第146話 清蘭祭 クラスの出し物

ってな訳で本日からはクラスの出し物の相談が始まった。


「悠馬くん〜何かやりたいことあるー?」


「うんうん!悠馬くんが最優先!」


「いや、そういうのいらないから、皆のやりたいこと優先してくれよ。」


「だってっ!ちゃんと出し物出来るようになったのは悠馬くんのお陰じゃん!」


「そーそー!実は少し諦めてたんだけど出来る様になったんだから立役者を優先しないとね!」


「そう言うの良いから!先ずは皆のやりたい事出していってってば!」


全く、優先してくれるのは嬉しいけどそれで自分の意見を無くしたり押し殺したりしてってのは違うしして欲しくないっての。


そんな事を考えながら進行を見守って居た所でお化け屋敷、喫茶店、執事喫茶(男装)、ただの休憩所、たこ焼き、お好み焼きの屋台系等々意見が出てる。


「こんなもんかなー?この中から決めよー!」


こうやって見ると結構な数の案が出てるしやっぱりやれる様になって良かった、皆の思い出を減らす事にならなくて安心したわ。

俺がそんな事や、学園祭での事を考えていたらそれなりに話は纏まったらしく俺の意見を求めて来た。


「悠馬くんっ!悠馬くんっ!一通り出たと思うけどどうかな?やりたいのはある?」


「ん〜、そうだな〜・・・執事喫茶とかも面白そうだしパンケーキ、タピオカ、お好み焼き、たこ焼きとかも良いよな〜。」


「食べ物屋って言うのは確定だとして正直どれも捨てがたいよねっ。」


食べ物関係は決まりだとして、それは他の所もやるだろうし俺が居るから売上げが上がるって考えは間違えてないけど、それだけだと弱い。

居ない時間に来た人や覗いた人は入らない可能性もある。


「ん〜どれも捨てがたいね・・・ぁっ。」


「何か思いついたの?悠馬くん。」


「まーね、ただし準備は大変になるかな。」


「お?何々?何か楽しそうな予感っ!」


「簡単な話なんだけどさ、全部混ぜちゃえ!って思ってさ。」


「「「ぇ・・・?えぇぇぇぇぇぇ?!?!」」」


…………………………………………………………

SIDE 愛央&志保


「「「ぇ・・・?えぇぇぇぇぇぇ?!?!」」」


隣の悠馬のクラスから大声が聞こえてきた。

何かあったんだろうけど、なんなんだろ?


「隣は盛り上がってるね〜?」


隣の席の子がそんな事を私に言ってきた。


「うん、悠馬の事だからとんでもない案でも出したのかな?」


「それはありそうだねっ。てか愛央ちゃんは何も聞いてないの?志保ちゃんもだけど。」


うちのクラスは教室から出なければ好きに話し合って良いとなってるから志保さんも近くに来ている。


「特には何も聞いてませんね。悠馬さんの事ですから何か凄いことを言ったかも知れませんね、さっきの声的に。」


「何なんだろね〜執事喫茶とか?悠馬くんが執事の格好したらかなりヤバそうっ。」


「それはみたいなぁ〜、悠馬の執事姿!」


「確かにかなり似合いそうですよねっ。」


それにしても何があったんだろ・・・どんな突拍子もない事言ったのかなぁ~・・・。


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そして、放課後、揃って帰宅した俺達はそのままいつもの流れでステイルに来ている。

カウンターから見える棚には俺達専用のカップがそれぞれ鎮座してる。


「それで、悠馬は一体なにを提案したの?あんな大声を揃って出すなんて余程の事でしょ?」


一息ついて直ぐに愛央が俺に聞いてくるけど、隣のクラスだし聞こえてるのは当然だよな。


「大声って何?」


そんな愛央の質問に清華が当然の疑問を投げかける。


「学祭のクラスの出し物の相談あったじゃないですか今日。その時に悠馬さんのクラスから大きな声が響いたんですよ。」


「あぁ!あの声は悠馬クラスからだったんだっ!」


「悠馬クラスって・・・てか清華のところまで聞こえたのね・・・。」


「そりゃあれだけ大きな声ならねぇ~・・・、それで今度は何をやらかしたの?」


「やらかし前提で聞くの止めない?」


「「「えっ?!」」」


「おいっ!」


揃って突っ込むな!揃って目を逸らすな!揃って言葉に詰まるな!


「はぁ・・・もういいや。」


「あはは・・・それで結局なんだったの?」


「ん-・・・まだ秘密かなー。俺だけの話じゃ無いし一応ちゃんとした出し物だよ?準備は大変だけど・・・。

それよりも、愛央と志保のクラスと清華の方はどうなんだ?」


「こっちはまだ全然~、意見は色々出るけど纏まらない感じかな。」


「私の方も似たような感じだねー。去年もそうだったけどこの手のって纏める人居ないと時間だけ無駄に使うんだよね。」


「確かにそうですね・・・。それは兎も角として悠馬さんのクラスの出し物は楽しみですね。」


「確かに!悠馬の事だから凄い事してくれそうだしっ。」


「うん!うん!それはすごい分かるっ。」


「なんだそりゃ・・・。」


そんな事を話しながら恋人達との時間を楽しんで暗くなる前に帰宅するのだった。


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帰宅して、夕飯も食べ終わって風呂も入って後は寝るだけって状態の前に俺は健司に連絡して学園祭に来ないか?っと誘いをかけていた。


「そうそう、来月の話なんだけど、学園祭あるから、良ければって言うか予定合うようならお姉さんとかと一緒に見に来ないか?健司。」


「めっちゃ行きたいです!今から説得してみせます!」


「説得って・・・まぁそうなるか・・・。ところで何だけど柚美ちゃん達の連絡先って分かるか?」


「分かりますよ?教えれば良いですか?」


「いんや、本人以外から聞くのはマナー違反だ。柚美ちゃん達にも教えておいてくれないか?もし良ければ遊びにおいでーってさ。」


「分かりました、大喜びしそうですねっ。明日にでもフリッペを送ってみます。」


「おうっ。頼んだぞ?楽しめると思うしさ。」


「既に俺は楽しみですよ!悠馬さんの事だから凄い事してくれそうだなって思ってますし。」


「健司まで・・・。ん-まーお前になら教えても良いかな。誰にも言うなよ?」


「はいっ!それは勿論、秘密にしろと言うならします。」


「実はな?今日の午後に出し物の話し合いあったんだけど・・・。」


そうして、クラスでの話し合いの事を順番に話して、俺が最後に提案した「全部まぜちゃえ!」って発言によって決まった事を教えたら電話越しで健司は大爆笑していた。


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