第147話 清蘭祭 準備期間
話し合いのあった週を越えて決まったクラスはちゃくちゃくと準備を進めていた。
それは勿論、俺達も同じで、看板を作ったり、メニューを決めたり、衣装の手配をしたりと毎日、毎日、とんでもなく早く進んで行った。
スタンプラリーに関しては、話し合いとすり合わせの結果、教室棟で5箇所、部活棟で5箇所の合計10箇所を回ってもらうことになった、最初の俺の案だと日に依っては誰も来ないなんて事にもなりかねないってのでどっちも回って貰って10箇所のスタンプを集めて貰う事にした、勿論これだけだと苦情が出るかも知れないって事でブロマイド1枚辺りスタンプ5個で交換、10個集めたら2枚交換。
更にシークレットスタンプを見つけられたら更にもう一枚って事で決まった。
「サービスしすぎでは?」っと志保に怒られたけどお金も出して貰うんだしそれくらいはね?って事でまー何とか渋々ではあるけど許可も出た。
そんな訳で放課後はあっち行ったりこっち行ったりと走り回ってるから、本番までにバテるんじゃね?って忙しさが続いてる。
「じゃーーーーん!!持ってきたよー!重かった!!!」
「おぉー!小型冷蔵庫!これで保存は問題ないね!!」
「うちの店の在庫で悪いけどねー。」
「高いんじゃないの?予算オーバーしないこれ?」
クラスの子に電化製品を取り扱ってる子が居てその子が在庫のだけど部屋用の小型冷蔵庫を持ってきてくれた。
「んー2万位だったかなー!でもお母さんに話したら在庫だし悠馬君の力になれるなら構わないって言ってたから気にしないでいいよー。」
いやいや、駄目だろ!
「それは流石に駄目だって。お母さんにありがとうございますって伝えてこれ渡して。」
俺はクラスの子に財布から3万円を出して手に握らせる。
「いやいやいや!多いから!!」
「良いから受け取って!ここまで運んでくれた手間賃も込みだからさ、足りないかもだけど・・・。」
えぇぇ?!ちょっ?!いや?!だって!!っと一気に大混乱になったのを後目に他の作業に移って話を切り上げて・・・っとそうだ!
「その冷蔵庫さ、許可取って学祭終わった後も置かせてもらおうよ!寒くなるって言っても脱水症状は起こるんだしさー。」
「いやー流石にこのクラスだけってのは怒られない?てか、許可も下りない気がする・・・。」
「その時はその時で持って帰るさっ。」
そんなやり取りをしながら刻一刻と準備は毎日進められて行くのだった。
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とある部活棟1
クラスを後にした俺は期待されてるヤラカシの為の準備に部活棟の一室に来ている。
「それで?本当に良いの?」
「もちもち!やらかしてやろうかなって思ってね。期待されてるっぽいし?」
「だからってこれは・・・。」
「嫌だったか?」
「まさかー!光栄だよー!」
「それは大袈裟じゃね?」
「いやいや!それくらいの事だよこれ!こっちは任せておいて!本番までに完璧にしておくからね!」
「おう!無理しない程度で頼むな!」
俺はそう言ってその部室を後にした。
本番まで一ヶ月を切ってるから大変だけど俺のやらかしには大切なのだ。
打ち合わせをした後に俺は部屋を後にして次のヤラカシの場所に向かった。
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とある部活棟2
「まじかぁ~・・・やるの?ほんとに?」
「やるよ?折角のお祭りだしねっ。」
「こっちとしては良いけども・・・。もうっ!知らないよ?怒られてもっ!」
「良いの!良いの!やらかしを期待されてるし応えないとじゃん?」
「だからって・・・っ。」
「大丈夫だって!怒られるとしても俺だけだしっ!そっちに行かない様に守るからさっ。」
「っ///・・・うぅぅ///ずるいしっ・・・///」
「まぁーまぁー!準備だけはお願いねっ?」
「分かりましたよー!任せておいてっ!」
「ありがとっ!そんじゃ俺は他の所回ってくるから!」
「はーいっ。またねっ。」
これで仕込みは大丈夫だな、後は当日までバレない様に頑張るのとあっちにもがんばってもらうことだな。
「やらかし前提で聞いて来たのはそっちだからな?見てろよ・・・。」
愛央達の驚く顔を楽しみにしながら俺はほくそ笑むのだったっ。
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「結局、何をする事に決まったの?」
「私の所は射的になったよ。お祭りってのもあるし皆で色々と景品を集めてそれをって感じだねっ。」
「おぉ~清華の所は射的かぁ~面白そうだし絶対やりに行くっ!」
「私達は喫茶ステイル出張場だよー。」
「むむむっ。じゃー愛央と志保のクラスはライバルかぁ~。」
「悠馬さんのクラスも喫茶店系ですもんね。負けませんよ?」
「こっちだって負けねーしっ。みてろよー!」
俺と愛央&志保はバチバチと視線をぶつけ合いながらお互いのクラスが勝つ!っとアピールしまくってるのを清華は見ながら何してるんだか・・・って顔で俺達を見てるのだった。
良いじゃんーこう言うのも楽しいしさー、お祭りなんだしなっ。
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逆月家~悠馬の部屋~
「ふんふん~♪」
俺は一人で鼻歌を歌いながらある物を縫い縫いっ。
コンコンっとノックの音が聞こえて直ぐに菜月が「兄さん~。」っと声をかけてくる。
「開いてるよー。」
「お邪魔します。お風呂開きましたよ?って何を作ってるんですか?」
「いやさー、来月の清蘭祭の清華のクラスの出し物がさ?射的なんだってさ。」
「射的・・・?ってまさか!このぬいぐるみは景品にするんですか?!」
「おうっ!デフォルメ悠馬君人形!複数体は用意出来るかなーって思うし清華の所のお手伝いのつもりでさ。」
「いいなぁ~・・・可愛い・・・欲しい・・・。」
「うん?欲しいのか?菜月の分も作ろうか?」
「良いんですか?!是非っ!」
ぉぉぅ・・・凄いぐいぐい来たな・・・。
「良いよー。清華に渡す分作ってからになるけど良いか?」
「はいっ!待ってます!」
「分かったよ、少し待たせちゃうけど必ず作るからね。」
菜月の頭をなでなでしながら部屋を後にしてお風呂に向かうのだった。
その後、完成した数体を清華に渡したら・・・愛央も志保も欲しがって学祭が終わった後に作って渡す事になりました・・・トホホ・・・。
追記
清華クラスも発狂したらしいですっ!
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取り合えずここまでになります。
お盆期間に入りますので、暫く書いてる時間は無いので一週間位は次の話を投稿するまでかかると思いますのでご容赦ください。
仕事で5時出勤とかだからです・・・休みだからじゃないんです・・。
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