第165話 清蘭祭2日目 勿論!巻き込んで共犯に!!!
「次はこの曲!開けない空を見上げて!」
♪~♪~♪星も見えない、夜空見上げ~♪
軽音の演奏に合わせてダンス担当は踊り出す、俺は歌いながらステージから降りて俺の最愛の恋人の一人、天音 志保の元へ行く。
「えっ?!悠馬さん?!」
志保の手を引いて歌いながら俺はステージまで歩きながら他の二人にも手招きをして近くに来るように指示を出す。
「ゆ、ゆゆ、悠馬さん!?も、もしかして?!」
スタッフが志保にマイクを渡して志保はそのまま受け取って俺をじーっと見てる。
「ほらっ、一緒に!」
「は、はいっ!」
♪~♪~♪「「君が見上げた開けて行く空に」」♪~♪~♪
♪~♪~♪「「ここはまだゴールじゃないから♪あの日の夢と君を追い越す」」♪~♪~♪
「へへっ、お見事っ!」
「もうっ!いきなりすぎますって!」
「ごめんってっ!でも楽しかったろ?」
「そ、それは・・・はいっ///」
「今の曲はこの子の為に作った曲なんだ!だから一緒に歌ってみた!」
「どんどん!いくぞー!」
♪~♪~♪いつからか~この胸で揺れてる光~♪~♪~♪
お次は清華!当然の如くステージまで引っ張って壇上に上げちまう!
「まって?まって!?ゆ、悠馬くん?!」
「「手放したくない~遠回りしても~♪」」
俺と清華の歌声がステージからしっかりと響き渡るように清華は混乱しながらも歌うのだった。
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SIDE 愛央
むぅ!志保さんに続いて清華さんまでー!
私は?!ねぇ!私はー?!別に目立ちたいとか思ってる訳じゃ無いけど!二人を連れ出して壇上に上げて歌ってって羨ましいんだけど!悠馬とデュエットとかさーー!!
「大丈夫ですよ、愛央義姉さん。兄さんが愛央義姉さんを蔑ろにする訳ないじゃないですか。」
「うっ、それは分かってるけどぉ〜・・・。ずるいじゃんっ。」
「まぁ、分からなくも無いですけど・・・。」
「星川先輩のは最後の締めにピッタリだと思うからまだ歌わないと思うけど、どうするんでしょう?悠馬さんの事だから、二人だけを上げて終わり何て事は無いでしょうし。」
そんな事を菜月ちゃんと、稲穂くんと話していたら壇上の悠馬が私を見てくれているのに気付いた。
「次は、この子と一緒に歌いたいと思う。ほらっ!拗ねた顔してないで行くよ!!」
「べ、別に拗ねてなんかっ!もうーいきなり過ぎるのいつもっ!」
そんな、文句を言いながらも私は笑顔になるのを抑えられなくてっ。
「はいはいっ、兎に角これな!」
悠馬から歌詞カードを渡されて何を歌うのかを直ぐに理解した。
「これは、あの一緒に考えて練習したやつじゃ?」
「そそ、だから念の為にカードな。そんじゃ、いっくよーー!」
♪~♪~♪「「さぁ!行こう!走り出せ!今直ぐにー!!」」♪~♪~♪
俺と愛央の歌声が響く、ノリノリの曲に会場の人も外から聞いてる人も、健司達も皆が一体になって盛り上がる。
ふと、校舎の方を見ると窓からも見ている沢山の人、それに向かって大きくを手を振れば、同じく手を振って返してくれる。
そして、俺の隣に愛央が居てその隣に清華が居て、志保も反対側に居て俺達はいつの間にか、4人揃って最後まで、歌っていた。
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「次でラストになります、長い時間付き合ってくれて本当にありがとう。最後はやっぱり・・・あれだよね?」
俺が観客に向けてマイクを向けるのと同時に「リフレインっっ!!!」っと皆が言ってくれた。
「だよねー!リフレインをやるならやっぱり俺だけの力じゃ足りないんだ!だーかーらー!運営さんよろしくー!」
「はーい!!ささっ!こちらにー!」
「えっ?!いや!?ちょっ?!私、部外者だよ?!」
背中を押されて無理矢理ステージに上げられピアノの前まで押される早苗さん、同時にステージ上の清華も連れられて、設置してあるピアノの前まで連れて行かれる。
「それじゃ!二人共!よろしくね?」
「「りょ、了解!!」」
♪~♪~♪窓から差し込む、柔らかな光、見送った~♪~♪
ラストを飾る演奏と歌が響き渡った。
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SIDE 柚美 千里 涼
本当に楽しくて盛り上がった時間でした、悠馬先輩達に誘われて、菜月ちゃんと遊んでそのまま会場まで来て・・・戻ってこないなって思ってたらステージに現れて。
「もう、無茶苦茶っ!だけど凄い楽しくて大盛りあがりで本当に最高の時間だったねー!」
「ええ!生ライブを見れただけでも凄いのに菜月さんとも仲良くなれて2日連続で来て良かったわ。」
二人の感想を聞いて私と同じなんだって事が知れて何か嬉しい。
「早苗さんと清華義姉さんの連弾も素敵ですし、兄さんを筆頭に愛央義姉さん、志保義姉さんの歌声も素敵です。」
「うん、これもまた新しいリフレインって感じがするね。最初のリフレインが星川先輩への贈り物で、悠馬さんだけで歌うなら変わらないんだろうけど、今のリフレインは悠馬さんが今日までに紡いだ絆の結果?って言えば良いかな?だから新しいリフレインって感じがする。」
稲穂君の言葉に確かにと私も思う、悠馬先輩のリフレイン、歌ってみた、演奏してみたの人のリフレイン、他にも沢山のリフレインがある、でもやっぱり私は・・・悠馬先輩のリフレインが好きだな〜。
「繰り返しって意味だけど、日々の何気無い時間って掛け替えのないものなんだなって、分かるよね。この歌聞いてるとさ。」
「そうね、とても大切なものって思うわ。」
「それが分かっているなら大丈夫ですよ、兄さんが伝えたいのもそこでしょうしね。大切な人達との何気無い日常とその繰り返し、誰よりも愛しい人との時間、それがどれだけ大切でどれだけ尊いものなのか、それが分かっているなら十分だと思います。」
菜月ちゃんの言葉を真摯に受け止めたのは私だけじゃ無く千里も涼も稲穂くんも私達の周りで聞いてきた人達も同じなのが何となくだけど分かったのでした。
だからこそ、私は、私達は最後まで静かに聞き続けたのでした。
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♪~♪~♪次は夢の外でちゃんと伝えるから~♪~♪~♪
曲が終わる、静かに音が消えていく・・・一拍置いて・・・湧き上がるのは当然・・・。
「「「わぁぁぁぁぁぁ!!」」」って言う大きな歓声だっ。
「ありがとー!最後まで静かに聞いてくれて本当にありがとうー!」
俺を筆頭にステージ上の人は手を振りながら笑顔で挨拶。
先に愛央達を降ろして締めようとしたが・・・まぁ〜お決まりの流れよな?
「「「アンコールっ!アンコールーー!!!」」」
困ったな〜・・・応えたいところだけど、まぁ〜やるかっ。
軽音とダンス同好会の面子を見回すと全員が頷いてくれたのを確認して、俺は本当のラスト一曲を歌いだした。
♪~♪~♪ずっと目指していた♪~♪~♪
♪~♪~♪願いと想いが届く場所♪~♪~♪
♪~♪~♪沢山の出会いと別れ♪~♪~♪
♪~♪~♪紡いだ絆♪抱いた願い♪~♪~♪
♪~♪~♪夢と願いをこの背に背負って♪~♪~♪
♪~♪~♪約束の場所に辿り着けー♪~♪~♪
♪~♪~♪なぁ?覚えてる?初めて会った日の事を♪~♪~♪
♪~♪~♪君の姿に目を奪われて僕の心は色めきだった♪~♪~♪
♪~♪~♪何も無かった僕の世界に君が色彩をくれたんだ♪~♪~♪
♪~♪~♪沢山笑って沢山泣いたよね?♪~♪~♪
♪~♪~♪それも今では素敵な思い出♪~♪~♪
♪~♪~♪掛け替えの無い絆♪~♪~♪
♪~♪~♪約束するよ 何が合ってもどれだけ離れても必ず君の隣に帰ってくると♪~♪~♪
♪~♪~♪ボロボロで格好悪くても迎えてくれるかな?♪~♪~♪
♪~♪~♪君のおかえりなさいが聞きたくて♪~♪~♪
♪~♪~♪僕も君にただいまと言いたいんだ♪~♪~♪
♪~♪~♪ずっと目指していた場所♪~♪~♪
♪~♪~♪必ず行くよ♪俺のお姫様♪~♪~♪
♪~♪~♪僕を王子様だって言ってくれたから♪~♪~♪
♪~♪~♪君の旋律と僕の旋律を頼りにして♪~♪~♪
♪~♪~♪目指していた場所に例え何も無くても♪~♪~♪
♪~♪~♪愛を中央に志を保ち続けて清い華を咲かせ色彩を♪~♪~♪
♪~♪~♪君達が俺の世界に色彩をくれたように僕も何もない世界に色彩を与えるよ♪~♪~♪
♪~♪~♪それはー♪僕からの未来への約束だから♪beyond the future♪~♪~♪
最後まで歌いきった俺は静かに一礼するのと同時に正に爆発するかの様な大歓声といつ迄も鳴りやまない拍手が会場を包んでゲリラライブは大成功で幕を閉じるのだった。
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