誕生日話

特別話 星川愛央 生誕祭 7/22

「菜月ー、そっちはどう?」


「こっちは大丈夫ですー順調ですよ!」


「清華の方は?」


「こっちも大丈夫!志保と悠馬くんは?」


「こちらも順調ですね、これなら間に合います。」


俺達は今、朝から自宅に集まってとある準備をしてる。

というのも、7/22は愛央の誕生日なのだ、だから朝から集まって菜月と清華は飾り付けを俺と志保は料理とケーキの準備をそれぞれ大忙しでやってる訳だ。


「それにしても、皆して二つ返事で手伝いのお願い聞いてくれたな〜。」


「何を当たり前のことを言ってるんですか?愛央さんは私にとっても大親友なんですからお祝いするのは当たり前じゃないですかっ。」


「そうだよ、愛央は大切な友達だし大切な後輩だし同じ人の恋人だものっ!」


「大切な義姉さんなんですし!当たり前です!」


「3人共ありがとう!よしっ!愛央が来る前に終わらせるぞー!」


「「「おーっ!!!」」」


…………………………………………………………

SIDE 愛央


「12時頃に家に来て下さいかぁ〜、菜月ちゃんってば何だろ?」


今日は私の誕生日なのに、悠馬ってば用事あるからって留守にしてるもんな〜お姉ちゃんもお母さんも明日は悠馬くんとデートでしょ?って気を遣ってパーティーは昨日の内にしてくれたけど実際はな〜・・・。


「はぁ・・・そりゃさー悠馬も色々忙しいのは分かるけどさ、今日くらいは一日中、私の為に使ってくれても良いじゃんー。」


ちょっとってかかなり楽しみにしてたんだけどな・・・恋人と過ごす誕生日・・・。


そんな事を考えながら私はすっかりとお馴染みになった逆月家のインターホンを押した。


ピンポーンっと聞き慣れた音が聞こえてマイクなら菜月ちゃんの声が聞こえてくる。


「はーい、愛央義姉さんいらっしゃいですー!そのまま入ってリビングに来て下さい、ちょっと手が離せないのでっ!」


「え?うん、分かった。それじゃお邪魔しますー。」


言いながら玄関を開けて家の中に入り言われた通りにリビングに向かう。


「ん〜?何だろ?いつもなら出迎えもあるし余程の事?」


考えながらもリビングの扉を開けて中に入った私を迎えたのは・・・・。


っという何かが弾ける音と私に降り注ぐ綺麗な紙と・・・。


「「「「誕生日おめでとーーーー!!!」」」」


っという、皆の声だった。


…………………………………………………………

「ぇ・・・?」


「ほらほら!何を呆けてるんだよっ。誕生日おめでとう!愛央!」


「だって・・・今日は、予定・・・あるって・・・。」


「おう!愛央の誕生日を祝うっていう大切な用事あるな!」


「そんなの・・・それに皆も特に何も・・・。」


「もうっ!私達が愛央ちゃんの誕生日を忘れる訳無いでしょっ?」


「そうですよ、愛央さんの誕生日を忘れた事何て無かったじゃないですかっ。」


「大切な義姉さんの大切な日を忘れるなんてありえません!」


「み、みんなぁ〜・・・っ////」


俺達の言葉を聞いて愛央の瞳からぽろぽろと涙が溢れ出す、驚かせたいと思って敢えて言わなかったけど寂しい思いをさせたかもしれないなっと、少し後悔。


俺は立ち尽くしてぽろぽろと涙を零す愛央に近づいてそっと抱きしめた。


「ごめんな、忘れてるとか愛央の誕生日よりも自分の用事を優先させたとか思ったよな?」


「ご、ごめんねっ、少し思っちゃった・・・折角の誕生日なのにって・・・っ!」


わぁぁぁあぁっと愛央が俺の胸の中で大声をあげて泣き始めて俺は「ごめんな、悲しい思いさせてごめんな。」っと言いながら落ち着くまで愛央の髪を撫で続けた・・・。


…………………………………………………………

「それじゃー改めて・・・。」


泣き止んだ愛央の手を引いてリビングの中央まで連れて行って座らせた後に俺と志保で先ずは作った料理を並べたところで改めてやり直す事に。


「今日は朝から集まって貰ってさ、菜月と清華が飾り付けを、俺と志保が料理をって頑張ったんだ。

愛央に秘密にして驚かせて目一杯、祝おうと思って。」


黙っててごめんって改めて謝って・・・。


「私達もごめんね、愛央の喜ぶ顔が見たくて・・・。」


「「ごめんなさい、愛央さん。「義姉さん。」」


「私の方こそ!皆を悠馬を信じなくてごめんなさい、それと、こんなに沢山の飾りと料理と本当にありがとうございますっ///」


「よし!それじゃーパーティーの開始だー!」


「「「「おー!」」」」


掛け声と共に皆がそれぞれおめでとうを言いながら愛央に料理を取り分けて食べ始めた。


「美味しいー!志保さんも悠馬も本当にありがとう!」


パクパクともぐもぐゴクゴクっと「美味しい!美味しい!」って言いながら夢中で愛央が食べてる。


「ゆっくりで良いからっ。ちゃんと味わって食べてな。」


「うんうんっ。ぐすっ・・・うんっ!・・・うぅぅ・・・。」


「全く・・・何を気にしてるんだか・・・。」


感情が爆発したような愛央を後ろから抱きしめて撫でながら大丈夫だからっとぎゅっとしっかりと抱きしめた。


「だって・・・私・・・っ!」


「ごめんな。大好きだぞっ。」


「うん・・・うんっ。私も・・・大好きっ。」


そう言って愛央は泣きながら笑ってと忙しく食べて行くのだった・・・。


「じゃぁぁぁぁんっ!」


「ささ!愛央さんどうぞっ!」


「す、すごっ!これ悠馬と志保さんで作ったの・・・?」


俺と志保の二人でサムズアップしながらアピールして直ぐに菜月と清華が歌い出す。


「「♪~♪~♪Happy Birthday to You♪~♪~♪」」


その後に続いて俺も志保も一緒に歌って行く・・・。


「「「「♪~♪~♪Happy Birthday dear 愛央~♪Happy Birthday to you♪~♪~♪」」」」


「み、皆・・・ありがとうぅぅっ!うぅぅ・・・ぐすっ・・・えぐっ・・・。」


「ほらほらっ!泣くほど喜んでくれるのは嬉しいけど先ずは愛央が食べてみてな。」


「うんっ!・・・・美味しいぃっ!本当に美味しいっ!」


「悠馬、志保さん、清華さん、菜月ちゃん・・・本当にありがとうっ!最高の誕生日だよっ!」


そう言って愛央は目尻に涙を貯めながら太陽の様な明るい笑顔を俺達に返してくれたのだった。


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その後、志保と、菜月、清華とそれぞれが愛央にプレゼントを渡して改めておめでとうと伝えて・・・。

また、ひと騒ぎして解散になった。


「それじゃーお邪魔しました!後は二人で楽しんでね~?」


ニヤニヤと清華が玄関で言ってくるし・・・。


「あんまりはしゃぎ過ぎては駄目ですよ?」


意味深な感じで志保は言うし・・・。


「私も少し出掛けてきますー!兄さん頑張ってくださいねっ!」


菜月は菜月で変な気の使い方するし・・・。


「全く・・・揃いも揃って・・・。」


「あ、アハハ・・・。でも、二人で過ごしたかったのもあるからっ///」


「まーなっ///それじゃー部屋に行こうか、俺も愛央に渡したい物あるからさ。」


「う、うんっ!」


俺と愛央は手を繋いでそのまま自室に愛央を連れ込んだ。


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SIDE 愛央


「持ってくるから座って待ってて。」


そう言って、悠馬は部屋の奥の方に向かうのを私は見送る。

悠馬が渡したい物って何だろ?プレゼントなのは分かるけど、でも正直こうやってお祝いしてくれただけで最高の誕生日だしこれ以上は贅沢だと思うんだよね、勿論、悠馬からのプレゼントなら嬉しいんだけど・・・。


「ごめん、お待たせ。これが俺からのプレゼント、受け取って貰える?」


「も、勿論っ!でも、あんなに盛大にお祝いして貰ったのにこれ以上は何か悪いなって・・・。」


「良いから、貰ってくれ。じゃないと無駄になるし何よりも愛央にしっかりとした形で渡したいんだ。」


そんな事を真面目な顔で言われて私は思わず赤面してしまう。


「う、うんっ///それじゃ・・・。」


悠馬から渡された小箱位の大きさのラッピングされたプレゼントを私は受け取ってゆっくりとリボンを解いて、包装紙を破いたりしない様に剥がしていく・・・。


「こ、これ・・・。」


ゆっくりと開けた箱の中にはハート形のペンダントにルビーの様な赤い石と乳白色のムーンストーン?みたいな小さい石とアメジスト?みたいな紫色の石が付いたペンダントだった。


「あ、あれ・・・?」


私の目から自然とぽたぽたとまた涙が溢れだす。


「ご、ごめん。もう今日はずっと笑っていようって思ってるのに・・・こんな、こんな素敵な・・・無理だよぉ、笑えないよ・・・。」


悠馬からの気持ちが籠ったペンダントが余りにも素敵で嬉しくて私は・・・。


「うう・・うあぁぁっ・・・嬉しい・・・うぅぅぅぅ・・・嬉しいよぉぉぉ・・・うあああぁぁぁ。」


我慢なんて出来なくてペンダントの入った箱を持ったまま私は大声を上げて泣いてしまった私を悠馬は力いっぱい抱きしめてくれて・・・。


「大好きっ!!!大好きだよぉ!!!悠馬ぁ・・・大好きぃぃぃ、うぁぁぁぁんっ!!」


悠馬にしがみ付きながら私は思いっきり泣き続けた・・・今日は本当に泣いてばかりだけど、こんなに幸せな時間何て経験出来ると思ってなかったから我慢なんて出来る訳無いし、良いよね・・・・?


そんな事を思いながら悠馬の部屋に私の泣き声が響き続けた。


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なでなで・・・ぽんぽん・・・と大泣きしてる愛央を俺は抱きしめながら宥め続ける。

今日は本当に泣かせてばかりだな・・・あの日、愛央に告白した日も沢山、泣かせたけど、どちらも嬉しい涙だし許して貰えるかな?


「愛央、俺から付けても良いか?」


俺の言葉に愛央は少し離れてしっかりと頷いてくれたのを見届けて、箱からペンダントを取り出して俺は愛央の首にかける。


「はい、これでちゃんとだな。うん、思った通り良く似合ってるよ。」


「ありがとう・・・ぐすっ・・・嬉しすぎて、幸せ過ぎて・・・うぅ・・。」


「俺も嬉しいよ、そんなに喜んでくれて。その石なんだけどな?赤い方は7月の誕生石のルビー、乳白色の方はミルキークオーツって言う石で、紫はアメジスト。」


「3つも付いてる何て高かったんじゃ・・・?」


「そこは気にしなくて良いの、恋人に初めて送る誕生日プレゼントだからちょっと頑張った。それでえっとな?7月の誕生石のルビーは俺と愛央の誕生月が7月だからだし、愛央の誕生日の石がミルキークオーツで俺の誕生日の石がアメジストなのね、だから3つ付けて貰ったんだ。」


「そんなぁ、こんな凄いのっ///絶対!絶対!一生大事にする!悠馬と私が一緒に居るペンダントだもん!ずっと!ずっと!」


「うんっ。使ってくれな?仕舞い込むの無しだぞ~?」


俺のその言葉に愛央は俺の胸の中に飛び込んで来て満面の笑みで・・・。


「ありがとう!悠馬!大好きっ!」


って言いながら思いっきり抱きついて来た愛央を受け止めてそのままキスをして、俺と愛央は沢山、愛し合うのだった。


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間に合って良かった!!愛央の誕生日の話でした!甘々にしてみました!どうですかね?!





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