第176話 後日談

♪~♪~♪1!2!3!4!♪~♪~♪


♪~♪~♪始まる予感~信じて♪~♪~♪

♪~♪~♪未来の予想〜♪貴方と一緒に何処までだって行けるよ♪~♪~♪

♪~♪~♪怖がらないで♪~♪~♪

♪~♪~♪一緒に踏み出そう♪~♪~♪


♪~♪~♪選んだこの道を♪~♪~♪

♪~♪~♪後悔したく無いから目指す場所を見据えて♪~♪~♪

♪~♪~♪力の限り先へ進もう♪~♪~♪


テレビから詩音の歌声が響いてくる、すっかりと歌手としても成功して居てテレビで見ない日は無い位あっちこっちに引っ張りだこだ。


「詩音さん、凄いですねー。」


「そうだな、心からの笑顔も戻ってるみたいだし、本当に良かった。」


♪~♪~♪仲間の夢を乗せて♪~♪~♪

♪~♪~♪前だけを見て一緒に進もう♪~♪~♪

♪~♪~♪輝く未来へ向かって〜♪~♪~♪


「本当に良かったです、どうなるかと思いましたけどね。」


「まぁまぁ、悠ちゃんの無茶は今に始まった事じゃ無いしね~?」


♪~♪~♪何時だって一人じゃ無いよ♪~♪~♪

♪~♪~♪夢を叶えよう!♪~♪~♪

♪~♪~♪その夢の先にまた新しい夢があるから♪~♪~♪


「あははっ。詩音さん楽しそう!」


♪~♪~♪これからも同じ夢を見ようね?♪~♪~♪

♪~♪~♪約束だよ♪~♪~♪

♪~♪~♪貴方も私も夢を見る人だから♪~♪~♪

♪~♪~♪夢をこの手に掴んで誰も見た事の無い地平へ行こう♪~♪~♪

♪~♪~♪Youre Dreamer♪~♪~♪My Dream♪~♪~♪


画面の向こうから拍手喝さいが聞こえてくる、音楽番組にも出演してるけど毎回、毎回、詩音が出る時は、大盛り上がりだし視聴率も凄い事になってるそうだ。

まぁ・・・頑張った甲斐はあったかな?


「それにしても・・・この社長は・・・、どんだけ色んなもの出て来るんだか・・・?」


母さんがネットニュースを見ながらそんな事を呟く。


「また何か出て来たの?ママ。」


「ほらこれ、綺麗事だけでは経営は出来ないとは言えこれは流石に引くわ・・・。」


そこには今まで詩音と同じように破滅させてきた奴らが顛末を見て被害届けを出してどんどんと罪状が追加されて言っている事、この社長とグルになって搾り取って居たり、脱税をしていたりの企業もどんどんバレてる。

叩けば埃出すぎだろう?良く今まで無事だったなこいつ・・・。


「良くもまぁ・・・ここまで・・・。」


「本当よね・・・。違う意味で尊敬するわよ。」


確かに・・・と俺と菜月は同じタイミングで頷く。


「そう言えば、雪村さんからお礼が届いていたわよ。」


「お礼って?特にお礼される事して無いでしょ。詩音の違約金を押し付けたのと詩音達とあの事務所から逃げた人達も全部押し付けただけだしさ。」


「向こうはそう思ってないって事よ。あの事務所の優秀な人たち、タレントさんもかなり移動したでしょ?だからどれだけ忙しくても嬉しい悲鳴みたいよ。」


「そっか。形はどうあれ押し付けたし、気になってたけど、それなら良かった。」


「それじゃ!雪村家からのお菓子でも食べてゆっくりしましょー!色々な事がやっと落ち着いてきましたね!」


「さんせーい!お茶淹れて来る。」


「「はーいっ!」」


母さんと菜月の声を聞きながら俺はお茶の準備をしながら、雪村からのお菓子も一緒に準備いていると、ピンポーンっとチャイムの音が家に響いた。


「菜月ー、頼むー!」


「はーいっ!いってきますっ!」


菜月を見送って準備を進めて行くとガヤガヤと話し声が聞こえ、直ぐにリビングの扉が開いて来客が現れる。


「こんにちわーっ。お邪魔しますっ!」


「お邪魔します。」


「お?愛央も志保も清華もいらっしゃい、それと・・・お久しぶり、詩音さん。」


「はい、色々とありがとうございましたっ。」


「はいはい!挨拶は後で良いから先ずは座りなさい、今からお菓子とお茶を楽しむ予定だったから貴女達も楽しんでね。」


「やったぁ!ラッキーなタイミングっ!」


「全く・・・愛央はもうっ。」


「良いから座っとけ、志保は・・・悪いっ。」


「大丈夫ですっ。」


たったそれだけの会話で志保は俺の所まで来て俺の手伝いをしてくれる、ほんと分かってくれるの嬉しいよね。


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家族3人のお茶会が、愛央、志保、清華、詩音も加わり7人のお茶会に変わってしまった。

まぁ、恋人たちはいつでも大歓迎なんだけどね。


「それにしても、詩音さんは良く時間取れましたね?今じゃ大忙しでしょ?」


「お陰様で・・・あまり休めては居ないけど全く休みが無いわけじゃ無いから大丈夫だよ、九羅華さんが上手く調整してくれているしね。」


「それなら良かったです、暫くの間は仕方ないでしょうねー。」


「ん〜っ!美味しいっ!ってか、悠馬はほんとに何してるんだか・・・。」


「全くです!一人で乗り込んでとかどれだけ心配したと思ってるんですか!」


「ほんとだよ・・・殴られもしたし。怪我は大丈夫?」


3人が心配半分お怒り半分でそんな事を言ってくる。


「散々謝ったんだから勘弁して・・・。」


「あの、義姉さん達、今回は私も協力しましたし、兄さんがこんな事までしたのは私が関係ありますから・・・。」


「菜月ちゃんと仲良くなった事に後悔は無いけど私が原因だから、ごめんなさい。」


「いえ、こちらこそ、申し訳ありません。流石に今回の事は今までとは違うのでどうしても・・・。」


「まぁまぁ、反省してるしこの辺でな?詩音もこう言ってるしさ。」


「悠馬が言うなーー!!」、「悠馬さんが言わないでください!!」、「悠馬くんが言わないで!!」


揃って責められた・・・酷い・・・。


……………………………………………………………

「ところで、詩音さんの元の事務所は結局のところどうなったん?」


「えっと、社長があんな事になったのと、株価も下がりに下がってスタッフもタレントも居なくなった事で事実上の閉鎖かな。あっ!それとね!私もそうだけど他の同じように違約金を押し付けられた人達も全員助かったんだよ!この一件で暴露された事で、違約金は全部無かった事になったの!」


「事務所は当然の帰結ですね。違約金関係も解決して良かったです、それにしても悠馬さん・・・遂に芸能事務所まで潰せる程になりましたか・・・。」


「待って、志保待って!そりゃ確かにそうなったけど・・・遅かれ早かれでしょ?!あそこ!」


「いや〜、あれだけ色々ヤラカシていて無事だったんだから、誰かに刺されて死ぬとかはあるかもだけど、事務所は潰れないんじゃないかな〜?」


「愛央までそんな事を・・・いやまぁ、いずれは刺されただろうけどさー、あの人。」


「って事は悠馬くんのお陰で命拾いしたわけだね!破滅したけど!!」


「清華まで裏切った?!」


「裏切ってないし!全く!」


「ぷっ・・・あはははっ!・・・はぁ〜・・・皆のやり取りが余りにも流れ作業過ぎて我慢できなかったよ〜。」


「ほらー!詩音さんに笑われたじゃんかー!」


「悲しい顔してるより良いと思いますよー?」


「ぐむぅ・・・。はぁ〜、もういいや。美人の笑顔からしか採取できない栄養素を取れてラッキーって思っておくよ。」


「・・・っ////」


「何を赤くなってるんです?」


ヤレヤレっと愛央も志保も清華も菜月も母さんも呆れた顔でこっちを見てるし、何だっての・・・。


「ぁ・・・記者会見だって・・・。」


ふとテレビを見ると詩音の元事務所の社長の記者会見が映っていた。


「元社長の?」


「いやいや、拘置所でしょ?今。」


「まーそうなんだけど、説明責任?警察内の部屋でとかじゃないかしら?」


「ふーん、まぁどうでも良いけど。」


「確かにー、悠馬を殴ったやつだしね。」


「ですね、警察に居なければどうしてくれましょうか・・・ね?フフフッ。」


「志保ちゃん・・・黒い黒い。流石に怖いってっ!」


黒くなってる志保を撫でて落ち着かせているとテレビの中で話が進んでいく、警察官、弁護士などの話が進み、遂に元社長が出てきた・・・けど、その姿は・・・。


「え?なにあれ?」


「あんなに老けてたっけ?」


「んーん、白髪の一本も無かったのに、何であんな真っ白に・・・。」


「べ、別人とかでしょうか?」


「いやいや、流石にそれは無いでしょ。」


っと、余りにも見た目が変わり若々しかったのが白髪まみれ、皺も増えてと一気に老け込んでいた。


それでは、これより会見を〜・・・とテレビから音声が流れてくるのを俺は聞き流していたが、皆は唖然のして画面を見ている中で志保が俺の様子に気付いた。


「あの、悠馬さん。特に驚いたりしてないみたいですけど・・・?」


「あぁ、まーね。予想はつくさ。」


「どう言う事?悠馬。あんな風に一気に老けるなんてある?」


愛央の疑問に皆が俺を見る、母さんは何となく分かってるみたいだけど。


「あくまでも、予想だからな?人は過度のストレスを感じるとその瞬間に胃に穴が空くことすらあると言う。まぁ、流石にそれこそ命の危機レベルの何だろうけどさ。」


「そんな話も聞くわね。恐らく、今回の1件で自分を支えるもの、自信があったものが一度に完膚なきまでに崩れてのストレスが肉体の見た目に押し寄せたってところじゃないかしら?」


「それと、今まで通り破滅させて道具にするはずだった相手が大成功して自分の悪事も全部ばらされて、その上、飼い犬だと思ってたスタッフもタレントも揃って裏切って、更には俺を殴った事で世間からも有り得ない位のバッシング受けてって所だろ?」


「あぁ・・・それはありそうだね。ん~・・・でもさ・・・この流れってあんまり良くないんじゃない?」


「どうしてですか?悠馬さんを殴っただけでもこの程度では温いと言うのに。」


「菜月ちゃんとも仲が良いから悠馬くんを敵に回したんだし、ファンも絶大な詩音さんの事だからこうなるのは当たり前じゃない?」


志保も清華も愛央の考えには否定的の様で難しい顔をしてる。


「はぁ・・・仕方ない。」


「悠馬さん?」、「悠馬くん?」、「悠馬?」


3人の声を背中に聞きながら俺は一度、後ろを向く、そのまま一つのツイートを作り送信した。


「悠馬・・・これ・・・。」


「うん、愛央の心配ってこれだと思ったんだけど違った?」


「違わない!これであってるよ!何で分かったの?」


俺の呟いた事は、今回の一件でこの人の家族や親族に危害を加える様な人が居るかもしれませんが、出来れば辞めてください。

その行為はこの社長と同類、もしくはそれ以下の人間に自分から成り下がる事ですし、俺も望みませんっと呟いた。


「まぁ・・・この流れは決まった物だしね、留置所に居る本人に石投げられないから身内を身代わりにするってのは人間の考える事だし。それに、俺もその流れは本位じゃない。」


「悠馬・・・ありがとうっ。」


「お礼を言われる事じゃないよ、それに効果あるかも分からないしさ。」


「多分、大丈夫でしょう。凄い速さで広まっていますしリプライも付いていますしね。愛央さん、私はここまで考えが至りませんでした。否定的な態度ですいませんでした。」


「私もごめんね、愛央。やっぱり愛央は凄いな・・・。」


「そ、そんなっ!気にしないでよ二人共!たださ・・・もしもこの人に娘とか居たら、私よりも酷い事になるかなーって・・・。」


「私よりも酷い事って?愛央ちゃんって何かあったの?」


詩音さんのそんな疑問に愛央は苦笑いしながらあった事を話す・・・。


「ご、ごめん!そんな経験してたなんて・・・。」


「いえ、知らなかったんですし、話したのは私ですし、その結果、悠馬に会えたから良いんです。」


「そっか、でもごめんね。」


そんな二人のやり取りを眺めながらYouMa板を見ていると驚く事が書いてあって俺は声を上げてしまう。


「な、なんでじゃぁぁぁぁぁ?!」


「どうしたの!!!悠ちゃん?!」、「兄さんどうしたんですか?!」


「いや・・・これ・・・。」


俺のその言葉に母さんと菜月は俺のスマホを覗き込み俺が見ていたYouMa板の内容を見て「これがどうしたの?」って顔をしながら俺を見て来る。


「何でNaMeLessが俺ってバレてるんだ・・・?」


俺のそんな疑問に母さんを筆頭に菜月も、愛央も、志保も、清華も、詩音さんも「何言ってるのこの人?」、「何でバレないと思ってたの?」って顔をしながらこっちを見て来る。

「誰も何も言って無いのに何でバレるの?」っと聞くと、何で皆してバレないと何故思うのかと言う顔をしてるのを見てガックリと俺は一人で落ち込むのだった。


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