特別話 伊集院清華 生誕祭10/30
「うーーーん・・・どうするかな・・・。」
もうすぐで清華の誕生日が来る、愛央の時は理由はどうあれ泣かせてしまったからな。
サプライズしすぎると駄目だってのは良く分かった。
「プレゼントは・・・清華にはブローチかなー?イヤリングかなー?ネックレスでも良いとは思うけど・・・。」
同じ様に誕生月の石をメインに俺の石と清華の石をあしらう感じのを見付けるかオーダーするかだな。
パーティーはするけどステイルでやらせてもらうか・・・?もしくは変わらず家でかな〜。
「取り敢えず買い物からだな。んー・・・。」
俺はスマホを取り出してとある番号を呼び出して電話をかける。
数回のコールの後に目的の人物が出てくれて俺は早速の提案をした。
「こんにちわですっ。今日って何か予定あります?無ければデートしませんか?」
俺のそんな言葉に電話の向こうでは「えええええぇぇぇぇ?!?!」っと叫び声が響くのを聞きながら俺は笑いを我慢するのだった。
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「お?きたきた!早苗さんー!」
俺を探してキョロキョロとしてるのを見つけた俺は声を掛けながら手をあげてフリフリ。
「遅くなってごめんなさいっ!悠馬さん。」
「いえいえ。いきなり呼び出したのは俺だし気にしないでくださいっ。取り合えずそこの店にでも入って話しましょうかっ。」
「はい!喜んでっ!」
俺と早苗さんは近くの喫茶店に入り席に着いた。
「それで、今日はどうしたんですか?」
「んっ。ほら、もう直ぐ清華の誕生日でしょ?だからプレゼントの相談って言うかさ。」
「あー・・・確かにそうですねー。今までだと私とか他の友人達とかと一緒に簡単なパーティーしたりとかプレゼント渡したりとかって感じだったんですけど今年は悠馬さんが居ますし愛央ちゃんの時に盛大にしたんですよね?」
「うんうん、流れは同じにするつもりなんだけどプレゼントに迷っててさ。一つは決まってるんだけどねー。」
「成る程~、私もまだ買ってないですし一緒に探しましょうか?って既に一つは決まってるんですか?」
「決まってると言っても愛央にネックレスを渡したから清華にも何かアクセサリーをって思ってて同じネックレスにするべきか他のものにするべきかって程度だね。」
「なるほどなるほど・・・それじゃー、その辺も込みで見て行きますか?」
「だね。モールの方見に行こうか。」
「では!そこからっ!」
俺と早苗さんはあーでもないこーでも無いっと色々話し合いながらモールの中をあっち行ったりこっち行ったりしながら一緒に清華のプレゼントを探して歩き回る。
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「ふぃ・・・歩いた歩いた!」
「歩きましたねー、でも決まったから良かったですね。」
「そうだねー。注文も終わったし後で受け取るだけかな。」
「後はパーティー会場とかですか?」
「そこなんだけどさ、愛央の時に隠して準備してーってやったら泣かせてしまったんだよね。」
「その言い方だと喜んでって感じでは無さそうですね・・・。」
「せっかくの誕生日なのに皆してーって感じのから祝って貰えての信じられなかった事に関しての罪悪感とかで、それで泣かせてしまってね。だからちゃんと知らせはするつもり。」
「なるほど。んーサプライズならサプライズで良いとは思いますけどねー、それならですけど・・・ってのはどうです?」
「おっ?それは良いな。んじゃさ、もう一つとして、こんなのはどうかな?・・・って訳。」
「良いですね!それで行きましょう!清華の驚く顔が楽しみです。」
俺と早苗さんは当日の事を考えながら話し合いを進めてお互いに悪い顔をしながら色々と決めていく。
ある程度の流れが決まって、俺、愛央、志保、早苗、菜月のグループを作って更に打ち合わせをして色々と決めて、バレないように準備を進めている内にあっと言う間に当日を迎えるのだった。
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SIDE 清華
今日は私の誕生日の日!
タイミングが良いと言うべきか日曜日に重なってくれた。
朝から起きてる私は着替えや準備をしながら数日前のことを思い出す。
「もしもし?どうしたの?早苗。」
「やっほやっほー。いきなり何だけど日曜日って暇?」
「今週の?今のところはまぁ・・・。」
「良かった。それなら買い物付き合ってよ。ちょっと見たいのと欲しいのあるのよねー。」
どうしようかなー、今のところは誘いは無いけど悠馬くんも私の誕生日は覚えてくれてるだろうし・・・覚えてくれてるよね?誘いが無いから少し不安になってきた・・・。
「それって一日中?」
「んーかかったとしても昼過ぎが良いところかなー?」
「それなら良いよ。午後が空くなら何が合っても対応出来るし。」
「おやおや〜?そう言えば悠馬さんと誕生日のお祝いもあるか〜!」
「うっ///多分?まだ特に誘いは無いけど・・・。」
「あれ?そうなんだ。まーでも悠馬さんが忘れてるなんて事は無いと思うけどねー?愛央ちゃんの時も盛大にやったんでしょ?」
「そうだけど、話したっけ?」
「う、うんっ!聞いたよ!凄かったって楽しかったって清華言ってたじゃん!」
そうだっけ・・・?言った記憶は無いんだけどなぁ~・・・。
「と、とにかく!付き合ってよっ!」
「まぁ、良いけど・・・。それで何時からにするの?」
「えっとね、10時には家まで行くから出れるようにしておいてねー。」
っと言う訳である、夕方からは悠馬くんとデートの約束もあるし今から準備をしっかりしないとね。
ピンポーンっとチャイムの音が響いて直ぐに下からお母さんの呼ぶ声が聞こえて私は直ぐに準備を終わらせて早苗と合流した後に、「行ってきます!」の声と共に家から飛び出した。
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SIDE 悠馬達
「おし!早苗さんは上手く清華を連れ出してくれたな。」
「みたいですね、姿も見えなくなりましたし伶佳さんも手招きしていますから急ぎましょう。」
「うんうん!一気にやっちゃおー!」
俺達は直ぐに伊集院家に入って伶佳さんへの挨拶もそこそこにケーキ等を渡してしまって貰った後に料理組、飾りつけ組と別れどんどん準備を進めて行くのだった。
「悠馬ーこれってここで良いの?」
「兄さんー?この飾りはどうしましょう?」
「えっと、愛央のはそこでいいー、菜月のはそっちの壁に頼む!」
「悠馬さん、こっちの手伝いお願いしますー。」
「はいよ!一気に作っちまうぞ。」
皆して俺に頼り過ぎ!良いけども!早苗さんが清華を抑えてる間に全部終わらせないとだしな。
「ふふっ。清華は本当に幸せ者ね。」
清華・・・喜んでくれるかな・・・?
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SIDE 清華
うん、楽しい!良く考えたら早苗とこうやって過ごすのって久しぶりな気がする。
悠馬くんと知り合って、一緒に居る様になってお付き合いするようになってから余り時間取れてなかったと思う。
「良かった。清華が楽しそうで。」
「え?・・・うん、楽しいよ。こうやって早苗と一緒に過ごすのってよく考えたら久しぶりだもんね。」
「そうだよー、悠馬さんと一緒に居る事ばかりになってたし学校も違うから昔みたいに時間取れなかったしね。」
「うん、ごめんね?」
「んーん、私も少し遠慮してた所もあるからお互い様かな?それに、あの日も助けてくれて本当に清華が親友で良かったって思ってる。」
うぅっ///私も思ってるけど改めて言われるとハズイ・・・///
「私も同じだよ、私も早苗が親友で良かったって思ってる。」
「うっ///言われると恥ずかしいね・・・。」
言わないでよ、私だって同じなんだから・・・。
「っと、そろそろ次に行こうか?」
「次って?どこかいくの?」
「まーまー!着いて来てねー!」
うん?何処に行くんだろ?って・・・タクシー?!
「ほらほら!乗った乗った!」
「ちょ?!早苗?!何処行くの?!」
「良いから!良いから!運転手さんお願いします!」
私と早苗を乗せたタクシーは静かに走り出して私達を目的地まで運んで行くのだった。
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「って・・・私の家?早苗の目的地ってここ?」
「うんうん!いこー!運転手さん!ありがとうございました!」
そう言ってタクシーを降りた早苗に続いて私も一緒に降りて自宅に向かう。
「さぁ・・・入るよ、皆が待ってる。」
「皆って?・・・早苗?!」
私の手を引いて早苗は自宅の扉を開く、靴を脱いで家の中に入ってリビングへの扉を開くのと同時にパパパーーーーンっ!っと何かが弾ける音が私の耳を叩くのと同時に・・・。
「「「「「「誕生日おめでとぉー!清華!」」」」」」
皆の声が私に届いたのだった。
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「おめでとうございます、清華さん。さぁ!こっちに来て座ってくださいっ!」
「う、うん・・・。すっごいご馳走・・・。」
「皆で準備しましたからね!愛央義姉さんの時みたいに!」
「先ずはパーティーからだな!早苗さんに頼んで引っ張りまわして貰ってる間に頑張ったんだぜ?」
「早苗の行動ってこう言う事だったんだ・・・。悠馬くんの案?」
清華の問いに俺は頷いて清華の前に料理とスパークリング(アルコール無し)を置く。
「それじゃ~・・・皆ーグラス持ってー!」
俺の声に皆がグラスを持ち上げる、俺はそれを見届けた後、音頭を取る。
「では!簡単ではありますが、改めて!清華!誕生日おめでとーー!乾杯!」
「「「「「おめでとうー!乾杯ーーー!」」」」」
「皆、ありがとうー!」
こうして、パーティーは始まったのだった。
「美味しい!志保ってばまた上手になったんじゃない?」
「ありがとうございます。ですが私だけの力では無く悠馬さんの協力があってこそですよ。」
「二人の合作はヤバいね!めっちゃ美味しい!」
「その辺のレストランとか目じゃ無いじゃんこれ・・・。」
「気に入ってくれたなら良かった。志保と頑張った甲斐があったよ。」
「それに、飾りも沢山・・・愛央も菜月ちゃんもありがとね?」
「いえいえ、清華さんの誕生日をお祝いしない訳無いから!」
「ですよー!大切な義姉さんの誕生日なんですから!」
「皆、本当にありがとうっ。」
そういった清華の目尻には少し涙が浮かんでいた。
その後、それぞれがプレゼントを渡して行くのを見ながら俺と早苗さんはリビングに置いてあるエレクトーンの前に揃って座る。
お互いに頷きながら一緒に演奏をはじめてそれに合わせて皆も歌っていく。
「「「Happy Birthday to you〜♪」」」
「「「Happy Birthday to you〜♪」」」
「「「Happy Birthday deer 清華〜♪」」」
「「「Happy Birthday to you〜♪」」」
歌が終わるのと同時に清華が蝋燭を吹き消す、直ぐに皆の拍手が鳴り響き優しい空間が作られた。
「でわ!お待ちかねのデザートですー!」
志保がゆっくりとケーキを切り分けてそれぞれの前に置く。
「凄いっ!いただきます!ん〜〜〜〜っ!!やっぱり志保と悠馬くんの合作は最高っ!」
「ふふっ。そう言って頂けると嬉しいです。」
「よし!皆食べよー!もう我慢は無理っ!いただきまーす!」
「愛央義姉さんってば・・・まぁ、気持ちは分かりますけどね。」
そうして、皆でケーキを食べて沢山話して、記念撮影して、パーティーは最後まで楽しく過ぎていくのだった。
……………………………………………………………
SIDE 清華
あの後、皆は私と悠馬くんだけを残して帰宅した、お母さんも飲み会だからーっと出掛けていったけど、お母さんも皆も変な気を使いすぎ・・・。
そりゃ〜、最後は抱かれて愛されたいし、私もお礼の意味も込めて沢山沢山、悠馬くんを愛したい。
そんな事を私は一人、部屋で学園祭の後に悠馬くんから渡されたデフォルメ悠馬&清華ぬいぐるみを眺めながら考えてる、この子は愛央は愛央、志保は志保って感じでそれぞれのデフォルメされたものが手を繋いだ形の景品ともまた違った作品になってる。
嬉しくて、ベッドの棚部分に飾って良く眺めたり抱き締めたりしてるとても大切な子だ。
「おまたせ、清華。」
「あ、大丈夫だけど・・・。」
「なら良かった。俺からも清華にプレゼントだ。」
「良いの?沢山貰ったつもりだったのに・・・。」
「パーティーはあくまでも俺も込みの皆からのだからな、これを個人的に渡したいやつ。開けてみてよ、気にいるか分からないけどね。」
そう言って苦笑いを浮かべながら悠馬くんは言うけど大好きな人からの貰い物が嬉しくない訳無いじゃない。
そんな事を考えながら私はリボンを解いて包装紙を丁寧に剥がしてゆっくりと箱を開けると、そこには・・・。
「こ、これ・・・ブローチ?しかも宝石まで付いてる?」
「うん、愛央にはネックレスをあげたから同じでも良かったんだけど、どうせなら違うのにして身につけられたらって思ってさ、石は10月の石のトルマリン、それと、俺の石のアメジストに清華の石のシトリンをあしらって貰った。離れてても常に一緒に居るって意味でね。使ってくれよ?」
「う、うんっ!絶対に使う!肌見放さずに使うし一生の宝物にする・・・からぁ・・・。」
駄目だ、もう我慢の限界だよ。
ずっと泣かないように我慢してたけど愛央の言ってた嬉しすぎて幸せすぎるって意味を実感したらもうっ!無理っ!
そんな私を悠馬くんは優しく抱きしめてくれる、私はその温もりに甘えるように抱き着きながら子供のように泣きじゃくるしか無かった。
ありがとう悠馬くん。私は幸せです。
……………………………………………………………
泣かせちまったな〜、まぁでも、悲しい涙では無いから良いだろ。
「んっ。・・・悠馬くん。」
「んっ。」
ちゅっ。っと清華とキスをして二人で見つめ合う。
どことなく、照れくさくなってお互いに顔を見合わせて、赤い顔のまま見つめ合う。
「気に入ってくれたか?」
「勿論だよ!こんな凄いのなんて想像もしてなかったし、嬉しくて幸せでもうっ。」
「良かった。初めてのプレゼントだから頑張っては見たけど気にいるかは別だからな。」
「うん!悠馬くん、大好きっ!」
「俺も大好きだ。喜んでくれて嬉しい。」
「う、うんっ///それでね?私からもお礼をしたいなーって思うんだけどね?///」
「うん?気にしなくて良いけど、清華からのお礼って何かな?」
「えっとっ///こっち来てっ///」
「お、おうっ。えっとまさか〜・・・っ///」
「うんっ///一杯お礼したいから・・・仲良くしよっ?///」
俺達は時間を惜しむように沢山沢山、愛し合うのだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
清華っ!誕生日おめでとぉぉぉ!!!
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