第209話 おバカはだ~れだ?
「直ぐにYouMa様を頼るとか雑魚すぎww自分で何とかしてみろよwww泣いて助けてぇ~って言えば何でもして貰えるもんねーww見た目だけじゃなく中身もブスwww」
という、内容の紙が入ってました。
何と言いますか・・・兄さんの言った通りと言いますか、予想通りと言いますか・・・。
「流石に少し憐れになってきましたね・・・。」
と言うか、毎回思うのですが兄さんは未来でも見えてるんでしょうか?
「おっと、二日目もきたかーやっぱり。預かるからな。」
「はい・・・でも、その・・・。」
「この手のは俺に任せておけ。在学中くらい面倒見させろ・・・な?」
「はい・・・。ありがとうございます。」
ポンポンっと私の頭を撫でて私と手を繋いで教室まで送ってくれました。
義姉さん達も一緒に来てくれて、教室に入れば、友人達に囲まれて・・・。
「私は恵まれてますね・・・。」
そんな事を小さく呟いた。
………………………………………………………
SIDE 優理
「ちょっと隣行ってくる!」
「ほいっ。うち等も心配してるって言っといて!」
はーい!と返事をして私は隣のA組に急ぐ。
「失礼します!菜月ちゃんー、大丈夫?」
「あっ!優理さん!わざわざありがとうございます。大丈夫ですよ。兄さんも動いてますし。」
「そっかっ!なら良くは無いけど良かった!やっぱり先輩達は・・・。その・・・。」
「はぃ・・・義姉達もですが、兄さんが詩音さんの時のレベルでキレてます・・・。」
「それは・・・かなりヤバイのでは・・・?」
「はい、学校なのでそこまで大きく何かをする事は無いとは思いますが・・・。相手が心配になってきました。」
「確かに・・・。昨日の悠馬さんの行動でかなりヤバいぞってなってるし、これで相手が判明したら先輩達だけじゃ無く全校生徒から睨まれるでしょ・・・。」
「でしょうね。とは言え自業自得ですが・・・。」
「正直、イジメとか嫌がらせとかは無くならないだろうけど・・・。」
「言いたいことは分かるしこんな事言うのはアレだけど悠馬先輩達のグループとか関係者とかに手を出すとか命知らずすぎるだろ・・・。いやまぁ、やるなら他の人にやれって事じゃ無いし、最初からやるなよ!なんだけどさ。」
「何にしても、菜月ちゃんは本当に大丈夫なの?いくら動いてくれてるとは言え、精神的なダメージはある訳だし。」
「はい、優理さんありがとうございます。兄さんなら必ず解決してくれますから私は妹として信じて待つだけなので、大丈夫です。最悪、兄さんに甘えれば回復しますしね!」
「なにそれっ。うん、でもそれなら本当に良かった。私の方でも何か分かったら教えるねっ。」
「はい、よろしくお願いします。」
そうして、私は手を振りながら自分の教室に戻る。稲穂くんには勿論、笑顔もセットで!
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「それで、どうですか?明日香会長。」
「悠馬くんの想像通り映ってたよ。」
「ふう、やっぱりか。こんな事で役に立つ事になるなんてね。」
「困ったものね。こんな意図で付けた訳じゃ無いのに。」
「まっ、使える物は使わないとですよ。鮮明に映るって証明にもなったんですし。」
「はぁ・・・。それで、これで証拠としては十分だと思うけど?」
「ですね。まっ、後5日頼みます。」
「え?一週間続けるの?!菜月ちゃんが可哀想じゃないの?!」
「可哀想ですよ。だから、潰して二度と逆らえなくするんですよ。」
表情を消して言う俺に生徒会組は引きつった顔をする。
「俺に敵対した意味、身体の芯まで叩き込みます。流石に命までは取りませんけどね。」
「ちょっとっ?!ほんとに何をしようとしてるのよ!?限度が過ぎるなら流石に協力出来なくなるわよ!!!」
「それならそれで構いませんよ。教室が血の海になるだけなので。」
静かな怒り。怒鳴り散らす訳でも無く、暴れまくって物を壊したりする訳でも無く、殴る蹴るの暴力を振るう訳でも無い。
「まぁ、元々考えてた方法は協力して貰わないと行けないので、出来れば手を貸して欲しいんですがね。」
「だったら!話しなさい!!確かに悠馬くんの事は特別扱いはしてるけど!それでも限度はある!カルアデスの板と同じよ!数が多い方を優先しないと行けないのは変わらないんだからね!?」
「分かってますよ。と言っても自分でも甘いんじゃね?とは思ってるんですけどね。なので、見て見ぬ振りしてください。それだけで結構です。」
俺は計画の全容を話す。
最後まで聞いた生徒会はドン引きである。
「いや、酷すぎん?流石にドン引きなんだけど・・・。」
唯恵先輩にドン引きされて・・・。
「甘いって・・・どこが・・・?」
綾香先輩が恐怖で慄いて・・・澪先輩は言葉も出ないって感じで・・・。
「あのさ・・・殺す気なの?」
何て物騒な事を明日香会長は聞いてくる。
「いえ?さっきも言いましたけど命を取る気は無いですよ?」
「ぇぇぇぇ・・・絶対嘘でしょ・・・。これは、協力は・・・。」
「出来ないなら出来ないで良いですよ。まぁ、この程度では死なないですって、菜月にあんな事、出来る根性あるなら平気ですよ。」
俺の言葉にう~~むっと全員が悩みだすのを尻目に俺は部屋を後にする。
「まぁ、あと5日頼みますよ。協力って言っても言った通り見て見ぬふりで良いんで。」
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~1週間後のお昼休憩~
SIDE 菜月
「はーーーい!今日もやって来ました!お昼の放送だぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「相変わらずの変わらぬテンションでなんか落ち着きますわほんと・・・。」
「いやんっ!悠馬きゅんってばそんなに私の事、理解してくれてぇ~もうっ!」
「はいはい、おバカはほっといて、一年振りくらいかな?悠馬きゅんがまたしても放送に来てくれましたぁぁぁ!」
ぶふぉっ!と教室中で口に入れていた物を吐き出したり、咽たりと結構大惨事になってるのを私は眺めながらも白目になってしまう。
「げほっ!げほっ!悠馬さん何して・・・。」
「うげっほぉっ!入っちゃ駄目なところに・・・っ!」
「くっそっ!やっちまったぁ!」
「皆さん大丈夫ですか・・・?」
「ちょっと!菜月!これ聞いてたの?!知ってたの?!」
「いえ・・・何も聞いてません。」
「なんでそんなに冷静なの・・・?」
「と言われましても、昨日1日中、兄さんは部屋に篭って何かをしてたので今日あたりに何かヤラかすんじゃ無いかな?っとは思ってたので。流石にお昼とは思いませんでしたけど。」
流石に予想外ではありますが・・・兄さんですしね?私の為に頑張ってくれてるのは知ってるので私は信じて待つだけです。
「てな訳で、先週から俺の妹の菜月に対して嫌がらせをしてる奴が居るのは皆が把握してるな?んでだ、全員、教室のモニターを見ろ。見てくれじゃない、見ろ!」
強制的な言い方、兄さんには珍しく命令するような口調・・・。
そんな言い方にクラス中が教室にあるモニターに目を向けたのと同時に・・・。
「ぇ・・・?これって・・・。」
「皆が知ってる事ではあるが、去年の学園祭の時に、昇降口と下駄箱には監視カメラが設置してある。これは俺を目当てで学園祭を見に来た人間の中に問題を起こした奴が居た場合に把握する為に設置していたものだ。」
「うんうん、結果的にいらなかったけどねー。あぁ、皆には一応だけど言っておくと、普段は電源いれてないからね?少なくても登校時間になると自動で切れるようになってるから安心してね。」
「つまりー、登校時間外に誰かが現れたら人感センサーが反応して撮影する様になってるの。」
そんな事になってたんですね・・・、そう言う所にまでお金使っていたのにぶっちぎりで黒字だったんですか・・・去年。
「で・・・だ。今流れてるのは初日になる。バレてないと思ってるのは本人だけであるっ。」
やけに芝居がかった言い方で兄さんが言うもんだから・・・。「ぶふぅ。言い方ぁ・・・。」、「先輩勘弁してっ。」、「笑うから、その言い方。」と何か笑わせに来てる・・・。
兄さん?ここからどうするつもりなんです・・・?
「って事で、先週は監視カメラが動いていたんだ。この子さ、毎日、同じ時間に来るんだよ?凄くない?!一分も時間がずれないの!尊敬するよね?!」
「違うっ、そうじゃないっ。」、「それは違うっすっ。先輩っ。」、「そこじゃないっ!その認識は間違えてますっ!」なんて突っ込みも入ったりしてる・・・。
「兄さん?この流れは一体・・・。」
一体どうしようとしてるんですか?これ・・・後で教師に怒られませんか?私のせいで兄さんが停学とかになったら、私・・・泣きますよ・・・?
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