第160話 清蘭祭2日目 ち、違うんだ!母さん!!
「か、母さん?えっとどしたの?めっちゃ怖い顔してるけど・・・?ほらほら、いつもの綺麗な母さんの素敵な笑顔になろ?!」
「フフフっ・・・悠ちゃん?少し甘やかし過ぎたみたいね?」
「か、母さん・・・ステイっ!ほら!お祭り!学園祭!楽しんで貰う為に・・ね?」
「悠ちゃん・・・お座りっ!」
「はいっ!」
ひぃぃぃ、母さんこえぇぇぇぇ!!ガチ説教つれぇぇぇぇ!!
大体にして悠ちゃんは!!くどくど・・・。
皆を楽しませようとしてるのは分かるけどもっとやり方が!!!ガミガミ・・・。
大体そんな格好して襲われたら!もっと危機感を!!等など・・・。
教室で正座させられて怒られまくってます、はい・・・。
「悠ちゃん・・・さっさと着替えてきなさい!!!!」
「はい!!!」
もう全力でダッシュよダッシュ!!急いで教室から飛び出して俺は着替えに行くのだった。
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SIDE 葵
全く・・・悠ちゃんはっ!少し目を離すとこれだからっ!
「貴女達、悠ちゃんが迷惑かけたわね。」
「「「い、いえ・・・私達は楽しんで居たのでっ・・・。」」」
「はぁ・・・あのね?怒って良いんだからね?って言うか怒りなさいっ!」
「いや、でも・・・それは・・・。」
「流石に出来ないというか・・・。」
「もう、気持ちは分かるけどそんな事で嫌う悠ちゃんじゃ無いのは知ってるでしょ?だから、やり過ぎてたらしっかりと怒って良いからね!」
「は、はい・・・。頑張ります・・・。」
「ママ、いい加減座って注文しなよー、兄さんの無茶は今に始まった事じゃ無いんですし。」
菜月ちゃんも言う様に・・・まぁ、言いたい事は分かるけど。
「取り合えず、コーヒーお願いできる?」
「は、はい!直ぐにお持ちします!」
「あのですね?葵さん。」
「さっきの着替えて来いって事にですけど・・・。」
「服の指定して無いから・・・やらかすのでは?悠馬先輩ですし・・・。」
「あー・・・ありえますね、兄さんだし。」
柚美ちゃんを筆頭にそんな事を言ってくるけど・・・確かに悠ちゃんならやる、絶対にやる、このままで終わるなんて絶対に無いっ!
「しまった・・・確かにあり得る・・・、流石に女装は無いと思うけど・・・。」
怒るので頭の中、一杯になってた・・・、頼むわよ、悠ちゃん・・・。
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くっそぉ~・・・母さんの出現は流石に予想外だわ・・・。
いやまぁ・・・調子乗り過ぎたのは事実だけど・・・。
「あれ?悠馬くん、戻ってくるの早くない?どしたの?流石に怒られた?」
「せいかい・・・まさかの母さんの出現でめっちゃ怒られた・・・。」
「あはははっ。流石の悠馬くんもお母さんには勝てないかぁ~。」
「くぅ・・・マジ説教きつかった・・・。」
「南無南無。じゃー次のに着替える感じ?」
「だねー、化粧落としたりするの手伝ってください。」
女装じゃ無きゃ文句は無いだろう?!それなら次はアレでやらかしてやるんだからねっ!
「次は・・・それ・・・?ヤバそう・・・。」
「ふっ、これなら怒られる理由は無い!って事でやらかすよ!」
待ってろよー母さんも菜月も柚美ちゃん達も!!驚かせてやる!
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ふっふっふ・・・、めっちゃガヤガヤしてるわ!これなら問題なかろうて!
「ちょ?!ちょ?!やっばぁ・・・///」、「くっはぁ///オールバッグやばいっ///」、「さっきのミニスカメイドも凄かったけど、これはもっとっ///」、「片目モノクルがやばいっ///」等など・・・。
うん、これも大騒ぎだわっ!でもこれなら問題無いだろうし怒られる理由も無い!
「ただいま戻りました、おまたせいたしまして申し訳ございません、お嬢様方。」
シーーーーーン・・・胸元に手を当てて一礼、俺の姿と行動で室内が一気に静まりかえる。
「如何なさいました?わたくしの姿はおかしい所でもございますでしょうか?」
「悠ちゃん・・・?」
「これなら問題無いでしょ?母さん。お店のコンセプト的にもね。」
「まぁ・・・良いでしょう・・・。一応の合格点って事にします。」
ふぅ・・・母さんこえぇぇ・・・。
「じゃ、じゃー仕事戻るね、ゆっくりしていって。」
俺は逃げるようにその場を離れる、決して母さんの空気が怖かったわけでは無い!無いったら無い!!
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SIDE 健司
ぉぉぉぅ、あの悠馬さんが逃げた、まぁでも分かる気はする。
と言うか、母親がこうやってしっかりと叱るから真っ直ぐに育ったのかな?
前の家とは違うから多分合ってると思うけど・・・でも、こわぁぁ。
「ふふっ、くっくくっ。」
「どうしたの?立花さん。」
「ごめんなさいっ、何て言うか悠馬先輩も勝てない人が居るんだな〜って思ったらおかしくなっちゃってっ。」
「あー分かるっ。いつも無双してるイメージだもんねー。」
「確かにそうね、お母さんには勝てない悠馬先輩も可愛いですけど、意外と言えば意外かも?」
立花さん、門倉さん、小河原さんの3人がそんな感想を漏らすけど確かに、意外かも。
「昔からって私が言うのも変だけど、兄さんはママには勝てないですよ?駄目なことは駄目としっかりと怒りますし。」
「変な所、見せてごめんなさいね。言う時にちゃんと言わないとだし。」
「いえいえ、悠馬先輩の知らない一面見れて良かったです、しどろもどろになってるの可愛かったですし。」
そんな立花さんの言葉に他の二人も頷きながら笑っていた。
「あのさー、話盛り上がるのは良いし、俺が悪いのは分かってるけどあんまり情けない所、話さないでよ、幻滅されちゃうじゃん。特に健司には頼りになる先輩で居たいんだからさー。」
「大丈夫ですよ、これくらいの方が親しみやすいと思いますし幻滅なんてしませんって。」
「私達は可愛いところを見れて満足です!」
「「うんうんっ!」」
「良かったですね、兄さんっ。」
「良かったじゃない、理解ある後輩で。」
「むぅ、なんか言い包められた感が凄いんだが・・・。」
ぷっ、あはははっと俺達の笑い声が響き渡って悠馬さんのクラスでの時間は過ぎていくのだった。
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