100万PV特別話 家族の時間と女の戦い?

コンコンッ


「どうぞ。」


「お邪魔しますー・・・ってお母さんもまだ居たんだ。」


「うん、話す事も色々あるからね。観月もでしょ?」


「まーね。蘭姉さんは愛央ちゃん達と話に行ったし女の戦い?でもしてるんじゃないかなー。だから私はこっちに来た。」


「女の戦いってマジか・・・殴り合いにならなければ良いが・・・。」


「流石にそれは無いでしょ。あの子達だってそんな子達じゃないんでしょ?」


まー流石に大丈夫か・・・。3人共イライラはしてたけど愛央と志保は兎も角、清華は上手く纏めてくれるとは思うし・・・。


「それで?何がどうなってるのかもう一度詳しく教えてくれる?」


「あぁ・・・えっとな・・・?」


もう一度詳しく説明する事で俺の身に何が起きていたのかどう言う所から来たのかを説明した事でどう言う状況だったのかをしっかりと把握してくれたのだった。


「つまり、琉珂の考えでは三日はここに留まらないと駄目だと思ってる訳ね?」


「うん、こっちに来た理由って言うか状況的に来たのがファンタジーなら帰りもファンタジーに頼るしか無いかなっと思ってる。」


「帰りたいよね・・・、お兄ちゃん・・・。」


「そうだな、こっちには俺の居場所はもう無いからな。観月と母さんには悪いと思うけど帰らないといけないと、いや・・・・帰るべきだと思う。待ってる人も居るからな。」


「嫌だよ・・・蘭姉さんには帰らせてあげないと駄目だって言ったけど私だって・・・本当は・・・。」


うん、分かってる。俺だって出来るなら帰って来れたって言いたいしこのまま母さんと観月と一緒に居たいでもそれは・・・。


「琉珂。ちゃんと帰りなさい。貴方の居場所はこっちの世界じゃ無い、もうあっちの世界なのよ。」


「うん、それは分かってる。でもさ・・・会えて良かった、凄い嬉しいよ。ずっと気になってたんだ、親孝行も出来なくて、悲しませてばかりで何も返せなかったから・・・。」


あ〜・・・駄目だ、泣く・・・後悔と未練、申し訳無さと会えた喜び、沢山の感情が綯い交ぜになって涙腺が・・・。

そんな、俺を母さんは黙って抱きしめてくれる。


「まったく、何歳になっても泣き虫ねぇ。私もまた会えて嬉しいよ。琉珂が死んだって聞いた時は目の前が真っ暗になってとても悲しかったし、乗り越えるのが本当に大変で辛かった。」


なでなで、ぽんぽんっとまるで小さい子供をあやすかの様にしながらも母さんは言葉を紡いでくれる。


「こうやってまた会えて、抱きしめることが出来て本当に嬉しいよ、だからこそちゃんと帰らないと駄目よ。あっちの世界の母親と妹さんに悲しい思いをさせたら駄目。そんな、琉珂なんてお母さんは見たくないな?」


「うん、お別れになるのは寂しいし、悲しいけど世界は違っても、凄くお兄ちゃんが頑張ってるのは分かったし、とても大切にされている事も知ったから、もう一度のお別れは辛いけど、それでも私は送り出したいって思う。」


そんな涙声で今にも泣きそうな顔で言われても説得力は無いっての・・・母さんと観月と俺と、三人共、暫くの間抱き締め合いながら静かに涙を流し続けるのだった。


あぁ・・・俺はこんなにも愛されて居たんだという温かい想いを胸に感じながら。


……………………………………………………………

その後、改めてリビングに集合した俺達は今日から3日の間の事を話すことになった。

その中で意外?な提案が愛央達から出された。


「え?マジでか?」


「うんっ!3日間は蘭さんと居てあげて欲しいの!」


「はい、関係性は聞きました。婚約者という事も、本当に悠馬さん・・・琉珂さんを愛していた事も。」


「だからさ、最後の思い出って言い方は少しあれだけど、蘭さんが先に進む為にも一緒に居て欲しいんだ。」


「私からもお願い。このままじゃずっと引き摺る事になるし・・・自分の中で決着をつける為にもお願いしたいの。」


「そりゃ、俺だって気になるし先に進んで欲しいから力になれるならなりたいけどさ・・・愛央達は本当に良いのか?」


「うんっ!ちゃんと話し合って決めたから!」


「別に72時間ずっと居てくださいって事では無いですし。」


「私達は私達で昼間はこの辺を見て回るから、凛さん、観月さん、私達の事をお願いしても良いですか?」


「う、うん。この辺の案内とかは別に良いけど。バカンスで来てるからそこまで詳しくないよ?」


「はい、それは分かってますから大丈夫です。悠馬の事・・・えっと琉珂君の事を教えて下さい。」


「私達の知らない小さい頃の琉珂さんの事とか。」


「どんな大人だったのかとか、琉珂くんの事を教えて欲しいんです。」


「分かった。それとっ!無理に琉珂って言わなくて良いよ。貴方達からすれば悠馬なんだからね。」


「「「ありがとうございます。」」」っと3人が声を揃えて返事をしたのを見届けて俺は神妙な顔をしている蘭に向き直って、吹き出してしまうと、蘭は可愛らしく?幼く?頬を膨らませながら文句を言ってきた。


「ちょっとぉ!人の顔見て笑うってどう言う事?!」


「ご、ごめんってっ!物凄く神妙な顔をしてたから何かおかしくてさ。」


「もうっ!それで?良いの?駄目なの?」


俺は改めて愛央達を見る、そんな俺に三人共、頷いて了承だと示してくれた。


「分かった。3日間は同じ時間を過ごそう。俺も沢山の事話さないとだし蘭の事も沢山聞かないとだしな。」


そうして、一先ずって形に収まり夕飯を食べてそれぞれの床に付いて、異世界一日目は終了したのだった。


……………………………………………………………

SIDE 清華


私達は今、向かい合って悠馬くんの元婚約者と相対している。

愛央も余裕が無いのか、イライラしているのが分かるし、普段なら私達を引っ張ってくれるけどそれが出来ないほど余裕が無いのが分かる。

だから、そんな愛央が落ち着くまで私達3人のリーダーに戻るまでは私が支えないとね。

これでも、年上だしっ。


「それで、蘭さんの目的、話とはなんですか?」


桜井蘭さん、悠馬くんの元婚約者、死に別れと言う形になってしまった人。

そんなの考えただけで私達だって辛くて苦しいのに、それでもこの人は引き摺りながらも歩いてるのは立派だと思う。

それに、綺麗な人だし、スタイルだって良い、モデルをしてると言われても納得してしまう見た目だ。


「お願いがあるの、この世界に居る間は、るー君と居させてほしいの。」


「何故ですか?苦しいだけでは?先程も言いましたが貴女の言う、琉珂さんは既に亡くなって居ます。それなのに、悠馬さんと過ごす意味はなんですか?」


「志保ちゃんの言うことはもっともだと思う。でもね、私だって別れるって決意して別れた訳じゃ無いの、奪われる形で別れてしまったの。ましてや、結婚まで決まっていてこれから先の人生をるー君と歩いていくって決めたばかりなのにだよ。それなのに、簡単に割り切れるわけ無いじゃない、だから・・・。」


言いたい事は分かるけど・・・一緒に過ごさせる意味が余り・・・。


パンッ!っと私の後ろで何かを叩く音がして振り返ると愛央が自分で自分の両頬を叩いた音だった。


「あ・・・愛央・・・?」


「ふぅぅぅ・・・。ごめん、清華さん。ありがとう、後は代わるよ。」


「蘭さん、提案って言うか答えから言うと、悠馬との時間を取るのは構わないですよ。」


「良いの・・・?」


「えぇ、ただしちゃんととして見てください。君だって事は分かります、そう見てしまう事も・・・でもちゃんと今の姿をを受け入れてください。として相手をするなとはもう言いません。でも・・・ちゃんととして見てください。それが条件です。」


「うん、分かった。確かに今は悠馬なんだもんね・・・。ごめんね、私にはどうしても琉珂だから、貴女達からすれば蔑ろにされてるって思っても仕方ないもんね・・・。」


「いえ、私達には蘭さんの気持ちは分かりませんけど、を失った悲しみなら想像位は出来ますから。」


「ありがとう。悠馬として、琉珂としてちゃんと向き合いたいって思う。」


「それなら、良いです。頑張ってくださいっ。」


ふぅ・・・さすが愛央かなぁ〜?私達のリーダーだよ、本当っ。

私じゃこんなに纏められないし本当に凄いと思う。


「では、纏まったところで教えて下さい、琉珂さんだった頃の悠馬さんの事。」


「確かに聞きたいかもっ。同じ人を愛する女性として私達の知らない琉珂くんの時の悠馬くんの事。」


「やっぱりモテたんですかー?こっちの悠馬みたいにファンクラブとかあったり?」


「ええ?!ファンクラブなんてあるの?そっち!!こっちもモテては居たけどそこまでじゃ無かったよ。」


まぁ、あの面倒見の良さと優しさとならモテるのは分かる。


「あー、そっちは男子は少ないんだもんね、何かを他の男子と違うことすれば簡単に騒ぎにもなるしファンもつくか〜。」


3人共大変ねぇ〜っと蘭さんは染み染みと私達に伝えてくる、蘭さんも苦労したんですねぇ。

私達は最初の空気も忘れて、お互いの事、悠馬くんの事を話しながら和やかに時間も忘れて話し込んだ。

まぁ、蘭さんから爆弾が一つ落とされたけど・・・。


「ところでさ、赤ちゃん欲しいんだけど、抱いて貰っても良い?」


「「「駄目に決まってるでしょーーーーーー!?!?!?!」」」


ほんとに駄目だからね?そんな無責任な事を悠馬くんにさせたくない!!!


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

何故か一回公開したのに未公開に変わってました(´Д`)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る