第197話 教室にて
SIDE 優理
入学式が終わり、教室に戻って来た私達はあっちこっちからさっきの事が話題になっているのを私は他の女子から問い詰められながら聞いていた。
「逆月先輩の言葉・・・めっちゃ響いたわ・・・。」
「俺も・・・完全に憧れだけで決めたけど、確かに先輩の言う通りなんだよな。」
そう、逆月先輩、YouMa様、私の次に、在校生男子代表として話した内容は何も今年入学の男子に限った話ではない。
私達女子にも当てはまる・・・いえ、寧ろ男子以上に私達女子の方がしっかりと意識を持たないと行けないと私は感じた。
「ねーねー!式の間、ずっと先輩が隣に居たんだよね?!何か話したの?!」
「何度か話してたよね?ちらちら見てたけど二人が会話してるの見たよ!」
「あ・・えっとね?緊張してた私の気を抜いてくれたのと、アドバイスとかかな。」
「アドバイスって?何を言われたの?」
「ほら、先輩の点数を越えても居ないのに代表挨拶するのは不満って言ったじゃない?私。」
「言ってたね!」
「あれね?アドリブなの・・・。先輩がね、どうせならネタにしちゃえって言ってくれて、私もそれに笑っちゃって、緊張が解けたのもあって、こんな風に話せば良いと思うよ?って言ってくれたから、話させて貰ったの。」
ほへぇ〜っと、皆が関心したような顔で私を眺めてくるけど、凄いのは私ではなく、あの状況であんな事を思いつく先輩だ。
「そ言えばさ、降りてきた時に誰かに笑顔向けてたよね?優理。」
「あ、えっと・・・視線感じて・・・それでね。」
「ほっほぉー!男子をもう射止めたのかなぁ〜?」
「射止めたって・・・分かんないよ。直ぐに顔を下ろしちゃってたし。」
「照れただけなんじゃないのぉ〜?」
もうっ!ニヤニヤして楽しそうにイジってくるし!
「それで!それで!どんな男の子だったの?!」
「どんなって言われても・・・A組で、何かで見たことある様な気がする?くらいかな〜。」
「何かの配信とか、写真とか?」
クラスの男子の一人が私達の話に参加してきて、そんな事を言ってきて、私は思いついた・・・。
「そうだ・・・稲穂くんだあの人!先輩の写真とか配信とかで見た事あったから気になったんだ!ありがとう!」
「あっ、いや・・・いきなり参加してごめん。」
「いいのいいの!折角、同じクラスになったんだし仲良くなりたいのは私達も一緒だからさっ。」
「そうそう!先輩の言ってた事もだけど、同じクラスになったんだからこれからよろしくねっ。」
私達は先輩の言って居た、先ずは慣れる事の一つだと思う男女の仲を深める為に担任が来るまで自己紹介をしたり他愛もない話をするのでした。
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可愛かったなぁ〜・・・それに凄い綺麗だった・・・。
俺は一目惚れしたと自覚しながら、さっきの東原さんを思い出してた。
教室に帰ってきた俺の回りはさっきの悠馬さんの話題で大盛りあがりしてるけど俺の頭の中は東原さんで一杯だ。
「先輩の言ってた事って男子だけの話じゃないよな。」
「そうね、私達、女子の方がむしろメインだと思います。」
「うん、男の子達が何の問題なく過ごせるように、過ごすようにして更に学生生活を楽しく?」
「責任重大過ぎない?」
「そこまで重く考えなくても大丈夫ですよ、兄さんだってそんなつもりは無いですし。」
「えっと・・・要するに普通に楽しめって事かな?」
「ですね。その認識で間違いは無いと思います。ところで稲穂くんはどうしたの?」
「ケケケッこいつな〜さっきの東原さんに笑顔向けられて照れてたんだぜ?しかもその前はずっと見てたしさっ。」
「ほほぁ〜?もしかして・・・。」
「えっ?!違うからね?!?!別に一目惚れしたとかじゃ無いからっ!!」
「まだ何も言ってないよ?もろバレじゃんっ。」
「〜〜っ///そりゃ!確かに綺麗だなって思ったけどっ///」
皆にからかわれておれは必死に取り繕うけど、完全にバレてるこれっ!
だって仕方ないじゃん!すごく綺麗な黒髪だったし少しキツめに見える目、スッと通った鼻筋、瑞々しい唇にとても綺麗で可愛い声。
完全に一瞬で奪われたんだから!!
「やれやれ・・・ここに見目麗しい女の子が4人も居るのになぁ〜?」
「うっ。別に皆が綺麗じゃ無い訳じゃ無いけどっ!ってどんな話なのこれ?!」
「稲穂さんの恋のお話?っとそれは兎も角、入学式で出会うって兄さんみたいですね〜。あっ、兄さんは受験の日でした。」
「愛央先輩の事?」
「です。愛央義姉さんと志保義姉さんは受験の日に知り合いましたからね。」
「清華先輩は少し後だっけ?」
「はい、私達、家族で出かけた時にですね。」
「なるほど〜。そんな3人が今じゃ誰もが羨む人の恋人で学校のアイドルか〜。」
「初めて学校に来てとか悠馬先輩と同じだね!稲穂くん!」
「だからぁ〜・・・///」
「そこまで目指さなくても良いんじゃない?」
あはははっと立花さんと、門倉さんからのツッコミで周りも大笑いしながら俺達の時間は担任の先生が来るまで続くのだった。
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「皆さん、入学式、お疲れ様でした。少し明日からの説明をして今日は解散になります。先ずはこのプリントを回してください。」
前の方から回されてきたプリントを受け取って全員に回った後、先生の話や説明が続いていく。
「次のページを見てください、そのURLは学校の掲示板です。生徒なら誰でも閲覧、書き込み、教師への相談等が出来るようになってますので、活用してください。そして次のQRコードですが、男子だけが使える逆月君への直通板です。」
「「「「?!?!?!?!?!?」」」」
「はいはい!静かに聞いてくださいね。逆月くんが自分から提案してくれた案でして、慣れない学園生活での悩み、逆月くんに直接は話す勇気の無い子の為の相談用に、提案してくれたので採用させて貰いました。」
流石・・・マジすげぇ~・・・、先輩に相談できるんだ・・・等々・・・。
「流石かな・・・。悠馬さんらしいやっ。」
「先に一年過ごしてる先輩として教えられる事は色々とあると思う、だから気軽に悩みでも何でも相談してくれ。だそうですよ。」
「せんせいー!女子用のは無いんですかー?!」
「はいはい!女子用のは・・・ありません!」
「えぇぇぇぇぇ!!!???「ですが!」・・・ですが?」
「逆月悠馬FC清蘭限定がありますよ。流石に学校公認と言う訳には行かないのでこちらには載せていませんが2年生に取り仕切ってる人が居ますので見つけてみてくださいね。」
「確か、校内限定の兄さんの写真とか色々あるらしいですよー。」
「「「「?!?!?!?!?!?!?まじで?!?!?!」」」」
「ぅっ・・・はい・・・。兄さんが言ってましたから・・・。」
「「「「絶対に入る!!!!」」」」
あはは・・・すげー気迫・・・、気持ちは分かるけど・・・。
「確か、学祭の時のとかも沢山あるって言ってたっけなぁ~・・・後はライブの動画とか・・・あっ・・・。」
ギンッ!!!!っとクラス中の女子の視線が俺に刺さる!!!
「ひぃぃぃぃ?!?!」
「稲穂くん・・・それ本当・・・?」
「嘘じゃないよね・・・?」
「嘘じゃないよ!!!悠馬さん本人が言ってたから!!!」
ありがと、絶対参加する・・・、先ずは管理者を見つけないと・・・女子の目の色変わって怖い・・・。
いやまぁ・・・分からないでも無いけどさ・・・。
「はいはい!女子生徒は頑張りなさいねっ。そして、明日からですが・・・。」
その後、これからの予定を説明してホームルームは終了し、入学式でもあった最初の一日は過ぎて行った。
これから本当に楽しみだなー、どんな高校生活になるのか期待ばかりだ!
気になる人も出来たしね・・・?
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