第148話 清蘭祭 1日目 教室での待機時間

正しく光のごとく過ぎて行った一か月。

遂に清蘭祭の当日を迎えて俺は朝から教室で最終確認と待機をしてる。


「遂に来たね!めっちゃ準備頑張ったし絶対に売り上げ1位取るぞー!」


学級委員をしてる子が教卓の前で全員に発破をかけた。


「よっしゃぁぁぁ!やるぞぉぉぉ!」


「このクラスに勝てるところなんか存在しない!常に独走するからなぁぁぁ!」


「「「おーーーーーーーー!!!」」」


皆の気合いの入り方が半端なくてやばいなっ。

まぁ、俺もそれは同じなんだけどね!


今回ばかりは愛央にも志保にも清華にも負けられん!


「えっと!それじゃー悠馬くんから一言お願いします!」


「えぇ?!いきなり振りやがって・・・。」


「完成まで持って来れたのは悠馬くんのお陰でもあるんだから!」


「そうそう!最初に案聞いた時は、そんな無茶な?!って思ったけど形に成ったのは悠馬くんの協力が大きいもん!存在もね!」


「だー!もう!分かったよ!えっと、俺の無茶な案に決めてくれてありがとう!こうやって形にしてくれてありがとう!学校での売り上げ1位も勿論大切だけど、それ以上に最後まで怪我も無く乗り切って皆で終わりを迎えられれば結果は付いてくると思う!」


俺の言葉を皆が静かに聞いてくれてる、頷いてくれてる・・・それが何よりも嬉しいし皆に認めて貰えてるって分かって幸せだと思う、だからこそ・・・。


「だから・・・やるぞ!おまえらぁ!A組の力見せてやれーー!」


「「「おーーーーーーーーー!!」」


拳を突き上げるのに合わせて皆も突き上げながら同意してくれたのだった!


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SIDE 愛央クラス


「だから・・・やるぞ!おまえらぁ!A組の力見せてやれーー!」


「「「おーーーーーーーーー!!」」


隣から雄たけびが聞こえて来た!すごい気合いの入り方だし悠馬ってば・・・。


「あ、あはは・・・悠馬君からあんな風に言われたら全員に気合い入るよねぇ~。」


うん、あれは一種のドーピングだ・・・ずるいと思うっ。


「悠馬さん達のクラスの出し物のカオスっぷりが凄いですもんね・・・。」


そうなのだ、幾ら何でもあんなのを実際にやるなんて思わなかった。


「和洋折衷だもんねぇ~・・・。衣装も浴衣の他にメイド服とか担当に合わせて用意してるし・・・。」


でも・・・私達だって負けない!


「大丈夫!こっちは何と言ってもステイル出張店だからね!それだけで勝率は高いよ!悠馬達のクラスのは悠馬が居ない時でもお客さんを集められるようにって感じだろうしね!」


「そうですね、それはあると思います。勝機は十分ありますよ。」


ふんすっと拳を握りながら志保さんの気合いも入ってるし私達だってそれは同じ!

勝負だよ・・・悠馬!


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SIDE 清華クラス


「景品は大丈夫ー?」


「大丈夫!悠馬君人形も設置した!取られたくないから倒れにくくしたし!」


「ちょっと!イカサマしたら悠馬くんも怒るって!」


「大丈夫!イカサマじゃないから!」


ほんとかなぁ~・・・悠馬くんから提供された複数体のデフォルメ悠馬くんを皆に見せたら、発狂された・・・。

「まって!まって!うれしいけど撃たれるの見ないといけないの?!無理!!!」「めっちゃかわいいーーーー!絶対欲しい!でも撃たれるのみたら叫びそう!!!」「狙う奴多数だろうけど・・・全員に睨まれるやつだこれ・・・。」等など・・・。


「私だって欲しいもん・・・こんな景品あったらそりゃ・・・。」


悠馬くんの恋人組は作って貰えることになってるから良いけどばれたら・・・ねぇ?


「って言うか・・・悠馬くん何でも出来過ぎ・・・。売ってても可笑しくないじゃんこの出来栄え・・・。」


汚れない様にっと受け取って皆に見せた後、景品担当の子は学校から飛び出して行って包装用のビニール袋を手に入れて来て直ぐに包装して、更には鍵付きのロッカーに厳重に保管されてその上、箝口令まで出して今日まで守り通した一品。

そんな景品を私達は今日・・・撃たれるのを見ないといけない・・・。


「悠馬くんの気持ちは嬉しいけど、撃たれるのを見る私達の気持ちも考えて欲しかったなぁ~・・・。」


私のそんな呟きが教室に響いてクラスメイトがうんうんっと顔を上下していたのだった。


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ピンポンパンポーン


教室での時間を過ごして居たら放送を告げる音が鳴って直ぐに明日香会長の声が響きだす。


「皆様、おはようございます、生徒会長の高坂明日香です、遂に清蘭祭当日を迎えました。

本年度の2年生、3年生は経験はありますが、今年は確実に例年を越える来場者が予想されます。」


俺のせいっすね、ほんとすいません・・・。


「ですが!皆さんであれば二日間を難なく乗り越え最高のフィナーレを迎える事が出来ると信じております。

この学園祭が成功となるか失敗となるか、それは全校生徒の皆さん一人一人の行いと心構えにかかっています。

空気や雰囲気に飲まれハメを外しすぎると言う事の無い様にお願いします。」


明日香会長の綺麗な声と注意事項が届けられるのを全員が・・生徒も教師も静かに聞いているって言うのが何故か理解出来た、校内がそんな雰囲気に包まれていると感じられた。


「以上で、私からの、生徒会からのお話しとお願いでした、ご清聴ありがとうございます。

では・・・堅苦しいお話はここまでにして、今日と明日の二日間、目一杯楽しみましょう!私も皆さんの催しを楽しみにしています!」


パチパチパチ・・・俺もクラスメイトの皆も静かに拍手をした、そしてそれは俺達だけじゃなく、他のクラスから、学校のありとあらゆるところから自然と沸き起こり包んで行った。


「それではっ!・・・カウントダウン、いきますよ!」


「「「おぉぉぉぉーーーー!」」」


俺達は自然と手を繋ぎ、クラスメイト全員がカウントダウンに合わせて手を繋いでいく・・・。

「じゅう・きゅう・はち・なな・ろく・ごー・・・。」


「「「よん!さん!にー!いち!・・・。」」」


「「「ゼロ~~~~~~~~!!!」」」


「清蘭祭、開催ですーーーーーーーーーーー!!!!」


校内から、拍手と歓声の声が響き渡るのを聞きながら。遂に俺達の学園祭が始まった!!!


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