幕間5
第167話 次の日
「さっさと起きなさい!柚美!遅刻するわよ!!!!」
「ふぇ・・・?わぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」
不味い不味い不味い!絶対に遅刻だこれ!何で起こしてくれなかったの!!
私は大急ぎで着替え、持つものを持って部屋から飛び出した後に大急ぎで朝の準備を終わらせる。
「やっと起きた、ほら食べながら行きなさい。」
「ありがとう!行ってきますー!」
ガチャンっと音を鳴らしながら玄関から飛び出した私は学校に向けて全力でダッシュしたのだった。
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「「「ぅぇ〜・・・。」」」
なんとかギリギリで教室に飛び込んだ私は、というか私達は担任が出ていくのと同時に机の上に突っ伏して呻く。
校門への最後の直線で千里と涼の二人と鉢あってそのまま揃って全力で駆け抜け何とか間に合った。
「あんたらねぇ〜・・・月曜日の朝から何してるの?」
呻いてる私達の所に学級委員の
「いや、昨日の夜は興奮で寝れなくて・・・。」
「何よそれ?柚美と千里はともかく、涼も?」
「えぇ、土、日の興奮が抜けなくて眠れなかったのよ。覚えてるのは3時位まではゴロゴロしてた事かしら?」
「「同じく。」」
「揃ってって何したの?」
うー、今は話しかけないで欲しい、放っといてください、答えるのも面倒なんだから・・・。
「ごめんけど、放っといて・・・、今は回復に全振りだから答えるのもだるい・・・。」
「そ、そう・・・分かった。後でね?」
3人揃ってフリフリっと突っ伏したまま手を振って怜奈を見送った。
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「それで何をしてたの?週末。」
あれから午前中は死んでた私達はお昼になってやっと復活した、今は机を囲んで千里と涼と怜奈とお昼ご飯を食べてる。
「まぁー清蘭祭に行ってきたの、二日間。」
「清蘭祭ってYouMa様が通ってる学校の学園祭?・・・え?あったの?!」
「知らなかったの?沢山の人来てたよー。」
「まぁ、私達は稲穂君を通して悠馬先輩から直接誘われましたけどね。」
「はぁ!?え?!なんで?!?!」
「何でって・・・夏の学校見学で仲良くなったから?」
「あの二日間も凄かったから未だに鮮明に覚えてるわ・・・。」
それね、目標の3人と最憧れの悠馬先輩と知り合って沢山お話ししてって出来たしね、忘れる訳無いよ。
「学祭あったなんて知らなかったよ〜、誘ってよー!」
「この学校の生徒も結構居たし、近隣の生徒や他県の人も居たし、配信でも宣伝してたじゃん。」
「もしかして見逃した配信かな・・・はぁぁぁぁ。」
「だとしても普通に話題になってたと思うけど?」
「しょんぼり・・・会えたかも知れなかったのに。」
まー仕方無いねー、自業自得だし。
「私達とも会えてたらお話も出来ただろうし、もしかしたらコレも貰えたかもしれないわね。」
「なにそれ?!もしかしてYouMa人形?!」
涼ってば止め刺さなくても・・・てか、持ってる人の方が少ないんだから見せなくても・・・。
「そうよ、伊集院先輩のクラスにはデフォルメ悠馬くんのヌイグルミが景品であったんだけど、それを一緒に見て回ってた稲穂くんが取ったのね?でも1つだから私達の誰かに渡して喧嘩になるのも嫌だからどうしようってなったの。」
「稲穂くん?」
「ほら、ステイルで悠馬先輩にボッコボコにされた男子。」
「あぁ!!母親、姉、息子の三人共ボッコボコのあれ!!」
言い方ァ〜・・・。
「その稲穂君よ、すっかり改心して今じゃ悠馬先輩にも認められて友人と言われるくらいの人よ。それで、見兼ねた悠馬先輩が私達にこのキーホルダーをくれてって訳。」
「いいなぁ〜・・・。それも何処かで景品になってたの?」
「んーん、これは一日目の最後に宝探しをしたみたいで、その景品だそうよ。勿論、限られた数しかない、悠馬先輩の手作りだからね。」
「じゃー本来なら校内の一部しかもってない物を貰ったの?!まじかぁ〜。」
そう!貰った時は嬉しかったけど、帰宅して一息ついてこれはとんでもない激レア品だと。
だからといって売ったり手放したりはしないけどね。
「はぁ〜・・・ほんと失敗した〜。」
「怜奈も受験するんでしょ?頑張って合格すれば知り合えるかもよ?」
それしかないか〜っと怜奈は突っ伏したのでした。
「あ、それとねーライブも合ったよ?ちょーーー大盛りあがりのYouMaライブっ!」
「カッハァ・・・。」
千里ちゃん〜それはオーバーキル・・・。
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SIDE 健司
「健司!起きなさい!!何時まで寝てるの!!!」
「はいー!って寝すぎた?!」
大急ぎで着替えて俺はリビングに向かう。
「やっと起きた、具合いでも悪いとか?」
「いや、単に寝坊・・・。昨日、一昨日の疲れが出たんだと思うけど起きられなかった。」
「そんなに楽しかったのねっ。昨日も帰ってきてから話しが止まらなかったし。」
姉さんと母さんの言葉に頷きながら、用意されてる朝ご飯をモグモグ・・・。
「んぐっ。うん、本当に楽しかったからっ!最後のライブなんて最高だったし、近隣にも聞こえてたからか途中から明らかに近所の人達だと思うのも参加して盛り上がってた。」
「くぅ、私も行けば良かった・・・。」
「ほんとだよー、アンコールの後の歌なんてさ星川先輩達との出会いからを纏めたって感じの歌だったしさー!」
俺は朝から大興奮で昨日の事を昨日に引き続き話してしまう。
「はいはい!分かったから!続きは帰ってからね?話聞いてたら遅刻しちゃうから。」
「あ、ごめんっ。気を付けて行ってきてね。母さんもっ!洗い物は俺がやっておくから急いで良いよ。」
「そう?それじゃ宜しくね!」
パパッと食べ終えて母さんと変わって俺が洗い物をして、二人には朝の準備を進めてもらうけど、こんな事も今まではやらなかったんだよなー俺。
本当に悠馬さんと知り合って変わったんだなっと、自分で自分の変化に気付いた朝だった。
「来年は俺も一緒にやらせてもらえたりしないかなー・・・、昨日のを見て俺も立ってみたいって不思議と思えたもんなぁ〜。」
そんな事を考えながら任されている作業をこなして、母さんと姉さんの二人を見送って俺のいつもの朝の時間は過ぎていくのでした。
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「ふぉ・・・今何時だ?」
うへぇ、もうお昼じゃん。
振替で休みだから良いけど寝すぎだろ俺・・・。
「まぁ、それだけ疲れたって事か。」
寝間着のまま、下に降りてリビングに行くと書き置きが1つ。
“悠ちゃんへ。
昨日と一昨日の疲れで声はかけたけど、起きる気配が無かったから起こさずに家を出ます。
今日は菜月ちゃんも母さんも何時も通りの時間に帰るのでゆっくりと身体を休めるように。
冷蔵庫にご飯はいれておくので、起きたら食べてね?
菜月ちゃんと二人で今日も頑張ってきます!!
追伸:2日間お疲れさまでしたっ!“
「はは・・・ありがとう、母さん。」
書置きを読み終わった俺は早速、空腹を満たす為に冷蔵庫をあけて母さんのご飯を取り出して温めながら愛央達に「おはよ~、今さっき起きた。思ってたよりも疲れてたみたいw」っとフリッペを送って温めたご飯を食べて一日ゆっくりと過ごしながら愛央達と反省会?をしながら振り替え休日の一日目は過ぎて行くのだった。
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