第164話 清蘭祭2日目 俺がこのまま何もしない訳無いよなぁ?!
「健司は皆と無事に合流したみたいだな。んじゃ俺はっと・・・。」
俺はそのままライブの参加者の所に向かう。
「ごめん、少し遅れた。」
「大丈夫!着替えどうする?」
「ササっと着替えちまうわ。」
「ちょ、ちょっちょ、ここで脱がないでー!」
「あっ!ごめんっ!ちっと着替えて来る!」
衣装を受け取った俺は皆から見えない場所に移動して来ていた執事服を脱いでライブ用の衣装に着替える。
下はデニム、上はタンクトップの上からジャケットを着て帽子もセット、まぁ直ぐにバレるだろうけど、それはそれだ。
「うっし・・・最後のヤラカシ・・・行きますか!」
♪~♪~♪何時もの風景~♪変わらない日常〜♪~♪~♪
お?始まったか、提供したやつもしっかりと演奏出来てるみたい。
♪~♪~♪大人になるほど難しくなっていく~♪~♪~♪
「お待たせ・・・、始まったねっ。完璧な演奏とダンスじゃん!」
「めっちゃ練習したからね、悠馬くんの期待を裏切る訳には行かないし、こんなチャンス逃すわけにはいかない!」
大げさだとは思うけどそこまで言ってくれるのは嬉しいなやっぱ。
「そんじゃ・・・俺の最後のヤラカシに付き合ってくれるか?!」
「「「勿論っ!思いっきりヤラかそうっ!!!!」」」
掛け声を共にステージに俺も残りのメンバーも飛び出していく!
丁度、一曲目が終わって二曲目に入るタイミングで!
♪~♪~♪霧の中から霞んで見える~♪~♪~♪
♪~♪~♪あの空目指して~♪~♪~♪
「ちょ?!まじで!!!!YouMa様!!!!」、「生ライブきたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」、「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」、当然のごとく直ぐに気付かれるけど、お構いなしに歌って踊っていくっ!
♪~♪~♪この星でただ一つだけ~♪~♪~♪
♪~♪~♪沢山の絆紡いで♪~♪~♪繋いで♪~♪~♪
♪~♪~♪駆けて行くからー♪~♪~♪
「皆ー!清蘭祭に来てくれてありがとーーーー!!!今の生活で紡いで繋いだ絆、それを繋いだまま俺はこのまま駆け抜ける!それを歌にした!どうだったー?!少しは楽しんで貰えたかなー?!」
「「「最高でしたーーー!」」」
「俺も、この二日間!最高に楽しかった!!だから、少しでも皆の思い出に残る様に思いっきり歌って踊って見ようと思う!楽しんで行ってくれよー!」
ぽかーーーーーんっとしてる悠馬組を見ながらそんな事を言う俺の直ぐ後に会場の皆は当然の如く、「いえーーーーーいっ!」っとめっちゃ盛り上がってくれるのだった!
♪~♪~♪不安定な景色〜♪毎日の繰り返し~♪~♪
♪~♪~♪ひらひら舞い散る花のような記憶を頼りに♪~♪~♪
♪~♪~♪今もこれからも消させやしない♪~♪~♪
この世界に来て生前の記憶もこの身体の記憶も散る花の様に舞ったとしても消せないし消えない、そんな思いを歌に込めながら歌う。
♪~♪~♪いつの日か♪~♪~♪この夢が届く事を信じて~♪~♪~♪
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SIDE 志保
な、何て事を・・・・稲穂さんだけ戻って来て悠馬さんが戻らない事に嫌な予感がして居ましたけどまさかライブに参加するなんて・・・。
「あ、あはは・・・あはははは!悠馬さんらしいっ!マジで最高っす!」
稲穂さんは完全にノッてますね・・・、まぁでもこれは・・・。
「ふふっ。ノらないと損ですよね!!!」
「し、志保ちゃん?!」
「志保さん?!」
「ほら!愛央さんも清華さんも何をぼーっとしてるんですか!悠馬さんが凄いサービスしてるんですから私達も盛り上げないとですよ!!!」
♪~♪~♪走り出すー♪~♪~♪その理由がー♪~♪~♪
♪~♪~♪たとえどんなに下らなくてもー♪~♪~♪
そうだ、どんなに下らない事だとしても私達はまだ子供なんだから、その場のノリと勢いで楽しむことも大事ですよね!
「悠馬さんー!素敵ですー!!」
私が大声を出して居る事に愛央さんと清華さんも他の悠馬組の皆さんも驚いてますね、でも!そんなのは関係無いです!今日はお祭りなんです!お祭りは最後まで楽しまないと失礼ですもんね!
私の姿に感化されたのかは分かりませんが、皆さんも飛び上がったりしながら壇上で歌って踊っている悠馬さんに合わせる様に楽しみはじめました。
思う所が無い訳では無いですけどこういう時は馬鹿になるのがきっと正解ですよね!
「最高に楽しいですね!天音先輩!」
「ですね!今日は皆さんで馬鹿になりましょうーーー!」
「賛成です!」
私の言葉に稲穂さんも同意して大いに盛り上がるのでした。
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SIDE 早苗
♪~♪~♪ずっと誰かを思うー♪~♪~♪
「あ、この曲・・・、あの時の・・・。」
「あの時の曲だね、早苗が答えを出せた時の曲。」
うん、私が本当の答えを導き出して私のリフレインを弾くことが出来るようになった曲。
回りも静かなこの曲に合わせる様に身体を揺らすだけの動きにして聞き入ってる。
「あ、あれ・・・?」
気付いたらぽろぽろと涙が零れてしまってた。
「「早苗先輩・・・。」」
「早苗・・・これは仕方ないねっ。回りでも聞きながら泣いてる子も居るけど私達には、特に早苗には刺さるもんね。」
「う、うんっ。リフレイン以上に大切な曲だもん。」
♪~♪~♪どんな世界だって渡って行く~♪~♪~♪
本当に凄い、本当に最高のヤラカシだっ!悠馬さん、貴方に会えた事は本当に宝物です。
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「次も新曲行くよー!聞いてくれなー!キラキラ輝く信念っ!」
♪~♪~♪願い~♪~あの空の彼方~♪~♪~♪
♪~♪~♪すーっとぼやけていく日々の連鎖~♪~♪~♪
♪~♪~♪今日を生きたい~♪~♪~♪
♪~♪~♪超えていけ未来を~♪~♪~♪
♪~♪~♪この光を届けるよ~♪永遠に~♪~♪~♪
「届きましたぁぁぁぁ!!!」、「青春だぁぁぁぁ!」
皆も気に入ってくれてるみたいで嬉しいねー!
「どんどんいくよーーーー!」
♪~♪~♪さぁ!旅に出るよ~♪~♪~♪
♪~♪~♪胸の奥の希望を頼りに不安を押し殺して♪~♪~♪
♪~♪~♪どんなに高い山でも仲間と共に越えていく♪~♪~♪
♪~♪~♪どこまでも仲間と一緒に行こうよー♪~♪~♪
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
どんどん盛り上がって行くのが凄く分かる、ずっと歌い続けて踊り続けてめっちゃ疲れてるけどそんな事は関係ない位楽しい!
それに、それだけじゃない。このライブの音が外にも聞こえて居るからか、学校の周辺の人達も外に出て来て学校に来てるのか、明らかに学生じゃない人も沢山、増えて来てる。
こうなったら徹底的に巻き込んで楽しまないと駄目だよね!
そんな事を考えながら俺も皆もどんどん盛り上がって行くのだったっ!
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