第159話 清蘭祭2日目 始まりは同じく

ぴんぽんぱんぽーんっ


「テステス、マイクテス・・・。良さそうですね。」


そして二日目、朝の待機時間の終わり、二日目の開始を告げる放送が俺達の耳を叩く。


「皆様、おはようございます。清蘭祭2日目になりました。昨晩はよく眠れましたか?疲れは残っていませんか?何て・・・仮に疲れが残って居たとしても関係ないですね!私達のお祭り最終日です!本日は、外に設置された特設ステージでの軽音部とダンス同好会によるライブ等もあります!」


今日は昨日よりも沢山のイベントが詰まってるのだ、昨日よりも忙しくなるのは間違いないしお客さんも多くなるだろう、日曜日だしな。


「最後はキャンプファイヤーをして終わりになりますが、それまで怪我等もなく終われるかは皆さんにかかっています。」


昨日よりも来場者が多いと見越しての昨日と同じ注意、言わなくても皆は分かってるけど敢えて言う事で意識をしっかりとさせるってところか。


「それでは!カウントダウン!行きますよー!10っ!」


9、8、7・・・っと昨日と同じくカウントダウンが進んでいく・・・そしてっ!


「ゼロっ!清蘭祭2日目スタートですっっっ!!思いっきり楽しみましょうーーーーー!!!」


二日目の始まりだっ!!!


……………………………………………………………

「来てくれてありがとー!何処から来たの?」


「と、隣の県からですっ。」


「まじかっ!わざわざ足伸ばしてくれたんだっ!ほんとにありがとねっ!」


今は昨日と違って校門前のスタンプラリーの受け付けの対応をしていた、やっぱり本人が居る、居ないの差は大きいらしく無理矢理やらせてるんじゃないのか?!とかの文句は出てきてない。


「A組は和洋折衷カフェだし、隣のB組は雑誌にも載ったステイル出張店だし、2年の射的の出し物のクラスは俺が作って提供したデフォルメ悠馬くんのヌイグルミの景品もあるから良かったら寄ってみてねっ。」


「は、はいっ!ありがとうございます!いってきますっ!」


一緒に来た友達とキャッキャッ言いながら離れていく子達を眺めながら次の受け付けの子の相手を熟していく。


「あ、あのっ!このブロマイドって何でこんな事してるんですか?」


「えっとね、話題になってる説明会のパンフレットの対策なんだ、こうやってアイテム増やせば手に入れた子達へのヘイトも減らせるかなって思ってね。これでも少ないのは分かってるけど、それでも無いよりはあった方が良いのは間違いないでしょ?」


「それはそうですけど・・・。」


「心配してくれてありがとねっ。俺のファンの子達は悪い事するとは思ってないけどそれならそれで少しでも還元って訳じゃ無いけど出来たらな〜って事だよ。本当は無料で出来れば良いんだけど、俺が入学したことで、警備員とかも雇ったりしてる分、少しでも回収しないとだからさ、ごめんね?」


「いえいえ!それは当然のことだと思うので!それならしっかり協力させていただきます!」


「うんっ。ありがとっ。」


こんなやり取りを繰り返して朝のラッシュをさばききった。


「一旦、落ち着いたかな?」


「そうだねー、来場者間違いなく昨日よりも多いけどスムーズにさばけたよー、ありがとね、悠馬くんっ。」


「いえいえっ!それじゃー俺は戻ってクラスの手伝いしてきますね!」


「はーい!ほんとにありがとー!」


受け付けから離れた俺はいそいそと歩いて次なる目的地に向けて歩き始めた。


……………………………………………………………

SIDE 薫&悠花


「3番テーブルのお願いー!」


「りょうかいー!今、持っていくね!」


昨日よりも忙しい!今日は朝から悠馬くんはスタンプラリーの受け付けのヘルプに回ってるからクラスには居ないけど悠馬くんと話した人達が来店してくれていて息付く暇もない!


「ふぇー早く戻ってきて〜!手が足りないよー!」


「泣き言、言わないの!薫!」


「分かってるけどー!昨日よりも忙しいんだもん!言いたくもなるよ!」


「ふふっ。薫は仕方ないなぁ〜、まだまだこれから何だから今からバテたらもたないよ?」


「あ、悠馬くん!おかえりぃぃぃぃぃぃ?!?!」


「ちょっ!ちょっぉ?!何て格好してるの?!」


「あれ?似合わないかな?昨日はクラシカルだったら今日はこれにしてみたんだけど?」


そんな事を言いながらスカートの裾を摘んで軽く持ち上げながらの優雅なご挨拶・・・で、でもね?ミニスカメイドだから見えちゃいそうなんだけど?!////中に何はいてるの?!?!


……………………………………………………………

フッフッフッ悠子ちゃんは同じでも格好は別よ?

!、!、!、!!、!!


「ちょっ?!どうなってるのこれ?!このおっぱいは何?!」


「凄いよねこれ?ほら質感も本物っぽいんだよ?」


そう言って薫と悠花の手を取っておっぱいを揉ませてみる。


「うわぁ・・・すっごっ///」


「マジで本物っぽいっ///変な気分になってくるっ///」


「ぁんっ///先っぽはだめぇ///」


ふざけて色っぽい声を出してみる。


「「・・・っ////////」」


「「「かっはぁぁぁっ///」」」


いやいや・・・顔真っ赤にするなってのっ!


「と、ところで・・・ぱ、パンツのほうはどうなってらっしゃるのでしょうか?///」


「もぅ~///仕方ないなぁ~///気になるなら・・・見るぅ?///」


ススーっとスカートをたくし上げると、「「「ごくりっ。」」」っとあっちこっちから唾を飲み込む音が聞こえてくる。


「フフッ・・・「いい加減にしなさいっ!!!!」・・・いってぇぇぇぇぇ!!??」


スパーーーンッと綺麗な音を鳴らしながら後頭部を思いっきり叩かれて後ろを見るとスリッパを片手にと、苦笑いしてる菜月と柚美ちゃん達3人と健司が居た。


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SIDE 葵


「大盛況ねぇ~。」


菜月ちゃんを連れて悠ちゃんの学園祭を見に来たけどすっごい人の数、この殆んどが悠ちゃんを見たくて来てるのよね?きっと・・・。


「ママ!あそこに居るのって稲穂君じゃない?」


「そうみたいね、声かけましょう。」


「うんうんっ。おーい!稲穂君ー!」


声をかけながら菜月ちゃんが健司君に駆け寄っていくのを後ろからゆっくりと近づいていく。


「あ、菜月さん!お久しぶり!」


「うんうん!久しぶりー!来てたんだねっ!」


「二日連続だよー!昨日も来て楽しかったから今日も来たんだ。」


「お久しぶり、健司君。二日連続なの?」


「葵さん!お久しぶりです!昨日も来てるんですけどすっごい楽しかったので今日も来ちゃいました。」


「一人で来たの?」


「流石に送られてきましたけどちょっと待ち合わせしてまして。」


「あらあら?彼女出来たの?」


「稲穂君ほんと?!できたの?!」


「ち、違いますよっ!悠馬さんの関係で知り合った子達と仲良くなったからその子達を待ってるだけですってばっ!」


「なーんだっ。彼女出来たのかって期待したのにーっ。」


「そんな!俺に彼女なんて出来ませんって!」


「そんな事無いと思うわよ?あの時と比べてどんどん格好良くなってるもの。」


「えっと・・・その節は・・・「おはよ!稲穂くん!」・・・っと来ましたね、おはよー!」


声のした方に顔を向けると菜月ちゃんと同じ位の歳の女の子達が立っていてその見た目は三人とも、とても可愛らしい子達だった。


「待たせたよね?ごめんねっ!えっと、この人達は?」


「「うわぁ・・・凄い美人っ、それに・・・ん?・・・あれ?」」


私を見て健司君に声を掛けた子以外の二人が私を見て首を傾げてる。


「あ、そのキーホルダーを持ってるってことは立花さん達かな?兄さんが話してた人達じゃない?」


「あぁ!この子達がそうなのね、初めまして悠馬の母の葵です、こっちは妹の菜月です。」


「はじめましてー!」


「「「悠馬先輩のお母様と妹さん?!?!」」」


「「「初めまして!よろしくお願いします!」」」


それぞれが自己紹介をしてくれて、菜月ちゃんとも仲良くなってと、いい流れになった所で、凄い話が柚美ちゃんから聞こえてきた。


「それにしても、本当にそっくりですね〜悠馬先輩の女装した姿と!稲穂くんの言ってた意味分かったよー。」


ちょっと待って、悠ちゃんの女装ってどう言う事?


「ねぇ、柚美ちゃん?悠ちゃんの女装って何?」


「ヒィッ、そ、そそ、それは・・・昨日クラスの出し物でやってまして・・・うぅぅ・・・。」


「そ、その、お姿が葵さんに、そっくりでして・・・。」


あら?柚美ちゃんも涼ちゃんもと言うか皆、そんなに何で怯えてるのかしら?

まぁ、良いわ、今は取り敢えず・・・。


「悠ちゃんの所に行くわよ?皆、良いわね?」


「「「「「はひぃ!」」」」」


悠ちゃん・・・待ってなさいよっ!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ママこわぁ・・・

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