特別話3

特別話 クリスマス1

ピンポーンっ!


「はーいっ。いらっしゃいっ!」


ガチャっと玄関を開けた先には三人の美少女。

俺の恋人達の星川愛央、天音志保、伊集院清華の三人が寒そうに立っていた。


「おはよっ!来たよー!」


「おはようございますっ。色々と買い物してきましたっ!」


「おはよーっ!沢山、楽しもうねっ!」


そうっ!今日はクリスマス・イブ!俺達は集まってクリスマスパーティーをする事にしていたのである。


「おうっ!入って!入って!菜月も待ってるからさっ。」


「「「お邪魔しまーすっ!!!」」」


三人を迎えいれ、リビングに向かった後、俺と志保は食材をキッチンに運んだりしてる間に菜月がお茶を皆にだした。


「さってと!それではー!何からしよう?」


「愛央ぉ・・・。」


愛央のボケにガックリと力が抜けた俺はジト目でツッコむっ。


「へへっ///ごめんってっ///」


「まぁまぁっ。先ずは準備からですかね?」


「そうだねぇ〜。悠馬くんと志保は料理かな?」


「ですね、そちらは兄さんと志保義姉さんに任せたほうが間違いないかと。私達は、飾り付けや、連絡をってところですかね?」


「それでいい。皆に声はかけてあるし早めに終わらせてしまおう!」


「そうですね。人数が人数ですからほぼ出来合いとは言え、何も作らない訳では無いですしね。」


「よーーしっ!それじゃー!素敵なパーティーになるようにがんばろーー!!」


俺達は愛央の掛け声でそれぞれの準備を開始する。

俺達だけじゃなく、クラスメイトの一部、早苗さん達、雪村家、健司達と大人数でのパーティーなのだ。

いやはや・・・何でこうなった??楽しいから良いんだけどさっ!!!


……………………………………………………………

「うんっ!それで良いよっ!待ってるねー!」


「うんうん、稲穂さん達を迎えに行くから駅で待ち合わせねっ。」


「ふんっ♪~♪~♪ふ~んっ♪ふっふっんっ♪」


「悠馬さん、こちらは・・・この流れで大丈夫です?」


「うん、それでお願い。あ!志保!こっちなんだけどさ・・・。」


「あぁっ!良いですね!それでいきましょうっ!」


「兄さんー!稲穂さん達を迎えに行ってきますねー!」


「悠馬くん!早苗達、迎えに行ってくるねー!」


「あいよー!二人共気を付けてなっ!」


菜月と清華を送り出して、愛央は飾りつけを一気に進めていくのを尻目に俺と志保は料理の最終工程に進む。


「うぅぅう・・・お腹減って来た・・・。」


「良い匂いが充満してるからなぁ~・・・。」


「ですね。まーもう少しの我慢ですよ、愛央さん。」


「は~~いっ。皆、早くきてぇー!」


そんな愛央の言葉に俺と志保は苦笑いをしながら料理を完成させていくのだった。


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ピンポーンッ。


「おっと、ちょっと行ってくる。」


「私も!悠馬だけだと心配だしねっ!」


「はい、お願いします。」


自宅なんだけどなぁ~・・・。


「はいはいー、お待たせしました。えっと・・・?どちらさま?」


「「・・・・・。」」


「どうしたの?貴女達。てか、どちら様?」


「はっ?!・・・は、はは、はははじ、はじめました?!」


いや?何を?


「ほんものだぁぁ・・・っ。・・・はっ?!すいませんーー!」


「「菜月ちゃんは居ますか?!」」


「っと、菜月の友達?」


「は、はいっ!友達です!」


「そっかっ。ごめんねー、今ちょっと人の迎えに行っててさ。良かったら中においで!これからパーティーするからさっ!」


「うんうん!折角来たんだし参加しなよっ!」


「良いんでしょうか・・・?」


「良いから良いから!ほらほらっ!」


俺と愛央は菜月の友達を家の中に招き入れて志保の待つリビングまで案内する。


「ひゃぁぁ~・・・天音先輩までいるぅ・・・。」


「ご、ごめんなさい。何かお邪魔してますよね?!ごめんなさいっ!!!」


「大丈夫ですからっ。菜月さんのお友達なら何も問題ないですしね。」


すっかり緊張してしまってる菜月の友人達を少しでも慣れて貰う為にも何でもない話を愛央が一杯してくれてるのを見ながら過ごしていると菜月たちが帰って来た。


「兄さんー!ただいまですー!稲穂さん達、連れてきましたよっ!」


「ただいま、悠馬くん。早苗達、連れて来たよ。」


「悠馬さん!お誘いありがとうございます!」


「「「お久しぶりです!」」」


「「「お邪魔します!悠馬さん!」」」


「皆!いらっしゃーーーいっ!沢山準備してるから一杯楽しもうぜ!」


「って!何で居るの?」


「何でって・・・スマホに返答無いから直接誘いに来たらこうなった・・・。」


「はぁぁ・・・まぁ良いけどさ。」


「兄さん達に迷惑かけないでよ?それと今日のメンバー紹介するから付いて来て。」


菜月が友人達に早苗さんと後輩たち、健司、柚美、千里、涼を紹介して回ってる。

後は・・・ピンポーンッ!っと来たかな?


「はいはいー!」


「おじゃましまーーす!」


「遅くなってごめんなさい!」


「悠花も、薫もいらっしゃい!一緒だったんだね。」


「うん!ほんとに直ぐそこでね!」


「もう皆揃ってるよ、菜月の友達も増えてるけどっ。」


雪村夏凜、雪村陽依里の二人。悠花と薫も来たしこれで、全員が揃ったな!


「お!夏凜さんと陽依里ちゃんもいらっしゃーい!」


「薫さんと悠花さんもいらっしゃいませ。こちらにどうぞ。」


うん、こんだけ人居ると騒がしいわ・・・。

まぁ、でも皆楽しそうだし健司も笑顔だし良い感じだね!


「はいはいー!それじゃ早速はじめようー!!!」


パンパンっと手を叩いて皆の意識を俺に向けて話始める。


「それでは運び始めますね。」


「俺も手伝う。愛央と清華は皆に飲み物を!」


「「はいはいー!」」


皆にどんどん配られる飲み物が全員に行き渡ったのを見た後に俺は挨拶を始める。


「それじゃー!皆!集まってくれてありがとう!!今日は思いっきり楽しもうね!乾杯ーーー!」


「「「「「かんぱーーーーーいっ!!!!」」」」」


こうして俺達のクリスマスパーティーが始まった。


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SIDE 菜月


それにしても、凄い人数が集まりましたね。

この一年で兄さんの交友関係の広がり方の凄さの結果とは言え、まさかこうなるとは・・・。

広いはずの家のリビングが狭く感じてしまうほどですね、この人数だと。


「ねーねー、菜月。」


感慨に耽っている私に友達が話し掛けてきた。


「何か凄いメンバーだよね?」


「そう?私からしたら兄さんのお友達さん達と義姉さん達ってだけだけど。」


それに、詩音さんは流石に参加出来なかったから全員と言う訳では無いし。

仕方ないとは言え生放送とかの仕事みたいですしね。


「いやいや!清蘭のアイドルが揃ってるし、何かお金持ちっぽい姉妹も居るし、あの子達って見学会の時の子達だよね?うちら場違いじゃない?」


「別に大丈夫だよ、兄さんが受け入れたんだし変な事は考えないで楽しめば良いのっ!」


あっ!そうだ!これを見逃すわけには行かないんだった!テレビ!テレビ!


「菜月?どしたの?」


友達の声を無視して私は直ぐにテレビを点ける。

その画面には丁度良いタイミングでとある人が映っていた。


「詩音さん、出てるんだ?」


兄さんの声に私は笑顔で頷いて画面に集中した。

インタビューの前に詩音さんの歌とダンスが放送されて知り合った頃とは違うきらっきらで自信に満ち溢れてとても素敵な笑顔の姿がはっきりと映ってる。


「詩音でしたー!ありがとうございました!それではインタビューの方を始めて行きたいと思います!勿論・・・皆さんの期待通り聞く事は決まってますよね!」


テレビからインタビューの内容が流れて来るのを私はしっかりと聞き逃さないようにする。


「詩音さん、変わりましたね。とても輝いて見えます。」


「だねぇ~。それもこれも・・・どっかの誰かさんが凄い事しちゃったからだけどねぇ~?」


本当です。志保義姉さんと愛央義姉さんの言う通り、兄さんが絡んだ事で話が大きくなり事務所も潰してしまって社長は逮捕。


「元々の事務所は倒産、社長は逮捕&老体化だもんねぇ~?」


老体化は兄さんの力では無いのでは?


「凄い人も居たもんだな?芸能人と知り合って大人の世界の問題を解決するんだからさ。」


「「「ソーデスネー。」」」


「何だよ・・・?3人共。」


「「「イエ、ベツニ?」」」


ふふふっ。一応ですけど秘密と言う事になってますしね?分かってない人はいないですけどっ。


「それにしても、詩音さんが今の事務所に所属する事になったのは世間ではYouMaの力があったからと、元の事務所が倒産させたのもYouMaだとか言われていますがやはりその通りなんでしょうか?」


「毎回毎回、聞かれますけどご想像にお任せします。」


それじゃー、正解だと言ってるのと変わらないと思いますよ?


「なるほどっ。何時もの返答ありがとうございますっ。そして、詩音さんの歌う楽曲もYouMaの提供と言う話ですけど?」


「私から言えるのはですけど・・・NaMeLessさんです!」


「名無しさんですかぁ~・・・。成る程成る程っ。」


「あ!でもこれだけは・・・私は知り合えたのはとても嬉しいですし幸せです。そして私の為に怒ってくれた事、危険な目に遭うのも分かってるのに、戦ってくれた事、かっこよく解決してくれた事は今までも、これからもずっとずっと!忘れないですし感謝し続けます。今の私があるのはその私の英雄さんのお陰ですから!そして・・・その人が困る事があればどんな事をしても私は力になります。それが私の出来る唯一の恩返しなので・・・。」


そんな言葉が画面から流れて来る、その言葉に聞いていた全員が静かに聞いて居て・・・あぁ・・・詩音さんもなんだと感じられて嬉しかった。


「ありがとう、詩音。」


兄さんのボソっとした声が聞こえて来て、それを拾った全員がとても優しい顔で兄さんを見て居たのがとても印象的な時間だった。


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