第166話 清蘭祭 後夜祭
10、9、8、7、6、5、4、3、2、1・・・ゼローーーー!!!
生徒や教員が揃ってのカウントダウンの後に、ゴォォォォっと大きな音を立てて火が上がるのを少し離れた場所からぼーっと眺めてた。
後夜祭、騒がしくも楽しくて大盛り上がりの学園祭は沢山の来賓と信じられない位の売り上げを叩き出して終わりを迎え、遂に最後のイベントである後夜祭がキャンプファイヤーが轟々と炎を立ち上がらせる事で始まった。
「疲れたなぁ~・・・。もうくったくただわ。」
俺のゲリラライブの後にほんとに色々と問い詰められたりあっちこっちで感動しました!最高でした!って声をかけて貰ったりしながら、終わりの時間まで自分のクラスでお客さんとして愛央達と時間を潰していた。
愛央達にも勿論だけど怒られました・・・勢いだけで何とか乗り切ったけど終わった後に緊張が一気に襲ってきたんだからね!!!っと・・・。
まぁでも、最終的には良い思い出になったと言ってくれたから結果的には良し!
健司達も思いっきり楽しんでくれたみたいだし、大興奮したまま帰っていったから良かったかなっ。
柚美ちゃん達は興奮しすぎて今夜寝れるか分からないって言ってたのには涙出るくらい笑ったなっ。
「ここに居たんだ。」
「おう!パンツ見えてるぞー。」
声に振り向くと少し高い位置から愛央が俺に向かって声をかけてきたけど見上げる形になったから愛央パンがしっかりと見えてた。
「悠馬のえっちっ、知ってるけどっ!」
「良く知ってるよな〜、俺も愛央が実はえっちなの知ってるしっ。」
「うっさいしっ。よっとっ!」
直ぐに下りてきて俺の隣に愛央は座って俺に飲み物を渡して一緒に炎を眺めてた。
「ねぇ、悠馬。」
「んー?どうした。」
「何でここまでヤラかしたの?正直な所さ、ブロマイドすらしなくて良かったじゃない?別に俺には関係ないって無視しちゃえば良かったじゃん?生徒会もだけど、学校も悠馬に甘え過ぎだと最近は感じるんだよね、私。」
「まーね。でもそれだと無責任ってのとはまた違うけど何か適当っていうかさ。迷惑かけるだけの奴になっちゃうじゃん?」
「そうかな〜?悠馬が入学した事で確かに今までよりは大変な事は増えてるかもだけどそれ以上に普通には出来ない経験もしてるし、トントンじゃない?」
「まぁそれはあるかもだけどさ、少しでも還元出来るならってのは事実だしA組に迷惑かけたく無かったしな。俺のせいで思い出が減るのは流石に・・・な?」
「だとしてもここまでしなくても良くない?」
「こう言う言い方は好きじゃ無いけど俺がA組に居る事で何であそこばかりって思ってる奴らは絶対居ると思うんだよね、だから少しでもってのもあってな。」
俺はそこまで話して愛央に貰った飲み物を飲みきって、燃え盛る炎を静かに眺める。
「いこっ!悠馬っ!」
「へ?!な、何?!」
俺の手を掴んで立たせた後にずんずんと引っ張って行く愛央。
「はいっ!踊ろうねー!!」
音楽に合わせて俺と愛央は踊る、そんな俺達を眺めてる周りの生徒達も同じ様に踊り始める。
「ねぇ!悠馬っ!これからはちゃんと話して、悠馬の気持ちは分かったから私も巻き込んで?それで一緒に葵さんに怒られよう?・・・ねっ?」
「何だよそれっ。でもサンキュっ。」
「いえいえっ。約束だからね?」
「分かったよっ。愛央、俺を好きになってくれてありがとうなっ。」
「悠馬も私を好きになってくれてありがとうっ!」
お互いにそんな事を言い合ってクスクスと笑いながら踊りの続きを踊る俺達。
「あーーーー!愛央ー!ずるいっ!」
「そうですよ!ズルいです!」
「ちぇっ。もう見付かっちゃったっ。それじゃ、交代かなっ。」
俺はそのまま、志保、清華と踊って、悠花とも薫とも踊って地味に疲れる事になったのだった。
……………………………………………………………
「それじゃー、皆お疲れ様ー!おやすみー!」
「おやすみー!色々ありがとねー!」、「悠馬君、お疲れ様ー!」、「ゆっくり休んでねー!」っとクラスメイトに沢山の声をかけて貰って俺は迎えに来た母さんの車に乗り込む。
勿論、それには愛央も志保も清華も一緒である。
「葵さん、ありがとうございます。」
「気にしないでちゃんと送ってあげるからねー3人共、悠ちゃんの子守りで疲れたでしょうしねっ。」
「子守りは酷く無いか?母さん。」
「似たようなものでしょ?菜月ちゃんに聞いたわよ、ライブしたんでしょ?」
「うっ・・・。いや、それは・・・まぁ・・・。」
「しかも、途中から3人もステージに上げて・・・。」
「ふぐぅっ・・・。あれは、その場のノリと言うかなんというか・・・。」
「あ、葵さん!驚きはしましたけど私は楽しかったですから!」
「そうです!楽しかったのは間違いないですから!」
「ですです!悠馬くんがしてくれないとあんな事絶対出来なかったので!」
「皆、楽しかった?」
「えっ?そりゃ、勿論。」
俺の返答に愛央達もうんうんっと頷いてる。
「なら、特別に許しましょうっ、ねっ?」
ほっ、驚かせてくる・・・、母さんもいい性格してるよな〜。
……………………………………………………………
「葵さん、ありがとうございました、悠馬くんも愛央も志保もおやすみっ。」
「おやすみ、清華っ。」
「「おやすみなさい!清華さんっ。」」
「次は志保ちゃんね。」
「すいません、お願いしますっ。」
順番に恋人達をおろして行って俺と母さんだけになった。
「それにしても悠ちゃん、随分やらかしたわね?」
「分かってるからお説教は勘弁して、確かにやりすぎた部分はあるのは否定しないけど何も考えて無い訳じゃ無かったからさ。」
「そうなの?」
「そりゃね?どんな綺麗事を並べても学校に迷惑かけてるのも皆に迷惑をかけてるのも変わらないから、少しでも還元したかったんだ。」
「還元ねぇ〜・・・。」
「うん、と言っても何も無い時に何かするのもね?だから今回は良い機会だったんだ。」
「それは・・・まぁ・・・ね。」
「やりすぎたのは事実だけど楽しんで貰って皆に還元出来るのってこんな時くらいじゃないかなって思ってさ。」
そんな事を話している内に家に着いた、車から降りて玄関を開ける。
「おかえりなさいっ!兄さんっ!お疲れさまです!」
「うん、ただいま。流石に疲れたー!」
「ささっ!お家に入りましょ!帰った後の事とか色々聞かせてねっ!」
「うんっ!勿論!」
夜遅くまで何が楽しかった、あれが凄かった、ライブの後はこんなだったと、菜月と一緒になって話し続けたのだった。
それもあって次の日から数日は声がガラガラになったけど・・・。
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これにて秋の時間は終わりになります!
楽しんで貰えていたら嬉しいです、ほんと色々難しかったです(;´Д`)
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