第162話 清蘭祭2日目 集う者たち(大げさ)
「それでこれからどうする?大体は見て回ったと思うけど。」
「私は一度、戻るわ、今日は遅くなるんでしょ?終わったら迎えに来るから。」
「うん、お願いね。キャンプファイヤー終わるまで居るつもりだからさ。」
「分かった、最後まで楽しみなさいね。羽目を外し過ぎない様にっ!」
「わ、分かってるよっ。流石に懲りた・・・多分。」
「はぁぁぁ、愛央ちゃん、志保ちゃん、清華ちゃん、悠ちゃんの事お願いね?」
「「「はいっ。分かりました!」」」
苦笑いと共に恋人達はそんなはっきりと返事しなくても・・・。
「あ、でも私は、この後は早苗が来るから案内とかもあるし離脱するね。」
「あ、そうなんだ?それじゃ挨拶だけでもしないとね。」
「では、私達は悠馬さんの見張りですね。」
「見張りって・・・。」
「ふっ、ふふっ。そうね、お願いねっ!」
そう言って母さんは笑いながら、一足先に帰っていった。
それから雑談を交えながら時間を潰していた俺達のところに早苗さんと後輩の子達が合流する。
「お久しぶりです、悠馬さん。愛央ちゃん達もっ、それとそっちの子達は初めましてかな?」
「「お久しぶりです!先輩方!」」
「早苗さんも、後輩ちゃん達も久しぶり。」
それぞれが挨拶を交わしていると、流石に人が多いのと、俺の交友関係だからか、見物してる人達も周りにどんどん増えてる。
「悠馬くんの交友関係が良くわからなくなってきた。」、「あっちの子は違う学校の子達みたいだし。」、「あ、ねぇ!また近寄って来てる人が居るよ!」、「大人?と小学生?」、「何処で知り合ったの?」、「「「不思議すぎる!!!」」」、うん、実は俺もだよ!本人が一番、不思議に思ってるのよ?実は。
「あれ?夏凛さんと陽依里ちゃん?」
「こんにちわ、折角なので見に来ました。」
「悠馬さんこんにちわです!凄い人ですねー!」
「悠馬、この人達ってもしかして?」
「うん、そう。以前のパーティーのご近所さん。」
「やはりですか、業界人や社長さんとかの集まりの・・・。」
志保の言葉に柚美ちゃん達も早苗さん達もぎょっとした顔をした。
「凄いのはお母さんであって私達はまだまだ子供なので・・・。」
「まぁ、取り合えず・・・雪村グループの跡継ぎの姉妹の雪村夏凜さんと陽依里ちゃんだ、夏凜さんが大学生で陽依里ちゃんが小学生の姉妹になる。」
雪村グループ・・・マジかぁ・・・っと皆が呟いてるのを聞いて居たら愛央が少し噛みついた。
「雪村ですか、悠馬を騙してホームパーティーって名目で参加させて、お偉いさん達へのアピールにした人達。」
愛央には珍しくトゲしか無い言葉でそんな事を言う、その意味を理解した健司も、柚美ちゃん達も、早苗さん達も「フザケルナ。」って顔と空気感を遠慮なく出した。
「「うっ・・・。その節は・・・。」」
ビリビリとした空気が辺りを包む、俺達を見てた人達まで思いっきり睨みつけてる。
「そこまでにしろ、二人に責は無い、玖美子さんが子供を思う余り暴走したのと、他の参加者のスケジュールの都合だ。それに、玖美子さんの事は既にシメたしな。」
「シメたって何をしたんですか?悠馬さん。」
「ん-?単純に殺意ぶつけたら腰抜かしたってだけだよ?志保の時のでやり方を覚えたからね。」
「・・・・・・・・・。」っと一気にシーンっとした・・・。
「そ、そっか・・・、えっと・・?夏凜さん?陽依里ちゃん?その・・・ごめんね・・・?」
「「いえいえ・・・。」」
「なんだよ・・・?」
「「「「「「「「「「いえ、何でもありません。」」」」」」」」」
解せぬ・・・。
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「取り合えず夏凜さんと陽依里ちゃんは私と見て回りますか?」
「あ、俺も一緒してもいい?」
「あ、私達も良いかな?菜月ちゃんとももっと話したいし。」
「「私達もお願いします。」」
ふむふむ、んじゃ俺はどうしようかな・・・警備か?
「俺は見回りかな・・・さっきみたいな事が他でも起こってるかもだし俺の責任でもあるし見つけたらシバか無いと。」
「私と志保さんも一緒に行くからね?てか、問題起こる前提で動かないでよ。」
「なはは・・・まぁそこはね?何も起こらないならそれに越した事は無いけど有り得るしってか見ちゃったしな?」
「ですね、では私達は見回りしましょうか。」
「あぁ、勿論、学祭デート込みだからな?清華には悪いけど・・・。」
「あはは、大丈夫っ。悠馬くんの事お願いね?愛央、志保。」
「「はーいっ。」」
これで動きは決まったかな?後は集合場所と時間だけど・・・まぁ・・・あそこか。
「えっと、後2時間位で外の特設ステージで軽音とダンス同好会のライブあるからその会場で待ち合わせにしよっか?」
はーいっ!っと全員が頷いて俺達はそれぞれで動き始めた。
つか、見られすぎていい加減落ち着かねぇ~・・・。
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そんな訳で俺達は巡回を開始する。
「取り敢えず適当に見て回ろうか?」
「「はーい!」」
愛央と志保はそれぞれ左右に連れて昨日も今日も行ってない場所を回っていく。
勿論、ラブイチャしながらではあるけど!
「なんか問題は起こってませんか?実は・・・。」
「こっちは大丈夫だよー!心配してくれてありがとね!」
「なら良かった、何かあれば俺の名前使ってください、直ぐに飛んできてシメるんで!」
「了解!ほんとにありがとね!」
いえいえー!っとそんな話をしながら色々と歩きまくる、こうやって見ると中は問題は起こってなさそうなのは良かった。
「やっぱり警備員が効いてるんでしょうか?」
「多分ね。仕事してくれてるみたいで何よりだ。」
「喉乾いてきたし何か飲まない?丁度あるし!」
「そうしよっか!」
俺達3人は見回りついでにブラブラしながらライブまでの時間を過ごすのだった。
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SIDE 菜月
「ほぇ〜、それじゃー車に轢かれそうになった所を助けて貰ったんだ?」
「はいっ!轢かれる!って思ったところで颯爽と現れてお姫様抱っこで助けてくれたんです!」
「悠馬先輩からのお姫様抱っこ・・・。」
「羨ましい〜!」
「されたいわね、それでその後に家まで送ってもらったっと。」
「ですです!初めての街で迷子だったので助かりました。」
陽依里ちゃんが柚美さん達に兄さんとの出会いを話してるの聞きながら、それにしてもと思う。
兄さんが倒れて目を覚まして人が変わった様になって、早くも半年以上、ここまで交友関係が広がるとは思ってなかった。
今までの兄さんと変わらない所もあれば別人?って位に変わった部分もある。
それでも、大好きな兄さんであることには変わらないけどっ。
それと、彼も・・・。
「どしたの?菜月さん。」
「いえ、僅か一年にも満たない間に随分と交友関係が広がったなーっと思いまして。」
「あぁ!確かに、俺も悠馬さんに出会わなければ未だにクソ野郎だったろうし本当に折ってくれて感謝してるし目標に出来る人が出来て嬉しいよ。」
「酷かったですしねー。」
「うっ・・・あの時はごめん。今更だけど酷い言い方した。」
「いえ、あれで何も変わらないのであれば軽蔑してますけど、変わってますし兄さんも気を許してますしもう気にしてないです。」
「うん、ありがとう。ほんと、凄い人だよ。」
「自慢の兄さんですからね!稲穂さん改めてですが、兄さんと友達になってくれてありがとうございます、これからもよろしくお願いしますねっ。」
「こちらこそだよ!悠馬さんは目標で友達で尊敬してる先輩だから!」
そう、今のところ兄さんの唯一人の男友達、稲穂健司君。
兄さんにとっても彼の存在は大きいと思うし私から見ても一緒に居る時の兄さんは気を抜いてると感じられる。
そんな相手が義姉さん達以外に居るのは大きいと思うし、何より同性なのが一番の理由。
本当に大切な一人だと思う!だからこそ・・・。
「ありがとうございます!」
私も心からこう言えるのだ、その後、私達は沢山の場所を遊び歩いて兄さんの言っていたライブの時間の少し前に特設ステージに集合したのだった。
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ここからだぞ!!(
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