第163話 清蘭祭2日目 清華達とはじまるライブ
「あ、そうだ!早苗と貴女達。」
「何ですか?清華先輩。」
「どうしたの?清華。」
不思議そうな顔をしている早苗と後輩の子達に悠馬くんから預かっていた小袋を渡すと何だろ?って顔をしながらも中身を確認して表情が固まった。
「悠馬くんからだよ、いらなかったら捨ててくださいだってさ。」
「「「捨てる訳無い!!!です!!!」」」
だよねぇ~・・・このグッズ何て校内でも持ってる人が限られてるしと言うか校内とごく一部にしか無い。
「これって柚美ちゃんとかが持ってたやつ?」
「そうそう、昨日ね、稲穂君がデフォルメ悠馬くんのぬいぐるみをゲットしたんだけど1つだけだからどうしよう?ってなってね。」
「喧嘩にならないように悠馬先輩が渡したとかですか?」
「うんっ。正解っ!」
「ねぇ、清華。これさー物凄く貴重なんじゃ?」
「だーねー、早苗達で3個、恋人達で3個、菜月ちゃんと葵さんで2個、柚美ちゃん達で3個、悠馬くんに協力した生徒会分の5個、昨日のラストのゲームので20個だから、36個の内の3個だからねー。」
「1/36のがここに・・・。」
3人共ぼーぜんとしながら手の中のキーホルダーを眺めてるのが何か面白いっ。
「あ、あの!でも、本当に良いんですか?私達まで貰っちゃって!」
「あの日悠馬くんが言ってたでしょ?もう、3人共、俺達の仲間だって!忘れたの?」
ブンブンっと首を激しく振りながら否定して「大切にしますっ。」って後輩ちゃん達は言ってくれた。
「勿体無いけど使わないとね、悠馬さんの好意を無駄にしたくないし。」
そうそう!それでいいの!仕舞い込みたい気持ちは分かるけどね〜。
「そう言えばさっき言ってたデフォルメ悠馬くんのヌイグルミって何?」
「あぁ、それはね・・・。」
私の説明に早苗も後輩ちゃん達もやる気になって私は自分の教室に向かうことになったのだった。
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「ふへへぇ〜。」
「ふへへってあんたね・・・。」
「いやぁ〜だって可愛いんだもんっ。」
「むぅ〜、良いな〜早苗先輩。」
「後で貸してあげるからっ!取れたのだって二人がずらしてくれたからだしねっ!」
「「絶対ですよ!」」
やれやれ、仲がよろしいことで・・・。
えっと、何処らへんに居るかな?時間を潰した私達は揃って特設ステージに来たけど悠馬くん達はまだかな?
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SIDE 薫&悠花
すっごい人・・・昨日よりも多いよねぇ~・・・。
これも悠馬効果って事なんだろうけどさ。
「ねねー!あっちにYouMa様が居たよ!凄い人に囲まれてたけどっ!」、「見た見た!大学生っぽい人から小学生っぽい人まで色々居たね!」、「交友関係広いんだねぇ~。」
「そんなに囲まれてたら悠馬くんも落ち着かないでしょうに・・・。」
「まぁ、でも仕方ないんじゃない?変に声をかけて来るとかしなければ、うざいなっとは思うかもだけど、怒りはしないんじゃない?」
うん、悠馬くんならそうだとは思うけど、なんだかなーって気はする。
まぁ~、愛央ちゃん達が何かあれば黙って無いだろうし大丈夫か・・・。
「あのぉ~・・・すいません。少し良いですか?」
「あ、はい!何でしょう?」
「そのですね・・・身に着けてるキーホルダーって何処で手に入るんですか・・・?それって多分YouMa様のですよね?」
あー・・・これの事か、確かにチラチラと視線は感じてたけどこれを見てたのかぁ~・・・。
私がどう答えるかと悩んで居たら悠花が先に応えてくれた。
「これは昨日の学園祭の終了後に悠馬君が校内限定で宝探しをしたんです。それの景品だから悠馬君が売ったりしない限りは手に入らないかな・・・っと。」
「むぅぅ・・・残念・・・。あのぬいぐるみと同じく何処で手に入る可能性あるのかなって思ったんですけど。」
「あのぬいぐるみもこれも可愛いですもんねー。悠馬くんが言うには自分が入学した事で迷惑かけてるから少しでも還元出来たらって事みたいですよ。」
「なるほど・・・それは何て言うかYouMa様らしいと言いますかっ。」
うんうん、私達も聞き耳を立てていた人達も同じように頷いてるのが何かおかしいけど、自分の好きな人がこんなにも沢山の人に認められているってのは凄く嬉しい。
「そうだ!悠馬くんが直接関係する訳じゃ無いけど後少しで外の特設ステージで軽音とダンス同好会で合同のライブあるから良かったら見て行ってくださいね!悠馬くんも行くって言ってましたから。」
「ですです!一緒に盛り上がりましょう!」
そんな会話をしながら何故か話しかけて来た人と周りで聞いていた人達で一緒に特設会場に向かうのだった。
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「清華さんー!こっち!こっち!」
「ごめん!遅くなったね。」
「大丈夫ですよ、私達もさっき来た所ですから。」
「って、あれ?悠馬くんは?」
「あぁ、えっと稲穂くんと一緒に始まる前にトイレ行ってくるって言って行ったよ。」
なるほど、まぁー私達で場所取りしておけば問題無いか。
「愛央ちゃん-、志保ちゃーん、清華先輩ー。」
お?悠花ちゃん達も来たみたいね。
「一緒しても良いですか?それと・・・初めまして!悠馬クラスの月城 悠花って言います!」
「私は鳴無 薫です!よろしくお願いしますっ。」
悠馬くんのクラスの子でもあり、悠馬くんに告白した二人でもあるけど早苗とは会った事無かったっけか。
「あ、うんっ!私は工藤 早苗、清華の友達よ。それとこの子達は私の後輩の子ね。」
「「よろしくお願いしますっ。」」
これで後は稲穂くんと悠馬くんが戻れば揃うかな?二人だけで大丈夫かな?
「す、すいません!お待たせしましたっ!」
「お、おかえりー!って悠馬は?」
「あ、えっと・・・直ぐそこまでってか、皆さんが見える範囲までは一緒に来てたんですけど、少し寄り道するって言った後に、内容聞く前に離れて行ってしまって・・・。」
ぇぇぇぇ・・・。
「んん?んぅ~?・・・なんだろ、嫌な予感しかしない・・・。」
うん、ほんとにね・・・、今度は何をやらかすつもりなの?あんなに葵さんに怒られたのに・・・。
「懲りる悠馬さんでは無いと思ってますが、確かミニスカメイドで葵さんに怒られたんですよね?」
「うん、正座させられてめっちゃ怒られてた・・・。」
「流石にこれ以上何かをするとは思えないんだけどなぁ~・・・昨日からやらかしまくってるしさ。」
「「「でも、悠馬「くん。」「さん。」だから・・・。」」」
私達の声が思いっきり重なって謎の信頼感をアピールする事になった。
♪~♪~♪~♪~♪~♪
「ありゃ、始まっちゃいましたね。良い感じの曲だなぁ~!」
♪~♪~♪何時もの風景~♪変わらない日常〜♪~♪~♪
取り合えず今は楽しもうかな!戻ってくるだろうしね!
「始まったし今は楽しみましょう!」
「だね!良い感じの曲だし楽しそう!」
♪~♪~♪大人になるほど難しくなっていく~♪~♪~♪
曲の始まりと歌と踊りにすっかりと盛り上がってる会場の空気に私達も一緒に盛り上がる。
その結果が・・・あんな事になるなんて・・・、悠馬くんが戻ってくるなんて思いこんだ私達が悪かった・・・。
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