第158話 清蘭祭1日目 争奪戦
ドドドドドっ
「お~・・・走り回ってるねぇ~・・・。自分でやっておいて何なんだけどそこまで欲しいか?」
「欲しいよこれは・・・。」
「って言っても実物はまだ生徒会メンバーしか見て無い訳ですし。」
「モデルが悠馬くんってだけで欲しいんだってっ!」
そんなもんかぁ〜っと思いながら窓から外を眺めたり、走り回ってる足音を聞いたりしながら時間を潰していたら、スパーーンッと生徒会室の扉が開いて目を向けたら・・・まぁこうなるよな?来ない訳ないよな〜・・・。
「「「失礼します!」」」
「悠馬!説明!」
「詳しく教えて戴けますよね?!?!悠馬さん!」
「どういう事かな〜?何も聞いてないんだけど?!」
「来ると思ってたよー、取り敢えず説明はするから、座って座って。」
俺の言葉に素直に3人共座ってくれたのを見て、俺はこのゲームの説明をした。
「皆への還元・・・、いやまぁ、分かるよ?悠馬らしいって思うしさ。でもさぁ・・・。」
「悠馬さんらしいですし、遊び心もあって良いとは思います。ですが・・・。」
「この案に乗った明日香達は後で絞るとして・・・考え自体は理解した、納得もした。でもね・・・?」
「うん?何かしたか?別に悪い事をしてる訳じゃ無いしさ。」
「「「せめて一言くらい!相談してよ!!くださいよ!!」」」
「そこは素直にごめんだけど、実のところ思い付いたの昨日何だよ。」
「どういうこと?悠馬。」
「余った材料とかで作れるだけ作ったまでは良かったんだけど、これどうしよう?って気付いてさ、A組に配るかな〜っとも考えたんだけど、A組だけにだと恨まれ無いかな?ってなってな。それなら学校を巻き込んで宝探しにしちゃおう!ってなったのさ。清華のクラスのデフォルメ悠馬くんの目も逸らせるしさ、生徒会は参加出来ないのは可哀相だから先に渡す代わりに協力して貰ったって訳。」
これは愛央達の分ね〜っと残しておいた分を渡して・・・ごまかす!!!
「可愛いし・・・。あ、これってもしかして?」
「立花さん達に渡した小袋と同じですしもしかして?」
「そうそう、健司がヌイグルミ取ったし誰かに渡せば喧嘩になるかもだし、渡したって訳。」
「これも限定品って言えば限定品だからねえ〜。」っと俺の言葉に三人共、「はぁぁぁ〜〜〜。」っと大きく溜息を付きながらテーブルに突っ伏したのだった。
……………………………………………………………
SIDE 薫
くっ!見つからない!ってか!何を探せば良いのかも分からない!!
絶対に悠馬くんは分かってて言わなかったやつだ!!
「あっ!何かある!!」
むっ!?先に見付けられた?!
「こ、これだ!絶対!やったぁぁぁ!」
その子に視線が周りで探していた人達の視線が集まってる、私も同じ様に見詰めてる。
封筒を探せば良いのかな?・・・いやでも、悠馬くんだよ?こんな分かりやすい物にするかな〜・・・?
交換チケットってのは間違えて無いとは思うけど何か引っ掛かる・・・。
「ふふーりっ♪」
くぅ・・・自慢気に中身の確認してるしっ!
「ゆ・う・ま・くぅぅぅんっ・・・がぁぁぁぁぁんっ。」
あら?何て書いてたんだろう?orzってなってる、おろろ?手から離れたのがこっちに落ちて来た・・・。
「どれどれ・・・あ~・・・悠馬くんらしいっちゃらしいかなぁ~。」
残念!は・ず・れ♡って・・・。
「ふふっ・・くくっ・・・あはははははっ。これはっ!悠馬くんらしいなぁ~。さって次々!こう言うのもある訳ねー、ちゃんと中身確認しないと駄目って事ねっ。」
私は直ぐに移動を開始しながら悠花に電話をしてこう言うのがあったよって連絡を取りながらお互いに頑張ろうー!っと励まし合って探索を再開したのだった。
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SIDE 悠花
やはりと言うかなんて言うかハズレが多い、まぁ全部で20個って言ってるし当たり前かもだけど・・・。
残念!は・ず・れ♡、見つけたと思った?無念っ!、あ・た・り♪だったら良かったのにっ!、残念ぅぅぅぅぅっ!等々・・・。
むきぃぃぃぃ!っとなる人、がぁぁぁぁぁんっ!っと落ち込む人、期待したのにぃぃぃぃぃ!っと泣く人っと結構な騒ぎになってる・・・。
♪~♪~♪~♪
「もしもしー、どったの?薫。」
「そっちはどうー?悠花。見つかった?こっちは駄目ー。」
「こっちも駄目だねー、どれくらい見付かってるんだろね?」
ほんとに残り時間も分からないし見付かった数も分かってないから焦る・・・。
ぴんぽんぱんぽーんっ
「やっほー、まだ時間前だし全部は見つかって無いけど折角なので少しお知らせだー!」
悠馬くん・・・絶対ニヤニヤして楽しんでる・・・。
「えっと、残り時間はあと15分、見つかって無い数は3個、って事でまだ時間前だけど放送いれちゃうねー。」
「楽しんでるよね、悠馬くん。」
電話の向こうで薫が声をかけて来るのを聞いて私も同意する。
「取り合えず合流しよっか、後3個なら見つかったら直ぐだし最後は協力だね。」
私達は悠馬くんの放送を聞きながら合流して一緒に探し始めたのだった。
「んー・・・後5分か~・・・、後、探してないところってどこだろ?」
薫の言葉に頭を必死に使う、考えるのは得意じゃ無いけど私達は悠馬クラスなんだから他の人より悠馬くんを知ってるんだ!だからこそ、手に入れないと!
「悠馬くんのやりそうな事、考えそうな事・・・。」
「「あっ!!もしかして!」」
私と薫は思い付いた事の確認の為にもお互いに頷いて走り出した。
……………………………………………………………
さて、残りの3個は見付からないで終わるかな?
後、五分だし難しいかもな。
「入るねー。」
「はーい!って水無月先生?」
「やっほ!交換お願いします!!」
いやいや、何で教師の貴女が・・・。
「先生まで参加したんですか?」
「勿論!担任として参加しない訳には行かないからね!!」
愛央の言葉に自信満々に胸を張りながらそんな事を言う我が担任教師。
「いやまぁ、仕草とドヤ顔は可愛いんですけどね、何か残念感も凄いなーっと・・・。」
「し、仕方ないじゃない!欲しかったんだから!それに、職員トイレにまで隠してたのはそう言う意味でしょ!!」
「そこは会長ですよ、隠したの・・・。俺は入れないですしね。」
「悠馬くん、時間だよ。」
「はいな!それじゃ終わりを告げてきますね。」
俺がそう言って扉に手を掛けるのと同時に扉が開いてそこには、薫と悠花が居た。
「お?もしかして、最後の2個は二人かな?」
俺の言葉に二人共頷いて、自慢気に交換券を見せてくる。
「おぉー!おめでとう!何処のやつ?」
「女子更衣室!」、「女子トイレ!」っと俺が敢えて頼んでおいた場所から見つけて来たらしい。
「ちゃんと俺がやりそうな事、考えたって訳か・・・おめでとっ!ちょっと放送してくるね。」
いってらっしゃ~い!って言葉を背中に聞きながら俺は生徒会室を後にしてゲームの終わりを告げに行くのだった。
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SIDE 薫
「それじゃ、お願いします。」
「私もお願いします。」
私達のチケットで残りの2個の交換が終わって時間も丁度って事でこのままゲームは終わりにするみたい。
「私達以外に悠馬クラスの人って居ました?」
「居ないよ、居たのはそこで正座してる水無月先生だけ・・・。」
「いやいや、何でよ?」
「職員トイレに会長が置いたのがあったらしいんだけど先生が見付けて持ってきてね〜。いやまぁ、そんな所に置いてる時点で教師も探しても良い対象なんだろうけど喜喜として探すのはどうなの?ってことで・・・。」
「あ〜そう言えば先生もかなり真剣に探してる人居たわ・・・。」
「はぁ・・・年令問わず虜にする悠馬を怒るべきか、いい歳して真剣に探す大人を怒るべきか、悩む・・・。」
愛央ちゃんの言葉に私達も苦笑いだ。
「まぁ、でも気持ちは分かりますし仕方ないかと・・・。本人である悠馬さんも特に怒ったりはしてなかったですし?」
「そうだけど〜・・・むぅ。何か納得出来ない、もやもやするぅ。」
まぁまぁっと皆で慰めてるとぴんぽんぱんぽーんっと放送が始まった。
「はーい!皆さんお時間になりました!これにてゲームは終了になります!用意した20個もしっかりと見つかって無駄にならなくて良かったです。」
これで今日は終わりかぁ〜、ほんとに早い一日だったなぁ〜。
「それでは改めて清蘭祭一日目は終了になります!大きな事件や騒ぎも無く終われたのは皆さんの協力があっての事だと思ってます。」
何か明日香会長みたいな事言ってるけど悠馬くんだと違和感無いね。
「明日も問題や事件が起きないことを祈りながら明日に備えて解散です!帰りに怪我したりしないように気を付けて帰りましょう!!そして、明日もまた思っいきり楽しみましょう!!俺の思い付きの遊びに付き合ってくれてありがとうございました!それでは・・・一日目、お疲れさまでした!」
パチパチパチっと自然と私達は拍手をしていた、悠子ちゃんに始まり健二くん達や、糖分ばら撒きにこのゲーム・・・いやぁ〜・・・ヤラカシまくってくれてほんとにもうっ!
まぁでも・・・楽しかったなぁ〜明日も期待だねこれは!
「それじゃ悠馬を拾って帰ろうか!明日は何をヤラカシてくれるんだかねぇ〜?」
「油断も隙もあったもんじゃないし悠馬くんだしねぇ。」
「ふふっ。でも楽しいですし、それに愛央さんも清華さんも期待してますよね?」
「「うっ。否定はしないけど・・・。」」
何だかんだ言って皆して、期待して楽しみにしてくれてるのだけは間違いないね、私達も同じだけど!
「帰ろっか!私達も一緒しても良い?」
悠花の言葉に愛央ちゃん達が頷いてくれて会長達は少しやることあるからと、ちょっとだけ残るらしいから私達は揃って生徒会室を後にして、悠馬くんを拾って沢山、今日の事を話しながら最後まで楽しく帰宅しながら清蘭祭の一日目は幕を閉じるのだった。
明日はどうなるのかな〜?っと期待しながら皆で笑顔を浮かべて・・・。
「私はいつまで正座してれば良いんでしょう・・・絶対に忘れられましたよね?私。」
会長達が作業してる生徒会室に水無月ちゃんのそんな言葉が響いていたそうです。
うん、途中から忘れてた何て言えない・・・。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
何度か完成はしても納得いかなくて時間掛かってしまいました、申し訳ありません。
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