第149話 清蘭祭 1日目 悠馬のやらかし一つ目

「「おかえりなさいませ、ご主人様!」」


「おかえりなさいませ、お嬢様っ、お席にご案内致します。」


学園祭がスタートして直ぐにお客さんが押し寄せて来る、学校に来てスタンプラリーの存在を知って参加費を払って参加して校内を歩き回ってあっちこっちが大盛況になってるみたいで、一先ずは大成功って感じらしい。


俺のクラスも愛央達の所も千客万来って感じみたいで廊下からは色々な声が聞こえて来てる。


「うっ!ステイル出張店?!YouMa様のクラスは和洋折衷カフェ?!メイドさんと執事さんの他にも浴衣着てるのとか!」


「出張店の方は名前だけじゃないよ!ちゃんと看板娘さんのクラスみたい!どうしよう!!??」


「これはどっちも行かないと・・・。カロリー?そんなものは知らぬ!今の私には問題にはならん!」


「そ、そうね!これを逃す手は無いわ!後の事何て後で考えれば良いのよ!」


って感じである・・いやまぁ・・・覚悟決めてるなら良いんだけどね?


俺は俺でお客さんの相手をしたり調理を手伝ったりでてんやわんやになってる・・・。


「くっそ、ステイルで慣れたつもりだったけど甘かった・・・。」


「これは予想以上に・・・ちょっとやばいね・・・。」


「パンケーキできたよ!それと3番テーブルのも完成!ケーキセット、和菓子セットも完成!持って行ってー!」


「おう!」


両手にそれぞれ品を持って俺は各テーブルを回ってそれぞれを置いてお客さんと話してを繰り返す。


さって、そろそろ・・・かな?


「薫!悠花!悪い!少し抜ける!」


「え?!ちょっと?!何処行くの?!?!」


「ゆ、悠馬君?!?!」


「お花摘みにいってきますっ!」


「「あっ!はいっ!」」


適当に嘘ついて俺は教室を出て一つ目のやらかしの為に人目を避けながらとある待ち合わせ場所に向かったのだった・・・。


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SIDE 薫&悠花


遅くない?悠馬くん戻るの遅くない?


「悠馬くん遅くない?トイレって言ってたよね?何かあったのかな・・・。」


「絡まれてるとか・・・?」


「いや・・・校内でそれは無いでしょ。仮にあったとしても周りが放置何てしないって!」


まーそうだよね・・・警備員も居るしね・・・。


「うん?何か廊下の方・・・静かになってない?」


「え?・・あ、ほんとだ・・・。さっきまでのガヤガヤが聞こえない。」


何時の間にかさっきまでの煩い位の声が聞こえなくなってる・・・。

なんだろ?人は居るんだけど・・・。


ガラガラっ。


「ごめんね、皆お待たせ。」


「「「?!?!?!?!?!?!?!?!?!」」」


「ゆ、ゆゆ、ゆゆゆ・・・。」


「どうしたの?薫?悠花も真っ赤になって具合い悪いとか?」


下から覗かないでっ!心配そうな顔で見ないでっ!今回は完全にメイド服まで着こなして!!!


「もうっ!皆してどうしたの?」


「「「かっはぁぁぁぁぁ////」」」「「「ごっふぅぅぅぅぅぅ////」」」「「「きゃっはぁぁぁぁぁ///」」」


そう・・・戻ってこないと思って居た悠馬くんは変身して戻って来た。


悠子ちゃんとしてっ////


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ふっ・・・勝ったっ!何に?って感じだけどクラスメイトもお客さんも全員が全員真っ赤になってるし、鼻を抑えてる人も居るし今回は完璧に女の子になって来てやったからな~前回以上の破壊力だろう!


「ほらほらっ!確りしないとだめだよぉ~!お客さん待たせちゃってるよっ!」


「ぐふぅ///悠子ちゃん・・・///」


「あれが・・・伝説の・・・///」


「姿が見えないと思ってたら何をして・・・///」


「いやさ、やらかすのを期待されてるみたいだから応えてみた感じ?」


「何て応え方するのぉ・・・。」


「まーまー!がんばりましょー!お待たせしてすいませんでした、お嬢様方っ。」


そうして俺のやらかしの一つ目、掲示板とかで話題の悠子ちゃん姿を披露したのだった。


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SIDE 愛央&志保


「始まって直ぐにお客さんの群れが凄いし止まらないね・・・。」


「ですね、悠馬さんの方と私達の方と悩みながらどちらも来てくださってるって感じみたいですね。」


「志保ちゃーん、悠馬くんセット4!」


また入った・・・悠馬セット、普段、悠馬がステイルで頼むセットをメニューにいれてみたら来てくれたお客さん達の殆んどがそれを頼んでる。


「ここまで効果あったか・・・。予想を遥かに超えてるよこれ・・・。」


「在庫はまだ十分ですけど、明日は途中で売り切れになりそうですね・・・。」


と言う事は今日の売上次第では明日の補充も考えないとって事か・・・。


「兎に角・・・今日を乗り切る事を優先して頑張ろう!」


「そうですね、先ずはそこからです。」


「皆ー!始まったばかりだけどこれからが本番だしがんばろー!」


隣は悠馬が皆を引っ張ってるんだからこっちは私が引っ張らないとね!

それが、悠馬が居ない時の私の役目だもん!


「「「おー!愛央ちゃんと志保ちゃんがこっちには居るんだし負けないよー!」」」


「って・・・何か静かじゃない・・・?」


「そうですね・・・さっきまで廊下もガヤガヤ言って居たのに・・・?」


なんだろ・・・?何か嫌な予感がする・・・。


「「「かっはぁぁぁぁぁ////」」」「「「ごっふぅぅぅぅぅぅ////」」」「「「きゃっはぁぁぁぁぁ///」」」


?!?!・・・まさか・・・悠馬ってばやらかしてくれた・・・?


私と志保さんは反射的に顔を見合わせて一つ頷く・・・。


「ごめん!ちょっとお願いっ!」


「見てきます!悠馬さんがやらかした気配がしますので!」


「「「えっ!?あ、うん・・・いってらっしゃい・・・?」」」


今度は何をやらかしてくれたの?!ほんと勘弁してよぉー!


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ドタドタドタっ!


「ごめん!通してっ!」「通してくださいっ!すいませんっ!」


「ちょっとっ!順番守りなさいってっ!」「ちょっともうっ!何よっ!」


おや?この声は愛央と志保だな・・・、どうしたんだろ?


「今度は何したの?!悠馬!」


「悠馬さん!何をしたんですか?!」


「「って・・・・・えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ?!」」


「そう来たか・・・。」


「そう来ましたか・・・。」


二人共、床に手を着いてorzってなってるし・・・。


「どうしたの?二人共っ。やらかしに期待されてたから応えてみたんだけど?」


「私達のせいなのね・・・、しかも何でそんなにクラシカルメイド姿が似合ってるの・・・。」


「あの時の事ですか・・・、似合過ぎててもう何と言いますか・・・。」


「えへっ///そんなに似合ってるかな?///」


ふらふらとしながらゆっくりと立ち上がる二人に向かって、わざとらしく顔を赤くしながらクルっと回ってスカートもふわりっとさせながら、人差し指を立てながら頬の辺りに置いて・・・正面を向くのと同時にニコっと・・・。


「きゃっはぁぁぁぁ///」「ぐふっ///」「は、鼻血がぁぁぁ///」


「ゆ、悠馬のばかぁ///」


「悠馬さんっ///」


俺の行動を直視したお客さん達も真っ赤になったり鼻血出したりしながら倒れて、愛央も志保も力が抜けたかの様にぺたんっと座り込んでっと中々のカオスっぷりになったのだった。


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