第161話 清蘭祭2日目 大暴れする逆月
「「いえーーーいっ!!」」
パチーンっと俺と菜月の手が合わさり音が体育館に響く。
あの後、交代時間まで頑張って、昨日と同じく愛央達とも合流、そのまま健司達も母さんと菜月も一緒になって回ることになりバスケ部の出し物の一環で部員と2:2で勝負ってのを俺と菜月で挑戦してる。
「二人共すごぉ・・・。悠馬先輩は何となく出来そうだな〜っとは思ってましたけど菜月ちゃんまで上手なんですね。」
「家でも良く二人で1:1やってるし、菜月ちゃんはレギュラーだからねー、悠ちゃんと組めば相手が高校生でもあんなものよ。」
ダンッダンッダンッとボールをドリブルしながら、シュートの体勢になり、飛び上がる。
「止めるっ!!」、「これ以上やらせない!」
シュッとボールを後ろに回して菜月にパス、俺を抜いてそのまま、レイアップ、パサッと綺麗にゴールを通って更に得点を決める。
「兄さん、ナイスパスっ!です!」
「菜月も!流石!」
いえーいっ!っとお互いに健闘し合いながら自分達の防御も鉄壁で終わらせて得点は許さない。
「この兄弟おかしいっ!!」
「悠馬くんが上手なのは知ってるけど妹さんもとかー!」
「もぅーーー負けよ!負け!」
っと、プライドずたずたにしてしまう結果に終わった。
「はいこれ!景品の謎味ジュース、負けたけど楽しかったっ!」
「「ありがとうございます!」」
「いやー気になってたんだけど自分で買うのは嫌だったからラッキーでした。」
「確かに、分かるけどっ、味は悪くないよ?謎ってだけでっ!ところで、妹さんは来年は清蘭に入るの?入るなら是非とも!バスケ部に!」
「受験に合格すればですけど、その予定です。部活に関しては候補にしておきますね!」
「うん!お願いね!」
そう言って俺達は離れて皆の所に戻る。
「悠馬も菜月ちゃんもお疲れ様!」
「二人共お疲れさまでした!凄かったです!」
「ほんとに!この学校のレギュラー陣も相手にならないとか、凄すぎ!」
「えへへっ///兄さんと組んで負けるわけには行きませんからね!」
「だな!菜月と組んで負けるとか有りえないわ!」
ポンポンっと菜月の頭を撫でてやると真っ赤になって、ふにゃふにゃになる妹が可愛い!
……………………………………………………………
「ふっ!」
「チャンス!いけぇー!」
「ッ!」っと気合い一線、パァンッと綺麗な音と凄まじいスピードで飛んでいくボール・・・。
勝負を決めるドライブボレーからの渾身の一撃は相手のコートにしっかりと刺さりゲームセットになる。
「ゲームセット!マッチ、ウォンバイ!逆月!」
「おっしゃー!母さんすげぇー!!」
「ママかっこいいー!!」
「葵さんも凄すぎ・・・。」
コートの真ん中で相手との挨拶を済ませた母さんが笑顔で俺達に手を振ってる。
俺達も母さんの健闘を称えるように大盛りあがりで手を振ったり、飛び上がったりしてる。
バスケが終わった後にまた色々と見て歩いてテニス部がやってる模擬試合に母さんが参加して大いに盛り上がらせてる、高校生相手に引かずに勝ってみせた。
「ママ凄いーー!!」
「ふふっ、昔の血が騒いでやってみたけど、まだまだ行けるわねー!どうだった?悠ちゃん、ちゃんと見てくれた?」
「しっかりと!マジで凄かった!今度教えてよ。」
「勿論!皆でやりましょうね!」
胸張って得意気にしてる母さんに和みながら、少し休憩しようって事で外の屋台系の場所に向かう。
「あ、先輩たちは休んでてください、私達で買ってきます。」
「ですです、良いものを見せて貰ったお礼です!」
「それならお願いしようかしら?はい、これ。ここから好きに買ってきてね。」
母さんが全員分を買っても余るように一万円を柚美ちゃん達に渡すのを見て健司も立ち上がる。
「俺も一応、一緒に行きます。3人だけじゃ大変でしょうし。」
「あぁ、頼んだ。」
「ごめんねー、お願い。」
「ところで悠馬。それ美味しいの?」
「んーーーーーー、謎味?」
「なにそれ・・・。」
そんな感想を呟きながら健司達を見送った。
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SIDE 健司
「ねぇねぇー君ら中学生っしょー?暇だよね?暇っしょ?暇以外無いよねー。」
「そーそー!一緒に回ろうよー!こっちも3人で丁度良いしさー!」
なんだあいつら・・・立花さん達をナンパしてるのか?
少し距離あいたらこれかよ、悠馬さんの学校で問題起こすんじゃねーよ。
「いえ、私達は結構です。」
「待たせてる人も居るので。」
「またまたー!そんな見栄はらなくても!俺等が沢山相手してあげるからさー!」
「いえ、本当に結構です。貴方達に興味持てないので。」
「は?うるせぇんだよ、黙って着いてきて股開けば良いんだよ!」
「お前ら!そこまでにしろ!この学校で問題起こすんじゃねーよ!」
「あん?あー、お前あれか、確かYouMaの下僕。チッ、めんどくせーなー、先にお前からヤルか、穴はあるしなー。」
何いってんだこいつら?ヤレれば誰でも良いのかよ。
「それいいな!!メスだけだと飽きるしな!」
駄目すぎるってか、こんなタイプは予想外だ。
そんな事を考えて居たらミシッと空気が重くなった。
「「「ひぃっ!?」」」
げっ!!何となく後ろを向いたら悠馬さんが物凄い目でこっちってか、あいつらを睨みつけてる。
「お前らさ、早いとこ学園から出ていきなよ、最悪死ぬよ?悠馬さんの雰囲気見れば分かるだろ?」
コクコクと激しく頷きながら、逃げる様に俺達の前から逃げ出したのを見届けるのと同時に空気も軽くなった。
「ビビったぁ・・・空気がミシッと言ったのか分かるとかどんだけ・・・。」
「ア、アハハ、怖かったね・・・でも、見ててくれたっての嬉しいかも。」
まぁ、そこは間違いないけども、悠馬さんは凄いし今日は逆月家の暴れる日だ。
「と、取り敢えず早く買ってもどろ?先輩達を待たせるのもあれだしね?」
「そ、そうだね、そうしよっ。」
立花さん達の声に同意して俺も直ぐに近づきながら買い物をすませて、沢山持ちながら悠馬さん達の所に戻るのだった。
それにしても、怖かったわ・・・ステイルの時なんてほんとに遊びみたいなものだったんだなぁ〜・・・。
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