焼きなんて作りませんね。」


「たこ焼きとかプレート必要だしね〜。」


「お祭りで食べるって特別感が一種のスパイスなんじゃ無いですか?」


「僕はこう思うんですけど、仲の良い友人達と食べるからこそ普段より美味しいんじゃ無いかなって思います。」


「良い事言うね!!」


「あぁ確かにな。それが一番の理由だな!」


「ふふっ。素敵な理由ですねっ。」


水夏の言葉を聞いた俺達はその通りだと、素敵な理由だと褒める。

そんな俺達の反応に顔を真っ赤にして照れる水夏。


「顔真っ赤だぞ?水夏。」


「うるさいな!良いだろ別に!!」


「へーへーっ。ごめんって!」


あははと一年組のやり取りを微笑ましそうに眺めながら俺達は腹を満たして一通り食べ終えたのだった。


………………………………………………………

「んー・・・。」


「どうしたんですか?悠馬さん。」


「あぁ、いや。さっきの話じゃないけどさ、今度みんなで集まってたこ焼きパーティーとか良いかもなって思ったのさ。」


「良いですね!すごく楽しそうです!」


「葵さんに確認してみましょうね!私も楽しみです!」


生地の研究をしないとですねっ!と志保が握りこぶしを握りながら呟いてるのを見ながら皆もやりたい!と賛成してくれていた。


「とりま!今はお祭りだな。目いっぱい楽しむぞ!」


「「「「「「「「「「「おぉー!」」」」」」」」」」」


俺達は立ち並ぶ屋台並びに勢いよく繰り出した!!


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